7月11日燃料油脂新聞より
コストコ出店社会問題に 地場業者存続の危機
静岡県石商・協 鈴木裕司理事長に緊急インタビュー
ー地場SS業者のコストコに対する危機感が相当ある
山間部や農村部の地場SS店主さんとお話しをする機会があったが、
コストコ以前の問題としてすでに大型セルフSSとの価格差は10円超もあり、現状においても地場SS業者の経営はかなり追い詰められている。
一方で大型セルフSSももうコスト削減ができないというギリギリの経営を強いられている。
山間部や農村部の地場SS業者は、地域社会のインフラ、防災拠点としてなくてはならない存在。
しかしコストコの出店によって廃業、撤退が一段と増える恐れが大きくなっている。
ー国、政府は地場SS業者の存続に力を入れている
だからこそ国、政府は“骨太方針2017”“未来投資戦略2017”“国土強靭化アクションプラン”のなかで、“平時有事を問わず、国内の石油・LPガスの安定供給確保に向けたサプライチェーンの維持・強化などに取り組む”ことを盛り込んでいる。
浜松市内の多くの地場SS業者は再投資ができないという非常に厳しい収支状態に置かれており、
コストコと地場SS業者の価格差は軽く10~20円超に達することも想定できる。
企業努力ではどうすることもできない大きな社会問題という見方ができるのではないでしょうか。
ーコストコの打ち出す廉価の背景には業転玉の存在がある
コストコに燃料を提供しているのは一体誰でしょうか。
元売~商社経由でコストコに燃料が供給されており、全国で多くの業界関係者のみなさまが指摘している通り、どこの元売~商社経由でコストコに燃料が供給されているのか特定されている。
コストコの廉売によって、系列サインポールを掲げている地場業者が存続の危機に立たされている。
国、政府、全石連が地場SS業者の存続に力を入れているのにもかかわらず、元売は地場SS業者をつぶしている格好だ。
元売には良識ある経営判断を求めたい。
ー元売の経営統合、合併によって業界全体で健全化が期待できそう
石油業界、SS業界の過去を振り返ってみると、元売各社は供給過剰を解消すべく製油所の統廃合、高度化ではなく蛇口、つまり供給ルートをたくさん求めてきた。
まずは灯油から系列外への放出が始まり、やがてガソリンや軽油へと拡大した結果、マーケット全体で廉売を招き、元売は自分で自分の首を絞めるという負の連鎖に陥った。
余剰玉の存在価値を否定しているわけではない。新たな秩序作りが求められているのではないでしょうか。
元売も地場SS業者もきちんと利益を出すことが急務。
静岡県浜松市内 コストコオープンまで1カ月切る
打ち出し価格に警戒感高まる
元売商社 地場SS業者へ説明を
国、政府は大規模災害時に対応すべく地場SS業者による燃料供給拠点としてのサプライチェーンを強化しているが、
いまのままでは国、政府が描くシナリオとはますます遥か遠くかけ離れていくことになるだろう。
もしくは新たな登場人物を有事の際に地域住民、地域社会の燃料供給拠点にするつもりなのか。
もちろん重機への配達も含まれていることを忘れてはいけない。
やはり地場SS業者の存在価値は極めて大きい。
**以下masumi
初めて当ブログを訪れた方がここだけ読んで誤解されないようにと毎回書いていますが、
地場SS業者が存続の危機に立たされているのはコストコなど異業種だけのせいではありません。
愛知県では石商の宇佐美理事長が公取委にコストコの不当廉売を訴えています。
しかし規制緩和直後、全国各地で宇佐美サービスステーションが掲げる価格看板はどのようなものだったでしょうか?
地場3者店には不可能な安値看板を掲げてきたのではないでしょうか?
前全石連会長の会社のセキショウも、その他の組合執行部幹部席の大手特約店もです。
>コストコ以前の問題としてすでに大型セルフSSとの価格差は10円超もあり、現状においても地場SS業者の経営はかなり追い詰められている。
コストコ以前の問題として すでに2者店との価格差は10円超もあり、既に、地場SS業者の経営はかなり追い詰められている。
当店の事例で言えば、20年ほど前に当店の仕入れ値では不可能な単価で法人客への営業を掛けたのは系列店(他市に本社のある2者店・出光)です。
セルフ解禁前に当店の仕入れ値同然の価格看板を掲げ、個人の消費者を集客したのも系列店(広域大手の2者店・モービル)です。
どちらも当店の近隣に新規出店してきた系列店です。
その後、前者は「赤字でこれ以上無理」と撤退しようとしたが元売の意向でCAセルフへ。
後者は前者がCAセルフになって暫く後に、更に大手の広域フリートに運営者が交代しました。
だからこういう記事を目にするたび、同調より反感の方が勝ります。
>一方で大型セルフSSももうコスト削減ができないというギリギリの経営を強いられている。
地場中小零細3者店の経営を追い詰めてきた2者店が、コストコの出現で今度は自分たちが追い詰められることになるだけのこと。
こんなふうに反感の方が勝ります。
が、しかし、
全国にはまだ若い地場店経営者の存在があります。
彼らはこれから10年20年、老朽化した施設や設備への再投資をしながら、生業としてガソリンスタンドをやっていかねばなりません。
田舎の方ではポリ容器1つ2つの配達を必要とされるお年寄りがいます。
大手が非効率で不採算だとして切り捨てたそれらの配達を担い続けています。
「赤字だけど、火事になるよりマシ」
そう言って配達した灯油をストーブに移し替えてあげるために週に2回独居老人宅を訪問する若い経営者がいます。
彼ら地場3者店の仕切(仕入れ値)は高値です。
元売(特約店)に冷遇されていると感じています。
7月からのJXTGの新仕切りの好影響も他系列の地場3者店にはほとんどなく、不安感が払拭されていません。
>だからこそ国、政府は“骨太方針2017”“未来投資戦略2017”“国土強靭化アクションプラン”のなかで、“平時有事を問わず、国内の石油・LPガスの安定供給確保に向けたサプライチェーンの維持・強化などに取り組む”ことを盛り込んでいる。
ほとんどの国民(消費者)は知りません。
仕入れ値に格差があった(ある)ことも、今もまだほとんどの消費者は知りません。
それと私が危惧しているのは、国、政府、そして元売が言うところの「販売店」に、3者店は含まれているのか?ということです。
ポリ容器1つ2つの配達を担っているのは、その多くは、地場3者店であることを忘れないでほしいです。
ーこれ以上のガソリンスタンド減少をくい止める。地場中小組合員を守るー
現在の全石連の、そして、国、政府の方針です。
全石連が大手全国紙に意見広告でも載せてくれれば信用できるかと思いますが、
今でもやはり
自分たちは安全な場所にいて、時間稼ぎのパフォーマンスをやっているのではないのか?
そう思います。
だって、
使えない@「ぜんせき」お客様版
この後も全く変わっていませんでしたから。
そして、国、政府、
廉売することが確実な異業種の出店を許可する.....
7月15日 追記
大手特約店が規制緩和以前からあった卸格差を利用して地場零細3者店の仕入れ値では不可能な安売りをしたことを批判しているのではありません。
あの当時、高値店とされた地場3者店はその高値ゆえに一部消費者から「暴利を貪る悪徳業者」呼ばわりされてきました。
中小特約店や地場3者店のなかには業転玉で高値店の称号から逃れる者もありました。
その業転玉の斡旋を、誰あろう、組合が行ったのです。
卸格差を公にしようとせず、
高値の系列仕入れを貫く販売店をスケープゴートにしてきたくせに、今度はコストコの脅威から逃れるための方便にしようとしている。
その姿勢に憤っているのです。
先ずは知って頂かないと。