2001年12月、石油業法が廃止され元売が小売りに参入。
車検や板金を行うための設備も完備した立派な給油所を建てました。
当初はまだ今のようなあからさまな安売り集客ではなく、主に“物くれ”による集客を新聞折り込み広告を打って行っていました。
全ての販社がそうだとは言いませんが、
st31掲示板で時々話題になる「詐欺まがいの押し売り」、
先日ニュースになった「灯油巡回販売の不正」、
どちらも元売販売子会社です。
実は私はこの不正を行った巡回業者が元売の子会社だったことに軽くショックを受けたのです。
元売の子会社のような立派な企業がそのようなことをするはずはない、という驚きではなく、
元売は巡回販売にまで手を出していたのか、という驚きです。
改めて元売が小売りに進出した目的は既存の地場3者店潰しだったんだなと思います。
いえ、もちろん元売の小売進出当初に云われていたのは「模範を示す」としてです。
でもね、資本力はもとより敷地面積も人員の数も何から何まで違うトコロから模範を示されても、それを真似られる3者店は少なかったと思います。(これも言い訳と言う方もいるでしょうが、)
3者店であっても数店舗経営しているところや2者店クラスであれば、研修やセミナーへの参加も可能だったでしょうが、“三ちゃん経営”と言われているような3者店では一人が抜けると配達業務にも支障が出るような状態ですから。
それでも、そのような店でもそれなりに知識習得など努力はしていましたし、何と言っても「生業」(こうちゃん曰く、食わせて貰っている)ですからお客様に対する意識も高かったと思うのです。
ですから、元売が小売りに進出してきてもそれが原因で敗退した3者店は無かったのではないでしょうか。
もし万が一あったとしても極々少数だったのではないかと思います。
現在業界で問題にされている「販社による廉売」、これが始まったのはPBの攻勢を受けて、ですよね。
同じ元売マークを掲げている既存の地場3者店と同じ商圏で、その3者店の仕入れ値や仕入れ値以下の価格看板を掲げての価格競争。
その安値の理由は「インセンティブ」だそうです。(※ですから、いくら公取委に訴えても不当廉売にはなりません)
系列と業転という石油流通ルートの仕組みも何も消費者には明らかにされないままで、「高値=悪徳」の汚名を着せられて敗退、撤退した3者店はどれほどあるのでしょうか。
「模範として」
周辺の地場3者店より少々値段が高くても、それは研修で得た高度な接客力・知識・技術、そして整った設備のためー
販社にはそういう姿を見せてほしかったですよね。
PBの安値は、自らが放出した業転玉。
その安値に対抗するために不毛な価格競争が始まり
その巻き添えで、昔から地域のエネルギー供給を担ってきた地場3者店が姿を消しつつある。
こうして考えてみると、功罪の罪の部分しか私には思いつきません。
元売が小売りに参入して為し得た功績は何があるのか、
どなたか答えられる方がいらっしゃれば教えてほしいと思います。