報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「東京と富士、それぞれの朝」

2022-08-28 21:14:46 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[7月19日07:00.天候:晴 静岡県富士市 東横イン新富士駅南口7Fマリアの部屋]

 室内の電話が鳴る。

 マリア:「ううーん……」

 昨晩、モーニングコールを設定したのだった。
 起き上がって電話を取ると、受話器の向こうから自動音声の声が聞こえて来た。
 これがイリーナの声で、『もう朝よ。起きなさい』とでも聞こえてくれば一気に目が覚めるところだが、そんなことはない。
 むしろ、マリアが起こす側なのだから。

 マリア:「ふわ……」

 電話を切ると、マリアは大きな欠伸をした。

 マリア:「勇太もちゃんと起きただろうな……」

 マリアはもう一度欠伸をして、バスルームに向かった。

[同日07:45.天候:晴 同ホテル1Fロビー]

 ホテルのロビーは、朝は朝食会場となる。
 マリアは勇太と一緒に、朝食会場に向かった。

 勇太:「ここでは食べ放題みたいだね」
 マリア:「そんなに食べれないよ」

 ビュッフェスタイルとなっており、和食が中心である。

 勇太:「昨夜、いい運動したせいか、程よくお腹空いてるんだよ」
 マリア:「なるほど……」
 勇太:「あ、ゴメン!マリアの部屋に、ゴム忘れて来ちゃったよ。後で取りに行くから」
 マリア:「分かってるよ」

 テレビの近くの席に座る。

 勇太:「屋敷に帰ったら、しばらく和食が食べれなくなるから今のうちだ」
 マリア:「まあ、そうだね。でも、ダニエラが、夜食におにぎり作ってくれるて話じゃない?」
 勇太:「うん、そうなんだ。たまに食べると美味しいよね」
 マリア:「うん……」

 何か2人とも、会話がぎこちない。
 何故なら2人とも……。

 勇太:「急いで食べて、部屋に戻ろうか」
 マリア:「う、うん」

 マリアも耳が赤い。

 勇太:「もう1度、マリアの部屋に行っていいかな?」
 マリア:「いい……よ。で、でも、帰る準備してからの方が……」
 勇太:「マリアは我慢できるの?」
 マリア:「それは……」
 勇太:「よし、急いで食べて」
 マリア:「うん……」

[同日09:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル1Fフロント]

 エレーナ:「ご利用ありがとうございました。またのお越しをお待ち申し上げます」

 朝のフロントは、チェックアウトする客で忙しい。
 もっとも、休日から平日の日は客も少ない傾向があるので、いつもよりは忙しくない。
 忙しいのは普段の平日と、週末である。

 エレーナ:「おいおい、あの2人、朝っぱらから始めちゃったぜぇ!」

 勇太とマリアが朝からムラムラして、チェックアウト前にもう1回戦やることに気づいたエレーナだった。

 エレーナ:「早いとこ結婚しちまえよ!」
 鈴木:「何が?」
 エレーナ:「おっと!な、なに!?チェックアウトか?」
 鈴木:「チェックアウトなんだけど、ここで10時まで待たせてもらう」
 エレーナ:「誰かと待ち合わせか?」
 鈴木:「ううん。エレーナの仕事ぶりを見てるの」
 エレーナ:「はあ!?見世物じゃねーぞ!?」
 鈴木:「ウクライナ美女の仕事ぶりなんて、テレビでしか見れないからね」
 エレーナ:「おい、金取るぞ!?」
 鈴木:「いいじゃんいいじゃん。常連の特権ってことで」
 エレーナ:「勝手に決めんなっ!」
 鈴木:「ほら、お客さん」
 トチロ~:「どうもー」
 エレーナ:「おはようございます。ご利用ありがとうございます」

 鈴木はロビーのソファに座り、エレーナの仕事ぶりを見学した。

[同日09:30.天候:晴 東横イン新富士駅南口7Fマリアの部屋]

 勇太:「も……もう出ない……っ!」
 マリア:「あ、アタシも……ムリ……!」

 2人は全裸で仰向けにベッドに転がっていた。

 勇太:「そ、そろそろ時間だ。早いとこ準備しないと……」

 勇太は精液の溜まったコンドームを、自分のナニから引き抜いて言った。

 マリア:「だから早くイってって言ったじゃない。ちょっと、汗かいたからシャワー……」
 勇太:「僕も入る」
 マリア:「こら!勇太は自分の部屋のを使え!」
 勇太:「一緒に洗った方が早いよ」
 マリア:「Huh!?」

[同日09:30.天候:晴 ワンスターホテル1Fロビー]

 鈴木:「ハァ、ハァ……」

 鈴木、ホテル内の自販機コーナーで買った棒アイスを頬張りながら、荒い息をしていた。

 宿泊客:「あの人、大丈夫ですか?」
 エレーナ:「だ、大丈夫です。ご利用ありがとうございました」

 宿泊客が退館すると……。

 エレーナ:「鈴木、人の仕事ぶり見ながらハァハァ言うのやめてくれる?フツーにキモいんですけど?あと、他のお客様から不審がられてる!」
 鈴木:「ご、ゴメン。エレーナの仕事ぶりが何だかエロ可愛くて……」
 エレーナ:「どこが!?」

[同日10:00.天候:晴 JR新富士駅富士山口]

 ホテルをチェックアウトし、まずは新富士駅に向かう。
 新富士駅は改札口を通らずに往来できる、南北自由通路が存在する。
 そこを通って、富士山口に出た。
 要は北口である。
 富士駅方面のバスや、大石寺方面の登山バスなどはここから出ているのだが、他にもタクシーや一般車乗降場も存在する。
 そこの駐車場に、藤谷のベンツGクラスが停車していた。

 勇太:「藤谷班長、おはようございまーす!」
 藤谷:「おっ、稲生君とマリアさん、おはよう」

 藤谷は運転席でタバコを吸っていたが、それを消した。

 マリア:「オハヨウゴザイマス」
 藤谷:「よしよし。2人とも、乗ってくれ。稲生君は助手席な?」
 勇太:「はい」

 勇太は助手席に座り、マリアはリアシートに座った。
 このGクラス、1回買い替えている。
 最初は左ハンドル車だったのだが、今は右ハンドル車になっているからだ。
 Gクラスにしたのは、かつて真冬の大石寺に他の車で登山中に雪にはまってしまい、立ち往生した為である。
 それ以来、雪道でも難無く走れる車を選んだらこれだったという。

 藤谷:「何だかスッキリしつもも、少し疲れた顔してるな?ランニングでもしたのか?」
 勇太:「ギクッ!……ちょ、ちょっと運動を……はい」
 藤谷:「まあ、確かに稲生君は文科系だからな。少しは運動して、体力を付けた方がいい」

 藤谷は車を走らせると、富士見大通りへと進路を向けた。
 この大通りは県道だが、道なりに走ると国道139号線に入り、西富士道路へと入ることができる。

 勇太:「は、はあ……そうですね」

 勇太は頷いて、チラッと後ろのマリアを見た。

 マリア:(余計なこと言うなよ?)

 マリアは目で勇太にそう言った。
 今日は天気が良いで、日差しが強い。
 夏だというのに、白い開襟シャツでありながら黒いジャケットを羽織り、サングラスを掛ける藤谷は強面そのものだった。
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“大魔道師の弟子” 「東京と富士、それぞれの過ごし方」

2022-08-28 16:37:24 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[7月18日21:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]

 鈴木弘明:「こんばんはーっ!」
 エレーナ:「おお、鈴木か」
 鈴木:「大石寺の任務、無事に終了しました!」
 エレーナ:「で、帰って来て早々、うちのホテルってか。まーいど」
 鈴木:「どうもどうも」
 エレーナ:「女子中高生相手の仕事だったんだろ?」
 鈴木:「あの中にリリィがいたら最高なんだけどなぁ……」
 エレーナ:「魔女に宗教は不要だぜ?あぁ?」
 鈴木:「それは残念だ。もしかしたら、稲生先輩みたいに、物凄い魔力が身に付くかもしれないよ?功徳で」
 エレーナ:「稲生氏の場合は生まれつきだ。それに、霊力が加わっただけに過ぎないだけだぜ」

 鈴木は宿泊者カードに、ペンを走らせた。

 エレーナ:「はいよ。今日は5階だぜ」
 鈴木:「最上階、最高!」
 エレーナ:(本当はなるべく、私やリリィと離れた所を指定しているだけなんだけどな)

 エレーナは地下室で寝泊まりしている。
 時々、リリィも泊まりに来る。
 で、鈴木は最上階の5階に宿泊させるのがセオリーだった。

 鈴木:「リリィは!?」
 エレーナ:「もう魔界に帰ったぜ。学校があるからな」
 鈴木:「それは残念」
 エレーナ:「あー、因みに稲生氏やマリアンナもここに来てたぜ」
 鈴木:「えっ、そうなの!?今はいない?」
 エレーナ:「大石寺に行ったって聞いたぜ?」
 鈴木:「大石寺ィ!?あれ?でも、今日は……あ、前泊か?明日は普通の御開扉だもんな……」
 エレーナ:「今夜は近くのホテルに泊まるらしいから、そうじゃねーのか」
 鈴木:「何だ、明日添書登山なんだ。だったら俺も、向こうに泊まってくれば良かったかなぁ?」
 エレーナ:「マリアンナにボコられるだけだから、やめといた方がいいぜ」
 鈴木:「それもそうだな」

 鈴木、過去に欲情してマリアを押し倒したことがある。
 この時は未遂に終わったが、今よりも罪障が深かった為に、頭がおかしくなったのだろう。
 こういった錯乱現象は、特に顕正会や創価学会から移って来た信徒にままある現象である。
 関係者は『罪障消滅中の事だから仕方がない』と口を揃えて言うが、やられた方はたまったもんじゃないだろう。
 もっとも、作者とて禁断症状が出ることがあるから、今となっては他人の事は言えないのだが……。

 鈴木:「それじゃ、よろしく」
 エレーナ:「ごゆっくり」

 エレベーターに乗り込んで行った鈴木を見送り、エレーナは再び水晶玉に手を翳した。
 そこにはマリアの部屋に入った勇太が、よろしくヤっているシーンが映し出されていた。

 エレーナ:「屋敷に帰ったら、しばらくヤれないから、今のうちってか」

[7月18日23:30.天候:晴 静岡県富士市 東横イン新富士駅南口7Fマリアの部屋]

 勇太との熱い行為が終わった後、マリアはバスルームに入ってシャワーを浴びていた。
 勇太は先ほど、自分の部屋に帰って行った。

 マリア:(うーん……激しくされたから、少しイタイ……)

 もっとも、魔道士になる前、普通の人間だった頃に輪姦された時よりはマシであるが。
 魔道士になってからもしばらくは、体に暴行の痕が残っていた。
 これは、『魔女のスティグマ』という。
 今現在、その痕は全く無い。

 ミカエラ:「お召し換えでございます」
 マリア:「ありがとう」

 バスルームから出てバスタオルだけを巻いていると、ミカエラがホテルのナイトウェアと下着を持ってきた。
 下着は普通のショーツであり、上はタンクトップである。

 マリア:「あ……」

 その時、マリアは机の上にコンドームの箱が置かれているのが分かった。
 勇太が持って来て、そのまま忘れて行ったのだろう。
 中を見ると、あと2個入っていた。

 マリア:「『この旅で、全部使い切ってやる』とか言ってたな……ふふ……」

[同日同時刻 東京都江東区森下 ワンスターホテル1Fフロント]

 夜中のフロントは暇である。
 その為、個人営業のホテルや、一部のチェーンホテル(スーパーホテルなど)では夜中のフロント営業を停止している場合もある。
 因みにエレーナは、フロントの机の上でトランプタワーを作るのが暇潰しだった。

 エレーナ:「……っと?」

 その時、フロントの電話が鳴った。
 着信音からして、客室からの内線のようである。
 番号を見ると、鈴木の部屋だった。

 エレーナ:「何だよ……。はい、フロントです」

 一応、マニュアル通りの対応を行う。

 鈴木:「あ、エレーナ。ちょっとモノは相談なんだけど……」
 エレーナ:「何だよ?」
 鈴木:「使い終わったTENGA、ゴミ箱に捨てといていい?」

 

 エレーナ:「アホか!自分で持って帰れ!!」
 鈴木:「ていうかエレーナ、TENGA、知ってるんだぁ?どうして?ねぇ、どうして?」
 エレーナ:「いい加減にしろーっ!」

 と、その時、エントラスのドアが開いた。

 トチロ~:「すいません、遅くなりました。今日、予約していた者ですが……」
 エレーナ:「おわっと!?」

 エレーナ、ガチャンと電話を切る。

 エレーナ:「い、いらっしゃいませ~。お待ちしておりました~。どうぞ、こちらに~」
 トチロ~:「すいません。折伏が立て込んだせいで、こんな時間になってしまいまして……」
 エレーナ:「い、いいえ。お疲れ様です。(アンタも日蓮正宗かい!)」

 エレーナは鍵を用意した。

 エレーナ:「お支払いはゴールドカードですね?ありがとうございます。それでは、こちらが鍵でございます。あちらのエレベーターで、3階へどうぞ」
 トチロ~:「あ、どうもよろしくお願いします」

 接客が終わると、待ち構えたようにまた電話が鳴る

 鈴木:「使用済みゴムもゴミ箱に捨てといていいんだっけ?」
 エレーナ:「1人でどうやって使ったぁ!?」

 尚、TENGAを使用する際、基本的にコンドームは使わないので、念の為。
コメント (1)
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“大魔道師の弟子” 「新富士での一夜」

2022-08-28 11:49:39 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[7月18日17:00.天候:晴 静岡県富士市 東横イン新富士駅南口]

 翌日の交通費を確保した後、駅と直結している駅ビル『ASTY新富士』に入り、そこのテナントの1つであるコーヒーショップで休憩する。

 勇太:「キップはどうする?」
 マリア:「勇太が持ってて。ちゃんと終電に間に合うんだ?」
 勇太:「何とかね」

 そんな話をしながら、駅南口のロータリーを出ると、すぐ目の前にホテルはあった。

 勇太:「これなら、新幹線がよく見えるだろう」
 マリア:「そういうことか」

 ホテルの中に入る。
 勇太は自分の会員証をフロントに出した。

 勇太:「今日から一泊で予約していた稲生です」
 フロント係:「はい、稲生様ですね」

 マリアは勇太がチェックインをしている間、辺りを見回した。

 マリア:(さすがにこういうホテルは、今のアルカディアシティには無いだろうな)

 南端村では和風の宿屋、都心の1番街~9番街であっても、ドミトリー形式の宿屋(こちらの世界で言うペンションに近い)が主流である。

 フロント係:「御記入ありがとうございます。お支払いは如何なさいますか?」
 勇太:「あ、カードで……」

 マリアはサッとイリーナのプラチナカードを渡した。
 今回はシングルを2部屋取っていたが、それでも1泊で1万円を少し超えるくらい。
 これなら、プラチナカードを持つイリーナも文句は言わないだろう。
 むしろ、『あら?もっと高いホテル、泊まっても良かったのよ?』くらい言いそうだ。

 フロント係:「ありがとうございます。それではこちら、お部屋のカードキーになります」
 勇太:「おっ、このホテルはカードキー方式なんだ」

 同じ東横インでも、オープンした時期によって普通の鍵か、カードキーかで異なる。
 この新富士駅南口店は比較的新しい店舗の為か、カードキー方式である。

 フロント係:「そちらのエレベーターで、7階へどうぞ」
 勇太:「よろしくお願いします」

 勇太はカードキーを2枚受け取った。

 マリア:「隣同士か?」
 勇太:「そう。で、ここからアメニティを持って行く」

 エレベーターホール前から、ナイトウェアやらスキンケアやら持って行く。
 尚、新聞も希望すればここから持って行ける。
 エレベーターに乗る時も、ボタンの横にあるカードリーダーにカードキーを翳さないとボタンが押せないようになっている。

 勇太:「7階ね」

 エレベーターは2基あって、マンションのエレベーターみたいにドアには防犯窓付き(最近のタワマンなどには無いらしい。防犯よりもプライバシー優先か?)。

 マリア:「少なくともエレーナのホテルよりは高級だろう」
 勇太:「そりゃ、個人経営のホテルとチェーンホテルとはではねぇ……。そもそも比較していいものなのやら……」

 7階に到着すると、エレベーターホールには貸出品としてのズボンプレッサーとVODのカード販売機がある。

 勇太:「映画観る時はこれか。どうする?」
 マリア:「映画観たい時に買えばいいと思うよ」
 勇太:「それもそうか」

 部屋は隣同士だが別々。

 勇太:「またマリアと一緒に泊まりたかったなぁ……」
 マリア:「今晩と翌朝、勤行やるでしょ?だったら、部屋の個室の方がいい」
 勇太:「魔女狩りは近づいて来ないよ?w」
 マリア:「そもそも、部屋ブチ破ってまでは襲って来ないから」

 魔女狩り隊も、まさかその中に御経を唱える仏教徒がいるとは想定していない。
 なので、勇太が1番狙われにくいという。
 厄介なのは、まだ遭遇したことは無いのだが、『無宗教系魔女狩り』。
 何でも宗教2世に多く、1世による洗脳が失敗し、更にその1世の信仰姿勢のせいで不幸な目に遭った者がそれと化しやすいという……。
 ん?山上容疑者?
 宗教全てが嫌いになっているので、勇太が仏教徒であろうが関係無く襲う。
 銃火器も使って来るので、窓やドアもブチ破って来るであろう。
 山上容疑者???

 勇太:「夕食の前に勤行をやろう」

 勇太は夕勤行の準備をし……。

 マリア:「Oh!これだ!」

 マリアはベッドにダイブ。
 スカートが捲れてパンツ丸見えになろうが関係無い。
 すると、メイド人形のミカエラが人間形態になった。

 ミカエラ:「マスター。お召し物を洗濯してきます。私服にお着替えを」
 マリア:「明日には屋敷に帰るんだから、いいんじゃない?」
 クラリス:「服にシワが出来ています。すぐに洗濯致します」
 マリア:「分かったよ」

[同日18:00.天候:晴 同市内 JR新富士駅 ASTY新富士1Fまるごと駿河湾]

 生魚はあまり得意ではない(が、出されれば食べれるほどには克服した)マリアだが、あえてこの店に入った。
 生魚だけ取り扱っているわけではないからである。

 マリア:「久しぶりに、魚が食べたくなったわけか」
 勇太:「そういうこと」

 勇太は大判ホッケ焼き定食を注文した。
 法華講員なだけに!
 一方、マリアは……。

 マリア:「おっ、ここにも牛タンある」

 と、牛タン定食を注文した。
 やはりマリアは、魚より肉の方がいいらしい。
 イギリス人は、あまり魚を食べないか?

 勇太:「あと、それとビール一杯くらい、いいかな」
 マリア:「……やっぱりこういう店は、サケとかしかないか……」

 ワインやウィスキーは平気なマリアだが、同じアルコール度数でも日本酒や焼酎は悪酔いする。
 ので、マリアも今回は勇太と同じくビールを注文した。
 今はJK制服ではなく、普通にTシャツとジーンズで来た為、特に店員から年齢確認を求められることはなかった。

 マリア:「藤谷さんには連絡した?」
 勇太:「したした。班長には“こだま”711号に乗ると、伝えておいたよ。これは10時頃に新富士駅に到着する列車だから、チェックイン近くまでゆっくりできるよ」
 マリア:「そりゃいい」

 そういうことはを話していると、先にビールと御通しが来る。
 この御通し、外国人には戸惑う習慣らしい。
 さすがに今のマリアは慣れたが。
 『実はテーブルチャージ(席代)が掛かっていて、それを支払ったことへの証として、こういう小鉢が運ばれてくる』とでも説明すれば良い。
 まあ、物は言いようだw

 勇太:「長旅も、明日までだね。お疲れ」
 マリア:「その長旅、明日もだよ。まあ、いいけど」

 2人してジョッキを合わせた。

 勇太:「乗り換えが4回くらいあるからね。身延線、中央本線、大糸線……」
 マリア:「魔界のフィールドを歩かされるよりはマシさ」
 勇太:「確かに……」
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