日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

洋食屋がどんぶりや屋に でも味噌屋は味噌屋

2010-03-29 18:33:54 | 旅行・ぶらぶら歩き
先日梅田のヨドバシに出かけたとき、いつものことながらお昼を梅田地下の洋食屋で摂ろうとした。以前犬も歩けばオムライス 大阪のおっちゃんでふれた洋食屋である。とことが、あるべきところにこの店がない。あるのはどんぶり屋である。梅田に出たのは久しぶりなのでひょっとして場所を見間違えたのかなと思い、しばらくその周辺を歩いてみたが場所は間違っていない。洋食屋がどんぶり屋に変わったのである。主なメニューが500円なのでいわゆるファースト・フッドの店なのだろう。仕方がないのでこの店に入りカツ丼を注文した。味は少しきついがまあまあである。出がけにレジでいつから始めたのかと聞いたところ3月17日からとの答えが返ってきた。それにしても前の洋食屋さん、どうして無くなってしまったのだろう。お昼時しか知らないが、結構お客さんが入っていたと思うのに経営が難しかったのだろうか。オムライスを楽しみに行ったのに残念至極であった。それにしても大阪の人、洋食はハイカラすぎるのだろうか。

そしてこれからが私の好きな因縁話なのである。私は時々ある秘密の用事で大阪天満宮近くの秘密の場所に出かける。以前は阪急電車で梅田まで出て、地下鉄谷町線に乗り換え南森町で降りていた。ところが去年その顛末を野崎参りで思いがけないご利益で記したことであるが、JR東西線に乗ると三宮から大阪天満宮まで普通電車だと乗り換えなしに行けることが分かって以来、もっぱらJRを利用している。梅田ともちょっと縁遠くなったのは、これが与っていると言える。この大阪天満宮の近くに「とりゐ味噌」という老舗のお味噌屋さんがあって、いつぞや立ち寄って美味しいとの評判の柚子味噌を買おうとしたが、夕方時でもう売り切れてしまい、かわりに金山時味噌を買ったことがある。その時に谷崎潤一郎夫人の谷崎松子さんからの礼状のコピーを店内に展示しているのに気がついた。美食家と知られる谷崎潤一郎の朝食の食膳にこのお店の味噌が上がっていたのだろうか。というのもこの「とりゐ味噌」店はなんと創業が300年以上も前の元禄時代と言うから半端じゃない。その店で今でも遅く行くと売り切れ間違いなしという大勢の人に支えられた商品を作り続けているのだから凄いの一言に尽きる。洋食屋が太刀打ちするのも大変というのが分かるような気がする。

そこで因縁話というのはこうなのである。後で知ることになった梅田のどんぶり屋が開店したその日、秘密の場所に赴く途中この「とりゐ味噌」店に差し掛かり、なにげなく店を覗き込んでいたのである。そして店先に張り出していた下のビラに目が行ったときにあれっと思った。


なんと私の従兄弟の文章なのである。発酵工学を出ているので味噌とは関係大ありなのであるが、それにしてもこんなところでお目にかかるとはその偶然に驚いた。文章に目を通したが、「とりゐ味噌」を取り上げているわけではないので、谷崎松子さんの礼状とは趣が異なる。もしかして仕事の上で何かの関わりがあったのか、それともただ単に味噌が取り持つだけの縁なのか、この時は確かめる時間が無かったが、今度通りがかった時にもしこのビラが残っていたらその謂われを聞くのも面白かろうと思った。従兄弟にはまだ話していない。

左下のビラがそうである。