報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「多宝富士大日蓮華山」

2015-11-05 21:12:24 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月26日12:15.静岡県富士宮市 日蓮正宗・大石寺売店(仲見世)“なかみせや” 敷島孝夫&平賀太一]

{「いやあ、キミの所のロボットは実に優秀だ。そこらの並の人間よりも、よほど優れていることは認めるよ」}
「はあ……」
 敷島はカレーを頬張りながら、スマホを右手に持っていた。
{「正直に洗いざらい喋ってくれた。これで、銃だのレーザービームだの飛ばして来なければ、もっと最高なんだがな」}
「マルチタイプに武力は付き物です。国家公安委員会が極秘で認めてくれた超法規的措置です。文句がおありなら、国家公安委員会へどうぞ」
{「ロボットのことはどうでもいい。問題は、それを使う人間達のことだ。……キミ達だよ、キミ達!勝手なことはするなと、何度言ったら分かるんだ!そろそろ鉄格子の部屋で仕事してもらうことになるぞ!」}
 電話の相手は鷲田警視。
「いいじゃないですか。おかげさまで、KR団の研究員と会えそうなんですから」
{「何だと!?富士宮市のどこにいる!?」}
「GPSで探せばいいでしょう?」
{「キサマ!同行のロボットに何かさせてるな!?捕捉不能になってるぞ!?」}
「知りませんよ。富士山が目の前なんで、電波悪いだけなんじゃないスか?」
 敷島はチラッと窓の外を見た。
 新町駐車場の前で、シンディとエミリーが時折上空を見上げている。
 マルチタイプ達自身はもちろん、敷島や平賀のスマホのGPSをかく乱させているのだ。
{「実際、どこにいる!?」}
「あ、かわいい巫女さん」
{「なにっ!?富士宮市……浅間大社だな!?分かった!今から我々もそちらに向かう!それまで絶対そこにを動くんじゃないぞ!分かったな!?」}
「へーへー。じゃ、昼飯の最中なんで失礼」
 ピッと電話を切る敷島。
 敷島の目線の先には……。
「ユタさん、御山に博麗霊夢の携帯ストラップ持ってきちゃマズいんじゃないスか?」(ANP)
「あっ、いっけねーw」(作者)
「どこで買ったんですか?」(山門入り口)
「この前の夏、有明に街頭折伏に行った時の副産物です。キリッ」(作者)
「素直にコミケと言えwww」(ANP)
「ユタさん、そろそろ三次元の女性に興味を持って頂きませんと」(山門入り口)
「えー……ムリー……。あの人達、主張強くて……」(作者)
「いや、別に法華講員じゃなくてもいいと思いますよ」(山門入り口)
 御山に添書登山中の信徒3人衆を演じる作者、ANPさん、山門入り口さんでした。
 ご協力、ありがとうございました。

[同日12:45.大石寺・裏門前 敷島、平賀、シンディ、エミリー]

「いや、マジで吉塚氏いない?」
 裏門近くの喫煙所で一服している平賀に対し、焦りを見せる敷島。
「さすがに浅間大社は無理があるぞ」
「構内放送とか無いの?」
 と、シンディ。
「駅じゃないぞ。せめて、吉塚氏がどこのお寺の所属か分かればなぁ……」
 さっきの店で信徒達の会話を聞いていて、それぞれの信徒がそれぞれの支部に所属しているということまでは分かった敷島だった。
「早くしないと、鷲田警視達に嗅ぎ付けられてしまう」
「そうねぇ……」
 シンディは腕組みをして深刻な顔をした。
 エミリーは周辺のスキャンを繰り返している。
 その時、エミリーの横をサッカーボールくらいの大きさのボールが飛んでいった。
 柵を越えて、駐車場内へと入ってしまう。
 エミリーはバッと柵を飛び越えると、すぐにボールを追い掛けた。
「こら、太郎!ここでボール遊びしちゃイカン!」
 小学生くらいの子供を叱り付ける中年男性。
 エミリーはポーンとボールを子供に投げてあげた。
「姉さんのことだから、時速300キロで投げるかと思ったわ」
 シンディは口元を歪めるような笑いを浮かべた。
「新幹線じゃないんだから」
 敷島も苦笑い。
 エミリーは微笑を浮かべながら、敷島達の所へ戻ろうとした。
「あの……」
「?」
「もしかして、エミリーちゃん?」
「? イエス。私は・エミリー・ファーストです」
 エミリーの前に現れたのは70代後半くらいの老婆。
 杖は付いているものの、それなりに足腰ははっきりしている。
「左手の個体番号を見せてくれる?」
「! ミズ・ヨシヅカ?」
「……ああ、確かにエミリーちゃんね。どうしてここに?確か、平賀太一君に引き取られたって聞いたんだけど……」
「ミズ吉塚に・会いに・参りました」
「私に?」
「KR団の・ことで・お聞きしたい・ことが・あります」
「……そう」
「どうした、エミリー!?」
 そこへ敷島達も走って来た。
「あっ、あなたは……!?」
 敷島のおぼろげな記憶と一致した。
「! 待てよ。確か……」
 平賀の脳裏にも思い出すものがあった。
「あらぁ……。大きくなったわねぇ……。25年ぶりかしら……」
「平賀先生、御存知ですか?」
「……姉ちゃんの……自分の姉の葬儀にも来ていた……おばさん……。自分達は、KR団を追ってここまで来たんだ……。何で、おばさんがここに……」
「もうすぐ御開扉なの。その後でいいかしら?」
「結構です」

[同日13:30.大石寺・売店(仲見世商店街) 上記メンバー]

{「……というわけだ。警察ナメんなよ?」}
「ええ。鷲田警視達が来るまで、見張ってておきますから」
 敷島はスマホで鷲田と話していた。
「で?いつ、復旧しそうですか、新幹線?」
{「バージョン4.0が新横浜と小田原で襲って来るとは……!夜まで掛かりそうだ!」}
「KR団は潰れたはずなんですがねぇ……」
{「いいか?キミ達が会っている吉塚広美こそ、KR団の黒幕の可能性がある!我々が行くまで絶対に逃がすな!」}
「分かりましたから、妖精型ロイドを早く解放してやってくださいよ」
{「重要な証拠物件だ。それはできん相談だ」}
「あー、くそっ。いい商売できると思ったのになぁ……。今、御開扉とやらだから、たかだか警察に邪魔されないよう、ホトケ様が何か力を発動したんじゃないスか?」
{「新幹線を止めて、大勢の人間に迷惑を掛けるホトケはホトケではない!」}
「……そりゃそうか。……創価学会破門しなけりゃなぁ、公明党政治家の圧力で警察の捜査をストップさせられるんだが……」
{「あ?何か言ったか!?」}
「何でもないです」
 ある意味、顕正会員みたいなことを言う敷島だった。
「何か、平賀先生が頭抱えちゃってるんで」
{「? 具合が悪いなら、病院にでも連れて行ってあげるといい」}
「後にしておきます」
「ドクター平賀・大丈夫ですか?」
「もしかして、姉ちゃんが死んだのって……」
 ベンチの上に横になり、エミリーに膝枕をしてもらう平賀。
 右手で自分の頭を押さえてる。

 別に、一般人でも裏門の先へは行けるの悪しからず。
コメント (15)
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