(※青系文字がmasumi)
7月19日燃料油脂新聞より
静岡県小規模3者販売店 後継者不在 廃業急増か
大きな再投資踏み切れず
このままでは、国、政府が推し進めている地場SS業者による燃料供給拠点のサプライチェーン化をシナリオ通りに描くことは到底できそうにない。
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息子は医療関係の仕事に就いた。
「跡を継いでくれ」とはとても言うことはできなかった。
長男は一時「家業を継いでもいい」と店主に伝えてきたもののあえて申し出を断った。
会社は私で2代目になるので本当は息子に3代目として後を継いでもらいたかった。
しかし今は息子が別の仕事に就いてくれていて安心している。
小規模3者販売店の経営は非常に厳しい。
前出の業者はSS運営に加えて食品や生活日用品を取り扱っている小売店も営んでいる。
小売店業界でもSS業界と同様に、小規模店が苦境に立たされているようだ。
SS業界では小規模フルSS業者の系列仕切りは、大手特約店と比べて高い。
同じような現象が小売店業界でも散見されている。
全国区の大手小売店や有力小売店は、メーカーや卸売業者に対して強気に出ることができる。
一方で、ある卸売業者が我が社に対して「月間50万円以下の取引はすべて打ち切る」と通告してきた。
日本から家族経営の店がますます減っていくことだろう。
酒屋、米屋、八百屋、魚屋、肉屋など業種店がどんどん消えていった。
業種店に代わって大型スーパー、CVS(コンビニ)、ネット通販などが急拡大した。
つまり地元で働く場所がなくなっていくことを意味している。
親は息子に家業を継がせることができない。
だから地方は超少子高齢化、人口減。
でも結局のところ答えを出したのは消費者。
こういう社会を選んだのはすべて消費者なのだから。
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>このままでは、国、政府が推し進めている地場SS業者による燃料供給拠点のサプライチェーン化をシナリオ通りに描くことは到底できそうにない。
早期撤退型などという枠組みを作って、地域への小口配達を担っている地場店をその枠組みに押し込めて(仕切格差というハンデで)人為的に淘汰してきたのです。
311を契機に、“災害時の燃料供給の責務を地場店に負わせるために”減少をくい止めようとしても、20年という長い年月を経て疲弊した今となってはもう手遅れです。
国、政府の描くシナリオ通りにいかない理由は、20年前の青写真が愚策だったからです。
「元売は良識ある判断を」需給均衡も異業種攻勢強まる 全石連経営部会
コストコの進出に関し「地場のSSへの影響が大きい。地場SS存続の危機につながるので、元売に良識ある経営判断を求めたい」と強調した。
系列外の量販店への供給は間接的ながらも結果として系列SSの疲弊につながり市場撤退を招くと指摘。
「万が一、災害が発生した時には供給を担う地場のSSがないという事態にもなりかねず、(社会的ニーズに)逆行している」との見方を示した。
組合(全石連)、そして国、政府の本気度は?
若手確保へ労働条件改善 SS高齢化が着々と進行
※この20年、仕切りで優位的立場だった特約店にしか言えない“提唱”です。
7月20日燃料油脂新聞より
市場内格差が拡大 仕切価格不透明感増幅 広島
販売戦略の二極化鮮明「価格差縮小は困難」松山
120円下回る価格も 安値追随「キリがない」 真庭市
県内の価格差拡大傾向 値引きで120円前後ボトムも 鳥取県
※JXTGが発足して、7月から仕切りが1本化され・・・、
変化なし・・・・
販売店閉鎖「時代の流れ」 減販、利益不足で
販売店の多数が「SSか、自分の体力のどちらかが持つまで」を唱えている。
ローカルにも出没している大手の大型セルフSS。
減販、マージン不足に襲われ、無理に市場から退場させられている。
これまで地域に必要だったプレーヤーが不在となれば、エネルギー安定供給に支障が出るのは必至だ。
そうした市場をつくってきたのは、まぎれもなく元売をはじめとする業界そのものだ。
販売店の淘汰は「時代の流れ」で済ませるのはあまりに切なすぎる。
※
>国、政府の描くシナリオ通りにいかない理由は、20年前の青写真が愚策だったからです。
こうちゃんがこれを「偉そうに」と言いました。
「偉そうに」書いているのではないのです。
>そうした市場をつくってきたのは、まぎれもなく元売をはじめとする業界そのものだ。
元売も、国、政府も、全石連も、上の方ではグルなんでしょ?
安売り競争に自ら参加した販売店は自業自得でも、地域への安定供給を第一に考えてどれだけ高くても全量系列仕入れでやってきた地場店は巻き添えに遭ったのです。
過当競争のなか、消費者に誤解されながらも業転玉に逃げず自己資産を注ぎ込んだ末に廃業した同業者(一歩違えばそれは当店の姿でもあります)のことを想うと、
元売、国、政府、全石連(業界)に対して 腹が立つから書いているのです。