Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

はじめての金融工学  真壁昭夫(講談社現代新書)

2010年12月25日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 何年か前から、「実体経済に合わない金融市場」というような話をよく耳にしてきた。
 何のことかよく解らずにモヤモヤしていたが、ペラペラと本書の頁を繰ってみると、「!」や「?」が随所にあったような…
 しかし「諾」として受け入れるには、釈然としない何かが残ったのも偽らざる心情であるのだが…

○天候デリバティブ:天候と損害の因果関係の証明や損害額の査定などは一切不要で、特定の気象状態が実現すれば、自動的に最初に決められた所定金額が支払われる
○金融工学の肝とも言うべき「正規分布」:すべての基礎は「正規分布」にあり
○自然科学の分野では、特定の現象の原因と結果、因果関係、メカニズムを明らかにしやすくするために、あえて現実にはない世界を想定する
○オプション取引の本質:①コールオプション-事前に定められた特定の価格である物を買う権利、②プットオプション-事前に定められた特定の価格である物を売る権利
○裁定取引:ある物を特定の価格で購入して、その後すぐにその購入価格より高い価格で売却し無リスクで利益を確定させること
○経済物理学:正規分布を想定しない
○たとえば偏差値σの5倍の大きさの変動は、正規分布では「およそ7,000年に一度しか起きない」となっているが、実際には通貨危機は数年に一度起きている


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