日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

小沢さん、政局を面白く

2007-11-05 16:26:51 | Weblog
民主党の小沢代表はもともと分かりにくい人物なので、私の好みではない。その小沢さんがアメリカに引きずられたかたちでの、インド洋における海上自衛隊の給油活動を反対していた。なんとなく反米的である。その一方、「国連の活動に積極的に参加することは、たとえ結果的に武力の行使を含むものであってもむしろ憲法の理念に合致する」なんて云っているが、私はその理屈にはついて行けない。変に国連に凭りかかり、国連を日本国憲法より優位に考える『教条主義』的思考が気に入らなかったからである。

未だ『アメリカの占領下にある日本』の政治家として、同じアメリカにもの申すのなら、普通の軍隊を持てないようにした憲法第九条をそちらが押しつけたから、こんなややこしいことになっているんだ、とアメリカに啖呵を切るぐらいの器量が欲しいものである。

小沢さんでもう一つ気に入らないのは、不動産という形で確か10億を超える巨額の政治資金を貯め込んでいることである。「井戸塀」という言葉を知っている世代の人間にとって、お金が減るどころか逆に増えてくるような政治家はそれだけで胡乱くさいのである。ちなみに「井戸塀」とは(昔の)政治家が屋敷まで人手に渡して政治資金を作ったことを、だから井戸と塀しか残らなかったと表現したのである。私財を投入してまで政治に奔走する姿を人々は尊敬の眼で眺めたことであろう。池田勇人氏と自民党総裁の座を争い敗れた藤山愛一郎氏が世に知られた最後の「井戸塀」政治家であった。

その後の報道で、なぜ小沢氏が大連立に前向きであったかが伝わってきた。

《小沢氏は連立政権への参加を検討した狙いとして「民主党は今国会に年金や農業政策など国民生活第一の法案を提出しているが、衆院は自民党が圧倒的な多数なので成立させられない。政策協議をすれば、その中で実現させられる」などと指摘した。

 同時に「民主党はまだ、さまざまな面で力量不足で衆院選での勝利は大変厳しい状況だ。政権の一翼を担うことが民主党政権実現の近道と判断した」と指摘。次期衆院選での政権交代が容易ではないことも、要因の一つだったと示唆した。》(NIKKEI NET)

この現実的な判断を小沢氏が大連立への踏切台としたことは私にも分かりやすいし同感である。しかしこの「本音」が次の衆議院選挙で自民党を圧倒し政権を担うと気炎を上げている民主党とは相容れないものだけに、小沢氏が孤立したのも当然である。しかも政権奪取を煽り立てたのは小沢氏である。民主党内で根回しもせずにこの「本音」を唐突に出せば、こういう成り行きは当然だろう。普通の大人の思考・行動とは思えないだけに、小沢さんはやっぱり分かりにくい人なのである。

小沢さんが適当な人数を引き連れ民主党を飛び出し、とくに参議院でのキャスティング・ボートを握る新党でも結成すれば、「政局」がより面白くなることは確実である。それで公明党が霞んできたらもっと面白くなる。小泉さんが辞めてから面白くないこと続きの政局の活性化に繋がればと思う。