報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

明日は通院

2013-04-18 19:36:30 | 日記
 おかげさまで、持病の潰瘍性大腸炎が緩解してから半年以上が経つが、この感激は未だ冷めやらぬものである。
 贅沢な悩みと言えば、体重が戻りつつある中で、それまではいていたズボンのサイズがきつくなり、ほぼ全てサイズアップしなければならなくなった点である。幸い制服のズボンはアジャスター付きのため、1番きつくしていたものを半分に緩めればそれで良くなった。
 先日、顕正新聞に掲載されていた男子部組長氏だが、あいにくとどこを拠点としているかが分からない。21隊所属とのことだが、もし仮に私と同じ病院に通院しているならば、これほどの大仏縁は無い。噂をすれば何とやらで、仏縁があれば、明日会えそうな気がする。あの登壇記事がどこまで本当なのか、是非とも伺いたいくらいだ。なに、今の私はもう法華講員ではない。警戒されることはないだろう。顕正会で発症し、法華講での改善は無く、無宗教になってから緩解したことに関する見解をお伺いしたいものだ。新たな発見があるかもしれない。幸か不幸か、私は顕正会員に遭遇する確率が法華講の中では高いようだ。もっとも、調子に乗って、頭の切れる口の上手い顕正会員に言い負かされた時にはヘコんだけどね。こんなバカ信徒でも、破折したと自慢するんだろうな。
 それも、今は昔の話。今は無所属だ。何も心配することはない。
 そうは言っても、私が通う病院で顕正会員は絶対いないとは言わないが、ごく僅かだろう。その中に上記、組長がいるかどうかだ。

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 歌唱機能に不具合を起こした巡音ルカのショックは多大なものだった。
 どのボーカロイドの中でも絶大な歌唱能力を誇っていただけに、周囲の混乱も大きかった。
「失格です。ボーカロイドとして……。歌えないボーカロイドは、ただのガラクタです。プロデューサー、これ以上のご迷惑になる前に、なるべく早い処分をお願いします」
 夜の公園でルカは、無表情のまま静かに言った。敷島は、
「待て待て、そう自分を卑下するな。今、所長や平賀先生など、財団が総力を上げて原因を調査している。きっとまた歌えるようになるさ!だから……」
 ルカは立ち上がって、首を横に振った。
「私もフォレスト博士にプロパティやライブラリを変更されていたとはいえ、多くの人を傷つけました。その報いは受けるつもりです」
「待って、ルカ!」
 立ち去ろうとするルカを、初音ミクは止めようとした。しかし、ルカは俯いたままミクの制止を振り切った。
「ミク、もういいの」
「そんな……」

 その頃、研究所では……。
「バカな……。どこにも原因が見当たらん。設定も変わっておらんし……どういうことじゃ?」
 南里はPCのモニタ複数を見比べながら驚愕していた。
「財団事務所の方で、何か設定いじったりしたか?」
 南里は近くにいた弟子の平賀に聞いた。
「事務局長に問い合わせてみましたが、管理は全てこちらの研究所に委任しているので、何もしていないの一点張りです」
「あの男がこの期に及んで、ウソをつくとは思えんからな……」
 その時、平賀のスマホが鳴った。
「はい、平賀です。……あ、ナツ?……いや、それがさっぱり……。え?ドクター・ウィリーが!?……そうかぁ……。分かった。南里先生に言っとく」
 平賀は電話を切った。
「赤月君からかね?」
「はい。ドクター・ウィリーのヤツ、新種のウィルスを開発したそうです」
「あくまで財団内のウワサじゃろう?」
「それが、PC画面には何も表示されない“ステルス・ウィルス”というヤツで、ばら撒いた者の遠隔で、どのようにもバレずに不具合を起こさせる新種のウィルスらしくて……」
「どうやって、日本の……それも巡音ルカにピンポイントで感染させたというんじゃ?ヤツはアメリカに潜伏しているはずじゃが……。インターネット回線を使用しようものなら、すぐにバレるぞ」
「先生、とにかくルカのメモリーを全て洗ってみましょう」
「う、うむ」
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また懲りもせず、ボカロネタ。

2013-04-18 00:12:30 | 日記
 敷島が大日本電機から南里ロボット研究所に出向してきて、3ヶ月が経とうとしていた。
 いい加減、研究所の事務職からボーカロイド達のプロデューサーへと本気で転向しようかと考えている時だった。
 初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカ、それにKAITOとMEIKOという陣容で、これらボーカロイド達を量産化する前に、世にその存在感をアピールする必要があった。それが、アイドル活動と酷似するようになってしまったのだから、ミク以外のボーカロイド達から『プロデューサー』と呼ばれるのも致し方無いと思っている。
 今後の方針を更に責任者である南里と詰める必要があった。……のだが!

「おはようございます!」
 敷島は元気よく研究所の玄関を開けた。
「おおっ!敷島君!いい所に来てくれた!」
 奥から南里が蒼ざめた顔で駆け寄って来た。
「え?」
「わ、私はとんでもないバケモノを作り出してしまった……!か、科学者として一生の不覚じゃ!」
 そう言って、頭を抱えてしまう。
「な、何を作り出しちゃったんですか?」
「行けば分かる。今、台所におるはずじゃ」
「台所?」
「き、気をつけろ!時と場合によっては、襲ってくるかもしれん!」
「そ、そんなに?」
 敷島は恐る恐る台所をのぞいてみた。すると、流しの横に、緑色の海藻のようなものがウジャウジャと繁殖していた。幸い、襲ってくる気配は無い。
「何か、ワカメみたいですね」
「うむ。ワカメじゃよ」
「え?」
「実は朝食に好物のワカメスープを作ろうとしたのじゃが、戻し過ぎて……」
「はあ!?じゃ、あれって元々乾燥ワカメ!?どんだけだよ!?……てか、好物なら加減を覚えてくださいよ」
「うむ。それでだな、モノは相談じゃが……あれ、元に戻せんかね?」
「ええっ、マジっすか!?ここ、ロボット研究所っすよね!?」

 ライバルであるマッドサイエンティストとの攻防戦も始まるというのに、当の研究所は緊張感ゼロという描写である。因みにおもしろ所長のせいで、敷島は相談するタイミングを逸してしまっている。
 字数制限の都合で、この部分はカット。
コメント (1)
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