もし、今、マルクスが生きていたら

2010-10-11 18:52:55 | 今日の活動
雑誌「経済」11月号に内田樹先生と石川康宏先生の往復書簡が掲載されています。私は、まだ「若者よ、マルクスを読もう」そのものは読んでいないので、感想程度ですが、おもしろいですね。
石川先生が、「理論的に正しいマルクスの読み方」をガンガン議論し合う空間のほかに、「マルクスを様々な角度から自由に論ずることができる」ふうわりした知的空間を広げることの大切さを、マルクス主義者はキチンと自覚すべきではないかと、提起していますが、本当にそう思いますね。
私の大学時代は、1980年代の前半でしたが、経済学部では、マルクスの資本論はもちろん、流派はいろいろあっても、マルクス経済学の授業が半分くらいを占めていましたし、好き嫌いはあっても、マルクスが学生の最も関心の高い思想家であったことは間違いなかったと思います。
それが、ソ連東欧の崩壊を境に、マルクスを学んだり、論じあったりすることが異端のように思われる状況がつくられてしまったのだろうと思います。
「当時の現実に立ち向かったマルクスとエンゲルスの真剣な姿勢と分析の深刻さを肌で学び、21世紀の現実世界に立ち向かう自立した精神と変革者としての気概、あわせて現実を分析させる理論的な導きの糸を得ること、そこにこそ古典を学ぶ重要な意義がある」と石川先生は述べています。

もし、マルクスがいまの日本資本主義を観察したら、また、私たちの運動を見たら何というでしょうか?