先週末、ちょうど僕が部隊についたその数時間前に、部隊から一人の自殺者がでた。
僕らが取材している小隊の兵士ではなかったが、2ヶ月前に来たときに同じ兵舎で寝泊りしていたので、彼とは顔見知りだったし、何度か話をする機会はあった。
小柄で痩せており、典型的なマッチョ兵士のタイプではなかったが、それでも人のいい奴だなと思ったのを覚えている。アメリカの家族から送られてきたお菓子などを、「食べるかい?」と気前よく分けてくれたこともあった。どんなことを話したのかあまり覚えていないのだが、彼がラスベガスの出身だったということは、坊主頭の痩せた顔とともに、はっきりと僕の記憶に留まっていた。
彼と同じ小隊の兵士の話では、彼は1ヶ月半ほど前に一度、ピストルを顎につきつけて自殺未遂を図っていたという。その後いったん小隊から離されカウンセリングをうけていたが、カウンセラーの判断でまた小隊にもどされた。その矢先の自殺だった。
仲間の兵士たちはみな、どうしてカウンセラーがまた彼を小隊にもどしたのか、首を傾げていた。
彼はいつも孤独なタイプで、部隊内に友人もほとんどいなかったという。
「あまり歩兵部隊には向いていなかったと思う。同じ陸軍の仕事でも、事務仕事を扱う部署などもあるし、そういう場所の方が彼にはよかったのでは。。。」
仲間の一人はそう語った。
彼がどうしてそこまで追い詰められてしまったのか、僕には知る由もない。しかし、陸軍の上司が個人の性格をもっとよく見極めて、適材適所の任務を与えていれば、彼も自殺などせずにすんだかもしれない。
戦争は、爆撃や銃撃といった戦いによってのみ犠牲者を出すわけではない。
ワシントンポスト紙によれば、イラクを含めた戦場で、彼のように自ら命を絶っていった米兵の数は昨年99人。陸軍が記録をつけ始めたここ26年間で史上最高の自殺率になったという。
僕らが取材している小隊の兵士ではなかったが、2ヶ月前に来たときに同じ兵舎で寝泊りしていたので、彼とは顔見知りだったし、何度か話をする機会はあった。
小柄で痩せており、典型的なマッチョ兵士のタイプではなかったが、それでも人のいい奴だなと思ったのを覚えている。アメリカの家族から送られてきたお菓子などを、「食べるかい?」と気前よく分けてくれたこともあった。どんなことを話したのかあまり覚えていないのだが、彼がラスベガスの出身だったということは、坊主頭の痩せた顔とともに、はっきりと僕の記憶に留まっていた。
彼と同じ小隊の兵士の話では、彼は1ヶ月半ほど前に一度、ピストルを顎につきつけて自殺未遂を図っていたという。その後いったん小隊から離されカウンセリングをうけていたが、カウンセラーの判断でまた小隊にもどされた。その矢先の自殺だった。
仲間の兵士たちはみな、どうしてカウンセラーがまた彼を小隊にもどしたのか、首を傾げていた。
彼はいつも孤独なタイプで、部隊内に友人もほとんどいなかったという。
「あまり歩兵部隊には向いていなかったと思う。同じ陸軍の仕事でも、事務仕事を扱う部署などもあるし、そういう場所の方が彼にはよかったのでは。。。」
仲間の一人はそう語った。
彼がどうしてそこまで追い詰められてしまったのか、僕には知る由もない。しかし、陸軍の上司が個人の性格をもっとよく見極めて、適材適所の任務を与えていれば、彼も自殺などせずにすんだかもしれない。
戦争は、爆撃や銃撃といった戦いによってのみ犠牲者を出すわけではない。
ワシントンポスト紙によれば、イラクを含めた戦場で、彼のように自ら命を絶っていった米兵の数は昨年99人。陸軍が記録をつけ始めたここ26年間で史上最高の自殺率になったという。
自殺99件のうち27件がイラク駐留米軍での発生。
米陸軍は報告の中で、戦地への派遣と自殺の
相関関係は確認できなかったとしている。
一方、家族と離れ離れになるなどが自殺へ至る
第一の動機だと分析。
が、自殺が多いのは米軍だけのことではない。
警察庁が今年6月に公表した統計資料では、
わが国における自殺者が平成10年以来、
9年連続で3万人超となっている。
自殺ということに少し考えてみるきっかけを
作ってくれた高橋氏の記事に感謝。
いみし。
戻ってきてからも、自殺するや暴力によって配偶者を殺してしまったり。PTSDは、ベトナムから帰還した兵士の状態から発見された人の心の状態。どんどん現場は、想像と予測を超えてしまう。フォローする側の知識は、それについていかない。医療もです。
現実に基づいていると後から掲げられると、
さすがに返しようがない。
それなら、そういう風にあらかじめ書いてくれると
読み手としては助かります。
では改めて質問で恐縮すが・・・
ジャーナリストが従軍することによって、
兵士の無謀な行為を抑制した事例を
高橋氏の現実の経験から、いくつかあげてもらえると
参考になります。
根拠の補強もできますし、いかがでしょうか?
いみし。
具体例といっても、「起こらなかったこと」の事例ですから正確には難しいのですが、従軍して家宅捜索などに同行するときなど、逮捕したイラク人たちに対して「僕がここにいなかったら、もっと手荒に扱っているんだろうなあ」と思うことはしばしばあります。もちろん全ての米兵がそうだとは思いませんが、やはり彼らの多くがイラク人に対して、アメリカ人に対するのと同じ人権感覚を持っているとは思いにくいので。
2005年のハディサでの虐待殺人事件―米海兵隊員数名が民家に侵入し24人のイラク一般市民を殺害、また昨年のマホモディアでのレイプ殺人―陸軍兵士が15歳の少女をレイプし、その後彼女と両親、妹を殺害し証拠隠滅のため死体を焼いた、といった事件は、もしその場にジャーナリストがいたとしたら、恐らく起こらなかったと思います。