またもや“ボカロマスター”ボツネタより……。
「ふ、ふふ……。とんだ誤算だったな。まさか、ボウズがこの私を追い詰めるとは……」
ウィリアム・フォレスト……通称“ドクター・ウィリー”の研究所に潜入し、ついに袋小路に追い詰めたのは鏡音レンだった。
「ボウズとは何だ!……いや、それはどうでもいい。お前は絶対に許さない!」
「ほお。感情レイヤーが上手く機能しているようだな。南里のヤツめ、苦手としていたソフトウェア研究も、ようやく克服したようだな」
「ごまかすな!お前はリンをさらわせた!プロデューサーに大ケガをさせた!ルカ姉ちゃんの歌声を奪った!みくみく(*)の左手を吹き飛ばした!」
*リン・レンが勝手に付けた初音ミクのあだ名。無論、非公式。
「ボウズ、他にもあるぞ。シンディを使ってエミリーとも戦わせたし(負けたがな)、KAITOを海に投げ落として機能停止に追い込もうともしたな(**)」
**当初、KAITOのボディは海水への防水加工が施されていなかった。
「お前は絶対に許さない!」
「で?どうするつもりだ?」
「地獄に叩き落とす!」
「できるのか?」
「なに?」
「何はともあれ、お前達が我々人間の慰み物として作られた道具であることは事実。お前達など所詮、私から見れば検品で弾かれた不良品そのもの。それを南里に代わって処分してやろうというのだ。聞けばお前も、量産化に失敗した試作品とのことだが……。それが粋がるとは、おこがましいにも程がある。ここで私に手を挙げたら、今度こそ廃棄処分だぞ?」
「うう……!」
「不気味の谷現象について、まだ知らぬようだな」
ウィリーは手を差し伸べた。
「来い。私と共に。私なら南里と違い、お前の存在価値をより高めることができる。それこそ正に、アンドロイドとしての望みだと思わんかね?」
ウィリーはそう言って、壁のボタンを押す。すると壁が開いて、外に海が広がっていた。
「ば、バカにするなっ!」
「ここで引き返しても、廃棄処分が待っているぞ」
「くっ……」
その時だった。
〔ピーピーピーピー!「大津波警報発令!大津波警報発令!直ちにこの島から脱出せよ!大津波警報発令!大津波警報発令!」〕
「さっきの地震で?!」
「案ずるな。この研究所が建つ島自体が要塞じゃ。数メートルの津波など問題ない。さて、先ほどの答えだが……逃げるのか!!」
レンは慌てて来た道を引き返した。背後に、大きな水の音が聞こえる。
「うわああああっ!!」
所内に波が飛び込んできた。
〔「レン、聞こえるか!?」〕
「ぷ、プロデューサ!?」
〔「今、レンのいる場所は分かってる。そのまま、廊下の反対側まで走れ!」〕
「わ、分かった!」
廊下の途中で防火シャッターが閉まっていたが、くぐり戸を通って反対側に抜ける。所々に、レンが倒した研究所の警備ロボットの残骸が転がっていた。
ガーンと音がして、押し寄せてきた津波が防火シャッターを破壊するのが分かった。
廊下の反対側に行くと、左手を損傷したエミリーがいて、
「エミリー姉ちゃん!」
「鏡音レン・脱出する!」
エミリーはレンを抱えると、研究所の壁を破壊し、外へ脱出した。そして、両足からジェットエンジンを噴射させる。
「て、鉄腕アトム!?」
「敷島さんからは・“ターミネーチャン”と・呼ばれたことが・ある」
「そ、そうだなぁ……」
眼下に研究所が大津波にさらわれ、崩壊して行く様子が見えた。
「ドクター・ウィリーは?」
「多分、津波にさらわれたと思う」
「手は・出して・いないな?」
「ボクのメモリーを調べてもらえれば分かるよ」
「よし」
そして、別の方向に視点を向けると、一艘の船が津波が来る方向に向けて操行しているのが見えた。津波の時に、わざとそれが来る方向に一気に船を飛ばして助かったという事例は、東日本大震災の時にも散見された。
「敷島さん達は・あの船に乗っている」
(ドクター・ウィリーは死んだのか?)
実際のOKネタはレン1人がウィリーを追い詰めるのではなく、他の複数のボーカロイド達がいる描写になっている。また、緊急地震速報と大津波警報が発令されるタイミングが違っている。
因みに、レンが怒りに任せてウィリーを殴りつける案もあった。これはロックマン7におけるロックマンとドクター・ワイリーのやり取りがモデル。
「ふ、ふふ……。とんだ誤算だったな。まさか、ボウズがこの私を追い詰めるとは……」
ウィリアム・フォレスト……通称“ドクター・ウィリー”の研究所に潜入し、ついに袋小路に追い詰めたのは鏡音レンだった。
「ボウズとは何だ!……いや、それはどうでもいい。お前は絶対に許さない!」
「ほお。感情レイヤーが上手く機能しているようだな。南里のヤツめ、苦手としていたソフトウェア研究も、ようやく克服したようだな」
「ごまかすな!お前はリンをさらわせた!プロデューサーに大ケガをさせた!ルカ姉ちゃんの歌声を奪った!みくみく(*)の左手を吹き飛ばした!」
*リン・レンが勝手に付けた初音ミクのあだ名。無論、非公式。
「ボウズ、他にもあるぞ。シンディを使ってエミリーとも戦わせたし(負けたがな)、KAITOを海に投げ落として機能停止に追い込もうともしたな(**)」
**当初、KAITOのボディは海水への防水加工が施されていなかった。
「お前は絶対に許さない!」
「で?どうするつもりだ?」
「地獄に叩き落とす!」
「できるのか?」
「なに?」
「何はともあれ、お前達が我々人間の慰み物として作られた道具であることは事実。お前達など所詮、私から見れば検品で弾かれた不良品そのもの。それを南里に代わって処分してやろうというのだ。聞けばお前も、量産化に失敗した試作品とのことだが……。それが粋がるとは、おこがましいにも程がある。ここで私に手を挙げたら、今度こそ廃棄処分だぞ?」
「うう……!」
「不気味の谷現象について、まだ知らぬようだな」
ウィリーは手を差し伸べた。
「来い。私と共に。私なら南里と違い、お前の存在価値をより高めることができる。それこそ正に、アンドロイドとしての望みだと思わんかね?」
ウィリーはそう言って、壁のボタンを押す。すると壁が開いて、外に海が広がっていた。
「ば、バカにするなっ!」
「ここで引き返しても、廃棄処分が待っているぞ」
「くっ……」
その時だった。
〔ピーピーピーピー!「大津波警報発令!大津波警報発令!直ちにこの島から脱出せよ!大津波警報発令!大津波警報発令!」〕
「さっきの地震で?!」
「案ずるな。この研究所が建つ島自体が要塞じゃ。数メートルの津波など問題ない。さて、先ほどの答えだが……逃げるのか!!」
レンは慌てて来た道を引き返した。背後に、大きな水の音が聞こえる。
「うわああああっ!!」
所内に波が飛び込んできた。
〔「レン、聞こえるか!?」〕
「ぷ、プロデューサ!?」
〔「今、レンのいる場所は分かってる。そのまま、廊下の反対側まで走れ!」〕
「わ、分かった!」
廊下の途中で防火シャッターが閉まっていたが、くぐり戸を通って反対側に抜ける。所々に、レンが倒した研究所の警備ロボットの残骸が転がっていた。
ガーンと音がして、押し寄せてきた津波が防火シャッターを破壊するのが分かった。
廊下の反対側に行くと、左手を損傷したエミリーがいて、
「エミリー姉ちゃん!」
「鏡音レン・脱出する!」
エミリーはレンを抱えると、研究所の壁を破壊し、外へ脱出した。そして、両足からジェットエンジンを噴射させる。
「て、鉄腕アトム!?」
「敷島さんからは・“ターミネーチャン”と・呼ばれたことが・ある」
「そ、そうだなぁ……」
眼下に研究所が大津波にさらわれ、崩壊して行く様子が見えた。
「ドクター・ウィリーは?」
「多分、津波にさらわれたと思う」
「手は・出して・いないな?」
「ボクのメモリーを調べてもらえれば分かるよ」
「よし」
そして、別の方向に視点を向けると、一艘の船が津波が来る方向に向けて操行しているのが見えた。津波の時に、わざとそれが来る方向に一気に船を飛ばして助かったという事例は、東日本大震災の時にも散見された。
「敷島さん達は・あの船に乗っている」
(ドクター・ウィリーは死んだのか?)
実際のOKネタはレン1人がウィリーを追い詰めるのではなく、他の複数のボーカロイド達がいる描写になっている。また、緊急地震速報と大津波警報が発令されるタイミングが違っている。
因みに、レンが怒りに任せてウィリーを殴りつける案もあった。これはロックマン7におけるロックマンとドクター・ワイリーのやり取りがモデル。