今日は、民青同盟の会議で40分の話をするということで、レジュメをつくり、準備をしていたのですが、朝慌てていて、レジュメと資料をそっくり自宅に置き忘れ。直前に気が付いたときには、すでに遅し…。ということで、参加したみなさんには申し訳なかったのですが、レジュメなしで話をしました。
何か新鮮な材料はないかと思い、書店で購入した本が「若者よマルクスを読もうⅡ 蘇るマルクス」。内田樹神戸女学院大学名誉教授と石川康宏神戸女学院大学教授の往復書簡です。それまで読んでいた2冊の本はすこし脇へ置いて、この2,3日は、「若マルⅡ」に没頭しました。
「正統派」マルクス経済学者の石川先生の論述は、いつも通り、理路整然としており「さすが」ですが、内田先生の発想が実にユニークで面白い。グローバル資本主義が市民の連帯、労働者の団結を破壊してきたことを納得できるように解明しており、斬新な、新しい視点も学べました。
今日は、この本を紹介しながら、民青の若いみなさんに「ぜひ、マルクスを読もう」という話をしました。内田さんも紹介している「万国の労働者、団結せよ」(共産党宣言)。すばらしい響きですが、いまの若者の現状を考えると、ちょっと違ったことも考えさせられます。
内田さんの友人の小説家の先生が東京のある私立大学の授業で学生にレポートを書かせた。「生れてから一度も人に言ったことがない秘密」を書いてくださいという課題で。もちろん自分の名前は書かないわけですが、なんと全体の約6割の学生が「いま付き合っている友だちのことが本当は好きじゃない」と。いかに若者が友人関係で悩んでいるか、病んでいるかがわかります。深刻です。
でも、今日のみなさんの発言を聞いていると実に頼もしい。最初は、ちょっと民青を警戒していた学生も、「民青の同盟員が率直に自分の意見を言い合い、自分のことを受け入れてくれることに驚き、民青の魅力を実感するようになった」と発言していました。いまの、閉鎖的な若者集団の中では、民青のような開放的で、かつ社会に真剣に向き合っている若者がいること自体が「信じられない」ことかもしれません。多くの若者に民青同盟と出会って欲しいと願わずにはいられません。
さて、「若マルⅡ」に戻りますが、新しい発見を一つ。マルクスの用語である「プロレタリア」。この言葉は、古代ローマにおいて「自分の子ども以外に資産を持たなかった最下層の民」(proles)に由来する造語です。最下層の民でも「自分の子どもは持っていた」のです。ですから、いまのような就労状態で結婚もできない、子どもを産み育てることもできない日本の若い労働者は「プロレタリア」以下の「完全に無資産的な存在」だということになります。こんな時代逆行的な事態は一刻も早く解消しなければなりません。