よく聞く言葉に,
「教育現場では大学で学んだことは役に立たない」というのがある。
現場の教員が言うのならまだしも,
教育実習生までもがこのような発言をすることがある。
教育実習生がこのような発言をする背景には,
教育現場で指導に当たっている教員への
リップサービスの意味も多々あるのであろうが,
あまり好ましい発言ではない。
大学で真剣に学んでいない者に限って
このようなことを言うものである。
さて,本当に大学で学んだことは
教育現場では役に立たないのであろうか。
私自身は,
大学で学んだことが教育現場でとても役に立っている。
とくに大学でしか学べないような内容,
テキストの厳格な読みの訓練や
テキストを批判的に読む訓練,
学問に対する深い情熱や
研究に対する厳しい姿勢など,
大学でお世話になった先生の人格的な感化ともあいまって
私の教員生活の大切な糧になっている。
当然のことながら,
教員としての実践的指導力の育成などということについては,
それほど直接的には大学では学んではこなかった。
しかし,
大学でしか学ぶことができないであろう
高くまた深い学問的修練や教養が
己のバックボーンとして
きちんと身についていれば,
資質を備えた教員であれば,
実践的指導力などはおのずと身につくものである。
要するに,「大学で学んだことは役に立たない」というのは,
その人に大学で学んだことを役に立てる力がないだけのことなのである。
役に立たないと思ったら,役に立てることができるところまで
学びなおしたほうがよい。
ともあれ,私は,昨今の教員養成における
実践的指導力重視の傾向を危なっかしく思っている。
学問への敬意や健全な批判精神,
幅広い教養といったバックボーンのない,
流れのままにただようクラゲ教員の大量生産だけは
ご免蒙りたいものである。
「教育現場では大学で学んだことは役に立たない」というのがある。
現場の教員が言うのならまだしも,
教育実習生までもがこのような発言をすることがある。
教育実習生がこのような発言をする背景には,
教育現場で指導に当たっている教員への
リップサービスの意味も多々あるのであろうが,
あまり好ましい発言ではない。
大学で真剣に学んでいない者に限って
このようなことを言うものである。
さて,本当に大学で学んだことは
教育現場では役に立たないのであろうか。
私自身は,
大学で学んだことが教育現場でとても役に立っている。
とくに大学でしか学べないような内容,
テキストの厳格な読みの訓練や
テキストを批判的に読む訓練,
学問に対する深い情熱や
研究に対する厳しい姿勢など,
大学でお世話になった先生の人格的な感化ともあいまって
私の教員生活の大切な糧になっている。
当然のことながら,
教員としての実践的指導力の育成などということについては,
それほど直接的には大学では学んではこなかった。
しかし,
大学でしか学ぶことができないであろう
高くまた深い学問的修練や教養が
己のバックボーンとして
きちんと身についていれば,
資質を備えた教員であれば,
実践的指導力などはおのずと身につくものである。
要するに,「大学で学んだことは役に立たない」というのは,
その人に大学で学んだことを役に立てる力がないだけのことなのである。
役に立たないと思ったら,役に立てることができるところまで
学びなおしたほうがよい。
ともあれ,私は,昨今の教員養成における
実践的指導力重視の傾向を危なっかしく思っている。
学問への敬意や健全な批判精神,
幅広い教養といったバックボーンのない,
流れのままにただようクラゲ教員の大量生産だけは
ご免蒙りたいものである。
>学問への敬意や健全な批判精神,
幅広い教養
こういうものを思考の根底に置くと、わかりやすい授業を求める風潮が、いかに安直で、傲慢な発想であるか、と思います。
学校の基本は、やはり授業であり勉強でしょう。教師として、子供たちが接する「知」の世界を大事にしてやりたいものです。
一概には言えないものの、大学で学んできたことが社会に出て生かせるようになるには、多少なりとも時間を要するものと考えております。
教員を目指される教育実習生が「大学で学んだことが教育の現場で役にたたなかった」と言う事に対して、一見するとあまり良い発言ではないとも感じます。しかし、ある意味でとても素直な意見と感じることができます。
その発言の背景に、恐らく「大学で身につけるべき専門的知識及び幅広い教養を初めての教育現場で十分に生かせなかった」との思いもあるでしょう。
それを、一括りに「大学で真剣に学んでいない者の言い草」と、現場の教員方を棚に上げてまで非難されることに、多少なりとも残忍と思わずにはいられませんでした。
今から教員になられる方々が、教育現場に入られて色々な経験の中で失敗を重ねていくうちに、大学で学ばれたことを生かせるようになってくれれば、良いのではないでしょうか。
この言葉は,多くの場合は,大学より現場で学ぶことが大事という意味で言われることが多いようで,そういう発言を現場も歓迎するふしがあります。それはちょっとおかしいのではというのが,このエントリーの主旨です。
また,私の書き方が悪かったのですが,「大学で真剣に学んでいない者に限ってこのようなことを言うものである。」という部分は,教育実習生に限らず,教員も含めてというつもりです。
人を動かす、などなどは自然科学ではありません。私は人文科学は教養の時に受講しただけ、後は好きで週刊誌や易しい文庫本を読む程度でした。でも、教養時代の勉強はそれらに書かれていた解説を理解させてくれました。
実践は担当者として管理職者を動かしたいときに、周りを見て勉強しました。工学やコンピュータを真面目に勉強したために、新人時代からそれなりの仕事を任され、白紙で人を動かす方策を耳学問と目学問で学べたのです。
小学校の勉強も、もちろん中高大の勉強も仕事にとても役立ちました。でも、その手段は教えてはもらえませんでした。むしろ部活やマージャンで人を管理する、人を使う考え方を学べたと思います。
再度、素晴らしい記事をありがとうございます。今日の記事は簡単に読めました。