LINEN GYOZA 近況日記

十年たちました…

『忘れかけていた大切なこと』

2012-06-23 15:43:07 | 
先日読んだ『美しい人に』が良かったので、さらに渡辺和子さんの本を借りてみた。次は『忘れかけていた大切なこと』というタイトル。
内容は、シスターTがおっしゃったとおり「どの本の内容もおそらく伝えたい事は同じはず」と言えるかもしれませんが、『忘れかけていた―』の方には、私が一番興味をひかれた‘愛するということ’について、よりわかりやすく書いてあった。

「人間には食物にしても人間同士の間でも、どうしようもない好き嫌いがあって、しかもそれは殆ど生理的なもので、意志の力でもコントロールしにくいケースがあるということが言いたかったのだ」

「ところで『好き』と『愛する』とは一見似ているが必ずしも同じではないのだ。前者は生理的、感情的なものであり、後者は人格的、意志的なものといえる」

愛とは「知性、意志、きびしさを伴った人格的行為なのだ」

シスター渡辺はピーマンが嫌いなんだそう。同様に「ピーマン的存在」の人がシスターにもいて、「せめて、その人の不幸を願わないことで許して欲しいものである」とある。正直だなぁ。

二・二六事件でお父上をその目の前で殺された経験を持つシスター渡辺は、40年後に作られた関連テレビ番組内でお父上を殺した側の人物と同席し、「激しい嫌悪感があった」と語り、「自分の修道の至らなさを恥じる」のだった。シスターとなり、聖書の言葉を生きる生活を送っていてもなお困難で、今後も「『ピーマン的存在』のために祈り、その幸せを、我が心と闘いながら祈る生活を送ってゆ」くことが努力目標だという。

最近、周囲の友人が義父母に対して話すのを聞くと、この‘愛するということ’は‘好き’とは違うんだ、ということがよくわかる。キリスト教とは無縁な人も、驚くほどよく似た言葉を口にする。深いなぁと思うし、みんながんばっているね、と応援したくなる。


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