報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「新年度の愛原学探偵事務所」

2022-05-09 16:41:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月6日12:00.天候:曇 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を営んでいる。

 高橋:「ただいまっス、先生!」

 高橋が昼食の買い出しから戻って来た。

 リサ:「ただいまっス!先生」

 で、高橋の後ろからリサがヒョコッと顔を出した。

 愛原:「ありゃ?リサも一緒だったのか?」
 高橋:「駅前でバッタリ会ったんスよ。リサの分のマックも買っちゃいましたけど、良かったっスか?」
 愛原:「ああ。全然OKだよ。昼飯にしよう」

 私は高橋に買って来てもらったダブルチーズバーガーのセットを受け取った。
 因みにいつもマックを食べているわけではなく、今日はたまたまである。
 新聞のチラシにクーポン券が挟まっていたので。

 愛原:「リサ、始業式はどうだった?」
 リサ:「基本的に顔ぶれは変わんない。担任の先生達も坂上先生と倉田先生だし」
 愛原:「そうなのか」
 リサ:「あと、留学生が来た。韓国から」
 愛原:「韓国か!」
 リサ:「BSAA極東支部韓国地区本部の養成学校から来たんだって」
 愛原:「確か、善場主任からそんな話があったな。だけどまさか、韓国とは……」
 高橋:「そこは北米支部とかじゃないんスね」
 愛原:「なあ!」

 もっとも、最近のBSAAは一枚岩ではないらしい。
 本部は本部で何かトラブルを抱えているようだし、支部相互の連携もここ最近は取れていないらしい。
 その為、他支部から留学生を呼ぶというのは無理があったのだろう。
 そこで、極東支部ということになるわけだが、中国とか台湾とかではなく、あえての韓国か。
 当たり前の話だが、北朝鮮は該当しない。

 愛原:「中国や北朝鮮がBOWを隠し持っているという噂がある。特に北朝鮮は核開発に集中しているので、あまりBOWを前面的に使おうとは思っていないようだが……。それでも、北緯38度線の揺さぶりには使えるかもしれないしな。あと、中国だ。新型コロナウィルス自体が、もう【お察しください】。武漢で発生したとなった時、極東支部や韓国地区本部が真っ先に動いたのは有名な話だ。しかし韓国にはBOWはいない。そこで、隣国の日本に見学に来たってところか」
 高橋:「ここに1人と、錦糸町のホテルに泊まってますもんね」
 愛原:「そうだな」

 ハーフで良ければ、上野姉妹もそうだ。

 愛原:「で、その韓国人BSAA隊員ってのは誰だ?……おっと、正確には訓練生とか研修生といったところか」

 BSAAの隊員になるには、まず自国の軍隊に入隊してから志願するというのが一般的だ。
 日本なら自衛隊だ。
 BSAAの立ち上げメンバーだったクリス・レッドフィールド氏やジル・ヴァレンタイン氏が元警察官であったことから、警察組織からの志願でもOKということになっていたが、最近はめっきり少なくなっているという。
 尚、韓国には徴兵制度があるが、BSAAとの関係はどうなのだろう?
 確か韓国の徴兵制度は、男性のみで、女性は対象外だったはずだ。
 北朝鮮が女性も徴兵しているのとは対照的である。
 BSAAは、男性も女性も分け隔てなく入隊させている。
 これもBSAAの創設時のメンバーが、男女混合だったからだという。

 愛原:「名前は?」
 リサ:「パク・ヨンヒ。写真がこれ」

 写真を見ると、国連軍の養成学校に通っているだけあって、髪は短く切っている。

 愛原:「AV女優の向井○の若い頃に似てるな」
 高橋:「あれも日本人と韓国人のハーフですからね」
 愛原:「で、稲荷町の寮に住んでるのか?」
 リサ:「ううん。新宿区だって。えーと……新大久保?」
 高橋:「ガチのコリアタウンですよ、先生?」
 リサ:「韓国のBSAAの紹介だって」
 愛原:「日本の地区本部は関与しないのか?」
 リサ:「いや、監視はしてる。試しにヨンヒがわたしにモデルガン突き付けて、撃とうとしたら、日本のBSAAが撃って来た」
 愛原:「マジか……。厳戒態勢だな」

 それほどまでに、生物兵器ウィルスは危険だということだ。
 リサは歩く保有者どころか、生産者なのだから。
 電車で取り決め以外の車両に乗り込むだけで、出動してくるのが分かるというものだ。

 愛原:「で、新大久保か。山手線1本だな。ま、中央線の大久保駅も至近距離にはあるが……」

 新大久保界隈は、ロッテの創業地ということもあり、北朝鮮人ではない韓国人が多く住んでいるという。
 韓国BSAAもその辺りにツテを持っていて、養成員たる彼女を留学中は滞在させることにしたのだろう。

 高橋:「先生、ややもすればリサを殺処分するとかじゃないっスよね?」
 リサ:「一応、ヨンヒもわたしが韓国に行ったら殺処分するけど、日本ではできないと言ってた」
 愛原:「そりゃ、外国人が日本で勝手なことされても困るしな!」

 そもそもリサには、パスポートなど発行されないだろう。
 政府が許さないと思う。

 リサ:「で、ヨンヒが私にモデルガンを撃とうとしただけで、日本のBSAAが狙撃してくるくらいだから」
 愛原:「実弾じゃないだろうな?」
 リサ:「プラスチック弾?だった」
 愛原:「何か、面白いことになりそうだ。色んな意味で」
 高橋:「そうっスね」

 それから13時になって昼休みが終わり、午後の業務に取り掛かった。
 と、そこへ電話が掛かってくる。

 愛原:「はい、お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所です」
 善場:「愛原所長、善場です。お疲れ様です」
 愛原:「あ、どうも、お疲れ様です」
 善場:「おかげさまで東京中央学園中等部の入学式は、無事に終了しました」
 愛原:「それは良かったです」
 善場:「明日は高等部の入学式です。明日は所長もPTA役員として、臨席されるとか。よろしくお願いします」
 愛原:「本当は代替修学旅行におけるPTA会長の代理として引き受けただけのはずなんですが、当の本人がまもなく塀の中のせいで、そのまま成り行きで会長代行を続けることになっちゃいまして……」

 斉藤秀樹元社長のことだ。
 ようやっと病院で意識を取り戻し、まもなく逮捕される見込みとのことだ。

 善場:「愛原さんに、ちょっとだけ内緒話をしておこうと思いますが……」
 愛原:「何ですか?」
 善場:「斉藤容疑者が帰国した経緯について、“青いアンブレラ”が北朝鮮関係者にコネを持っていて、そこ経由で帰国したのではと思われていましたが……」
 愛原:「日本人拉致の逆ルート的なやり方ですよね?」
 善場:「はい。それを韓国のBSAAも疑っていて、それを調査する為に養成員を留学生として送って寄越したことを認めました」
 愛原:「日本のBOWの観察だけじゃないんですね」
 善場:「“青いアンブレラ”のことは、BSAAとしても手をこまねているようですので」

 JRが並行私鉄に客を取られているようなものか。

 善場:「“青いアンブレラ”のことも調査したいらしいです」
 愛原:「まあ、私にはどうすることもできませんね」
 善場:「あくまでも、情報の共有です。それより、高野から連絡はありますか?」
 愛原:「いえ、無いです」
 善場:「こちらの組織では、北朝鮮の工作員説まで浮上しておりますから、連絡があったり、接触してきたらすぐにご一報のほどを」
 愛原:「は、はい」

 何だか、話がどんどん大きくなってくるなぁ……。

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