「うつろ庵」の狭い庭にも数本の椿を植えてあるが、この時節では目白の好物の蜜が吸えるとあって、朝な夕なに飛び来て、可愛い訪問者が絶えない。
目白の来訪は大歓迎だが、椿の花は残念ながら、嘴と足の爪痕が残って、お世辞にも綺麗とはいい難い。しかしながら、考えようによっては、目白達との交流の証だと思えば、むしろ立派な勲章を目白から授かったことになる。悔し紛れに聞こえるかもしれないが、可愛い目白とのお付き合いには、それなりの代償も必要だ。
そんな訳で余程の幸運に恵まれないと、無垢の椿の花にはめったに出合えない。
今朝はその幸運に巡り会えた。
うつろ庵の椿の綻び待ちかねて
目白と競うすみ人なるかな
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/18/52b1448c0d0b5d3678691243ec0a14fc.jpg)
花びらに身を支えては蜜を吸う
仕草いとしき目白に見惚れぬ
うつろ庵の椿の誇る勲章は
目白の残せる爪痕なるかな
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/05/dad8297efcfe60ffe9e33d8b2a399bea.jpg)
朝にけに目白飛び来て蜜吸えば
一つだになし名残のなき花
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/3c/811d44fdc9ade36221d4d9f0cfe548b0.jpg)
咲き初むる無垢の椿のただ一輪
観まくほしけど 今朝はかないぬ