[6月10日15:00.岩手県盛岡市 ドーミーイン盛岡 稲生の部屋 視点:稲生勇太]
稲生とマリアは、稲生の部屋で映画を観ていた。
〔「い、いいのか……!?ここで私を見捨てれば、真相は闇の中なのだぞ?」「けっ、『オマエ達は知り過ぎた。だから死ね』とか言ってた癖に、今更何言ってやがんだ、コラぁっ!」「まあまあ、高橋君。……博士、彼の言う通りだ。俺は探偵。アンタと不利な取引をしてまで、アンタから真相を聞き出すつもりはない。それくらい、俺達で突き止めるさ」「愛原先生、代わりのヘリの離陸準備ができました。早くヘリへ」「ここはまもなく爆発する。博士、アンタは地獄でこれまで死なせてきた『実験体』達に詫びるんだな」〕
どうやら、ホラーアクションを観ているようである。
〔「いいんですか、先生?俺に言ってくれりゃあ、あんなクソジジィ、一発であの世に送ってやりますよ!」「いや、いいんだ。あんなクソジジィの為に、キミが手を汚す必要はない。あのケガじゃ、研究所の自爆装置が作動するまで脱出は不可能だろう。大好きな実験体達に囲まれて死ぬのが、あの博士にとって最大の幸せだ」〕
稲生:「こんな感じに終わるのか……。日本のホラー映画とは、だいぶ違うなぁ……」
マリア:「それはそうだね。あ、でもここ最近、日本のホラーも観てないや」
稲生:「マリア、『日本のホラー映画はジメジメし過ぎて嫌い』とか言ってなかった?」
マリア:「たまに観る分にはいいかもね」
稲生:「分かった。ネットでいい映画が無いか探しておくよ」
マリア:「お願い。……そろそろ、上の温泉入れる?」
稲生:「もう15時か。大丈夫。もう入れる時間だ」
マリア:「じゃあ、行こうかな」
稲生:「行こう行こう」
その時、部屋の内線電話が鳴った。
稲生:「おっと?」
稲生は受話器を取った。
稲生:「はい、もしもし?」
イリーナ:「ああ、アタシアタシ」
稲生:「先生、何の御用でしょうか?」
イリーナ:「そこにマリアいるでしょ?ナスっちの言う通り、着替えの服取り寄せておいたから取りに来てって伝えといて」
稲生:「分かりました」
イリーナ:「それと、夕食会場を押さえといてくれる?ナスっちとアンナを入れて5人ね」
稲生:「5人?運転役の人はどうするんです?」
イリーナ:「彼はナスっちのSPを務めるのが仕事だから、直接参加はしないわよ」
稲生:「そうなんですか。分かりました」
稲生は電話を切った。
そして、電話の内容を伝えた。
マリア:「分かった。ちょっと確認して来るから、勇太はレストラン探してて」
稲生:「分かった」
マリアは稲生の部屋を出て行った。
[同日15:30.同市内 同ホテル10F大浴場 視点:マリアンナ・ベルフェゴール・スカーレット]
イリーナと一緒に泊まっている部屋で自分の服を確認した。
ブラウスは長袖のままであったが、上にブレザーは着ないことをイリーナは知っているのか、プリーツスカートが緑色になっているものが用意されていた。
これなら契約悪魔ベルフェゴールも納得するだろう。
引き続き館内着のまま大浴場に向かったが、アンナと一緒であった。
マリア:「いいの?アナスタシア先生をほったからしにして」
アンナ:「うちの先生はイリーナ先生と大事な話があるので、むしろ私に『ゆっくり入っといで』って言ってくれたの」
マリア:「あ、そう……」
マリアは溜め息をついた。
アンナ:「おっ、体重計がある」
マリア:「測ってみたら?」
アンナ:「どれどれ……」
アンナも体重計に乗ってみる。
重さは……。
アンナ:「数字を明かしたら、『過度なダイエットに失敗して死んだ女子高生の話』をしてあげる」
す、すいません……。
しかし、マリアよりは重い数字が出たとだけ言っておく。
アンナ:「でも、私の方が背が高いし、バストだって私の方が大きいし、その分でしょ?」
マリア:「そういう問題かぁ?」
で、一糸纏わぬ姿になった2人の白人は大浴場に出た。
マリア:「外にも風呂がある。で、そこにも壺風呂っていう1人用の丸いバスタブがあって、そこからマルファ先生が出て来たんだ」
アンナ:「多分、ここに最初に入っていたんでしょうね」
アンナ、内湯にある壺風呂を指さす。
アンナ:「で、向こう側のバスタブにテレポートされたか」
マリア:「ほんと、変わった先生だよねぇ」
アンナ:「1期生の中で比較的常識人なの、うちの先生くらいだわ」
マリア:「そうかなぁ……?」
常識人のフリをして、結構な食わせ者だという噂がある。
実際、表向きの顔でさえ、ロシアンマフィアなのだから。
ロシアのパスポートで入国しているはずだが、ロシアンマフィアがどうやって入国しているのかは【お察しください】。
それだけに、武器は魔法よりも銃を使う。
銃自体は普通だが、使用している銃弾が魔法石を加工したものである。
かと思えば、普通の銃弾を使うこともあるみたいだが。
アンナ:「さっきまで勇太と何をしてたの?」
マリア:「別に、変なことじゃないよ。一緒にランチ食べて、一緒に映画観てた。このホテル、部屋のテレビで映画観れるから」
アンナ:「ま、多分そうだとは思ったけど」
マリア:「『セックスしてた』とか言わないんだ?」
アンナ:「2人とも『臭わ』ないし。魔道士は鼻が利くかせらね、こういうのはすぐに嗅ぎ取れるから」
マリア:「だいたい知ってる。エレーナのヤツもそこら辺、すっごく鼻が利くんだ」
アンナ:「あいつはカネ以外、鼻は利かないでしょ?」
マリア:「いや、『直接カネ』の匂いだけじゃなく、『後でカネになるネタ話』も結構利く」
アンナ:「それじゃルーシーは?」
マリア:「ルーシーは……」
大浴場内におけるガールズトークは意外と盛り上がったという。
因みに、他の組の魔女の噂ばっかりだった。
稲生とマリアは、稲生の部屋で映画を観ていた。
〔「い、いいのか……!?ここで私を見捨てれば、真相は闇の中なのだぞ?」「けっ、『オマエ達は知り過ぎた。だから死ね』とか言ってた癖に、今更何言ってやがんだ、コラぁっ!」「まあまあ、高橋君。……博士、彼の言う通りだ。俺は探偵。アンタと不利な取引をしてまで、アンタから真相を聞き出すつもりはない。それくらい、俺達で突き止めるさ」「愛原先生、代わりのヘリの離陸準備ができました。早くヘリへ」「ここはまもなく爆発する。博士、アンタは地獄でこれまで死なせてきた『実験体』達に詫びるんだな」〕
どうやら、ホラーアクションを観ているようである。
〔「いいんですか、先生?俺に言ってくれりゃあ、あんなクソジジィ、一発であの世に送ってやりますよ!」「いや、いいんだ。あんなクソジジィの為に、キミが手を汚す必要はない。あのケガじゃ、研究所の自爆装置が作動するまで脱出は不可能だろう。大好きな実験体達に囲まれて死ぬのが、あの博士にとって最大の幸せだ」〕
稲生:「こんな感じに終わるのか……。日本のホラー映画とは、だいぶ違うなぁ……」
マリア:「それはそうだね。あ、でもここ最近、日本のホラーも観てないや」
稲生:「マリア、『日本のホラー映画はジメジメし過ぎて嫌い』とか言ってなかった?」
マリア:「たまに観る分にはいいかもね」
稲生:「分かった。ネットでいい映画が無いか探しておくよ」
マリア:「お願い。……そろそろ、上の温泉入れる?」
稲生:「もう15時か。大丈夫。もう入れる時間だ」
マリア:「じゃあ、行こうかな」
稲生:「行こう行こう」
その時、部屋の内線電話が鳴った。
稲生:「おっと?」
稲生は受話器を取った。
稲生:「はい、もしもし?」
イリーナ:「ああ、アタシアタシ」
稲生:「先生、何の御用でしょうか?」
イリーナ:「そこにマリアいるでしょ?ナスっちの言う通り、着替えの服取り寄せておいたから取りに来てって伝えといて」
稲生:「分かりました」
イリーナ:「それと、夕食会場を押さえといてくれる?ナスっちとアンナを入れて5人ね」
稲生:「5人?運転役の人はどうするんです?」
イリーナ:「彼はナスっちのSPを務めるのが仕事だから、直接参加はしないわよ」
稲生:「そうなんですか。分かりました」
稲生は電話を切った。
そして、電話の内容を伝えた。
マリア:「分かった。ちょっと確認して来るから、勇太はレストラン探してて」
稲生:「分かった」
マリアは稲生の部屋を出て行った。
[同日15:30.同市内 同ホテル10F大浴場 視点:マリアンナ・ベルフェゴール・スカーレット]
イリーナと一緒に泊まっている部屋で自分の服を確認した。
ブラウスは長袖のままであったが、上にブレザーは着ないことをイリーナは知っているのか、プリーツスカートが緑色になっているものが用意されていた。
これなら契約悪魔ベルフェゴールも納得するだろう。
引き続き館内着のまま大浴場に向かったが、アンナと一緒であった。
マリア:「いいの?アナスタシア先生をほったからしにして」
アンナ:「うちの先生はイリーナ先生と大事な話があるので、むしろ私に『ゆっくり入っといで』って言ってくれたの」
マリア:「あ、そう……」
マリアは溜め息をついた。
アンナ:「おっ、体重計がある」
マリア:「測ってみたら?」
アンナ:「どれどれ……」
アンナも体重計に乗ってみる。
重さは……。
アンナ:「数字を明かしたら、『過度なダイエットに失敗して死んだ女子高生の話』をしてあげる」
す、すいません……。
しかし、マリアよりは重い数字が出たとだけ言っておく。
アンナ:「でも、私の方が背が高いし、バストだって私の方が大きいし、その分でしょ?」
マリア:「そういう問題かぁ?」
で、一糸纏わぬ姿になった2人の白人は大浴場に出た。
マリア:「外にも風呂がある。で、そこにも壺風呂っていう1人用の丸いバスタブがあって、そこからマルファ先生が出て来たんだ」
アンナ:「多分、ここに最初に入っていたんでしょうね」
アンナ、内湯にある壺風呂を指さす。
アンナ:「で、向こう側のバスタブにテレポートされたか」
マリア:「ほんと、変わった先生だよねぇ」
アンナ:「1期生の中で比較的常識人なの、うちの先生くらいだわ」
マリア:「そうかなぁ……?」
常識人のフリをして、結構な食わせ者だという噂がある。
実際、表向きの顔でさえ、ロシアンマフィアなのだから。
ロシアのパスポートで入国しているはずだが、ロシアンマフィアがどうやって入国しているのかは【お察しください】。
それだけに、武器は魔法よりも銃を使う。
銃自体は普通だが、使用している銃弾が魔法石を加工したものである。
かと思えば、普通の銃弾を使うこともあるみたいだが。
アンナ:「さっきまで勇太と何をしてたの?」
マリア:「別に、変なことじゃないよ。一緒にランチ食べて、一緒に映画観てた。このホテル、部屋のテレビで映画観れるから」
アンナ:「ま、多分そうだとは思ったけど」
マリア:「『セックスしてた』とか言わないんだ?」
アンナ:「2人とも『臭わ』ないし。魔道士は鼻が利くかせらね、こういうのはすぐに嗅ぎ取れるから」
マリア:「だいたい知ってる。エレーナのヤツもそこら辺、すっごく鼻が利くんだ」
アンナ:「あいつはカネ以外、鼻は利かないでしょ?」
マリア:「いや、『直接カネ』の匂いだけじゃなく、『後でカネになるネタ話』も結構利く」
アンナ:「それじゃルーシーは?」
マリア:「ルーシーは……」
大浴場内におけるガールズトークは意外と盛り上がったという。
因みに、他の組の魔女の噂ばっかりだった。