報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「『魔王様の肖像画』制作中」 3

2022-12-15 20:21:30 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[9月4日10:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 朝食を食べ終える頃には、日が差して来た。
 しかし、まだ風は強い。
 どうやら、『吹き返し』の風が吹いているようだ。
 おかげで、沿岸部を走る鉄道には未だにダイヤ乱れが発生しているとのこと。
 まあ、地下鉄沿線在住の我々には殆ど関係無い話か。
 私達はもちろん、桜谷さんも日比谷線の中目黒である。
 洗濯機の終了する音が聞こえた。
 私が洗濯機に向かうと、リサの部屋から桜谷さんが飛び出して来た。

 桜谷:「いい!自分で干します!」

 桜谷さんは制作用のエプロンの下に、リサの要望で体操服と緑色のブルマを穿いている。
 ブルマはリサから借りたもので、サイズがやや小さい。

 愛原:「俺の服とかも入ってるから、心配しなくていいよ。別にくすねたりしないから」
 桜谷:「そういうことじゃないんです!」

 すると、後からリサも出て来た。
 リサもまた体操服にブルマを穿いていたが、“ドキュンサーガ”の魔王様をモチーフにしている為、学校指定だった緑ブルマではなく、自前で購入した紺色ブルマを穿いている。
 なるべく学販物が良いということで、オータニ製の物をネットで購入している。
 その上から黒マントを羽織り、ゴツい杖を持っていた。
 黒マントとゴツい杖は、演劇部から借りたものである。
 リサは溜め息をついて……。

 リサ:「急いで描くんじゃなかったの?」
 桜谷:「も、申し訳ありません!私の洗濯物を干し終わったら、再開しますから!」
 リサ:「先生がやってくれるっていうのに……」
 愛原:「まあ、しょうがない。俺も頭が痛いし、リサも手伝ってくれよ?」

 本当はそこまで頭痛は酷くないし、一応病院から処方された痛み止めも服用しているので、気になるほどの頭痛は今は無い。
 しかし、リサにやらせておけば解決すると思ったからだ。

 リサ:「先生の命令なら仕方が無い」

 そう言いつつ、リサは私の服や下着を干すことに、エロい笑みを浮かべていた。
 まあ、リサの機嫌が悪くならなければ良い。
 案の定、桜谷さんは自分のブルマや下着を干していた。

 リサ:「サクラヤ。まだ、微かにオマエの体臭が残っている」

 リサは、洗濯したばかりの桜谷さんのショーツの匂いを嗅ぎながら言った。

 桜谷:「か、嗅がないでください!」
 リサ:「先生も嗅いでみる?わたしのも、まだ匂い残ってる」

 リサはそう言って、自分の黒いスポーツメーカーのショーツを指さした。

 愛原:「オマエの鼻で、だろ。ちゃんと洗剤も使ったから、匂いは落ちてるよ」

 もっとも、犬並みに鼻の利くリサのことだから、犬に嗅がせれば分かるのだろうな。

 リサ:「洗濯終わり」
 愛原:「ご苦労さん」

 洗濯物は室内干しだ。
 まだ外は風が強いので、飛ばされたりしたら大変だからだ。
 日の当たるリビングの窓際に干して、エアコン点けておけば、夕方までには乾くだろう。

 桜谷:「あ、あまり見ないでください」
 リサ:「大丈夫。サクラヤの下着は、私の後ろに隠すように干しておいた。先生が故意に見ない限りは見えない」
 愛原:「うーむ……。何か、すっかり信用されとらんなぁ……」
 リサ:「その代わり先生、わたしの下着ならいつでも見ていいから。何なら、今ブルマの下に穿いてるのも見る?
 愛原:「絵画制作が終わったら、ゆっくり見せてもらうから、さっさと再開したら?」
 桜谷:「そうですね。リサ様、続きをお願いします」
 リサ:「しょうがない……」
 愛原:「昼は蕎麦かうどんでいいかな?」

 私は近所の蕎麦屋から、出前を取ろうと思った。

 リサ:「わたし、肉うどん大盛り!」
 愛原:「それ、温かいのしか無いぞ?」
 リサ:「大丈夫!全部食べれる!」
 愛原:「あ、そう。桜谷さんは?」
 桜谷:「あ、私は山かけうどんでお願いします」
 愛原:「2人して、温かいの頼むね?」
 リサ:「しょうがない。わたし、こんな格好だから暑くて。それで、冷房強めにしているの」
 昨夜:「それで、私は少し寒いくらいです」
 愛原:「そういうことか!」

 真夏なのに黒マント羽織るから……。

 愛原:「俺は天ぷらそばでいいや。冷たい奴」
 リサ:「おっ、贅沢」
 愛原:「しょうがないだろ。頭の傷を治すには、栄養を取って、自然治癒力を上げないとってことだ」
 リサ:「私のGウィルスを使えば、たちどころに傷なんて治る」

 リサは口を開けると、舌先にGウィルスに感染した寄生虫を一匹出した。
 見た目は白い芋虫のようだ。

 愛原:「その代わり、人間を辞めるってことだろうが。遠慮しておくよ」

 リサによって『魔王軍』に加入させられた者達は、全員この寄生虫を植え付けられている(上野姉妹や、元からリサに陶酔している我那覇絵恋を除く)。
 寄生虫を植え付けられた者は、リサに陶酔するよう洗脳されるのだ。
 また、羞恥心も弱くなり、それでブルマを穿いて体育を受けることにも、躊躇が無くなる。

 リサ:「それは残念」

 リサは肩を竦めて、部屋に戻って行った。
 後から部屋に戻った昨夜さんだが、リサのブルマというサイズの小さい物を穿いている為に、左後ろから白いショーツがハミパンしていたことは黙ってておくことにした。

[同日13:00.天候:晴 同マンション]

 蕎麦屋:「毎度どうも!」

 朝食が遅かったので、昼食もやや遅め。
 だが、昼時を外したおかげで、すぐに注文してから蕎麦が来た。

 愛原:「ご苦労さま」
 蕎麦屋:「あれ?愛原さん、頭をケガされたんですか?」
 愛原:「いやあ、ちょっと事故に遭っちゃって……」
 蕎麦屋:「それは大変ですねぇ……。私もバイクで配達してるから、気をつけなくちゃ」
 愛原:「そうだね」

 別に私の事故は交通事故ではないのだが、ここではそういうことにしておこう。

 愛原:「はい、お金」
 蕎麦屋:「……あ、ちょうどですね。ありがとうございます。器は、玄関先に適当に置いといてもらえれば構いませんで。後で取りに来ます」
 愛原:「分かった。ありがとう」

 私が顔なじみの蕎麦屋とそんなやり取りをしていると、いつの間にか背後にリサがいた。

 リサ:「肉うどん!肉うどん!」
 愛原:「はいはい。それじゃ、昼食にしよう」

 私達は蕎麦やうどんをダイニングに運んだ。
コメント
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