最初はトラック世界選に行く気満々、行くつもりだった。否、行った。否、行かない筈だったけど行った。って、ややこしい…。
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昨年10月。20日のトラック世界選のチケット発売日を心待ちにしていた。豪州車連の会員になると、先行発売があるんだよな~とか、まあ、一般発売の朝イチで買えば大丈夫かな~とか。一番の目当てはマイヤー兄 - ハワード組のマディソン観戦だが、ワールドクラスのトラック選手が一堂に会する重要な大会だ。
ところが、前日に(10月19日)にとんでもないことを知ってしまう。
CN: Points race silver driving Meyer's rainbow ambitions in Melbourne
「来年(2012年)も、ベルリン6日間レースをトラック世界選の準備として走りたいと思います」(by マイヤー兄)
ええ゛ーーーーーっ!?
二人のベルリン参加は、1回ぽっきり、もうないと思っていた。そりゃあ実入りはいいし、面白いレースだけど、前年同様、ツアー・ダウンアンダーから中3日で、豪州から欧州へ移動というハードスケジュール。その上、今回マイヤー兄は、グリーンエッジからディフェンディング・チャンピオンとしてのTDU参戦。注目度は前年以上だろうし、プレッシャーも大きかろう。俄かに信じられなかった。
……。世界選は出ても3種目。1種目ってこともある。ベルリンなら4日間の夜の間中、二人の走りが観放題(ぽ~♪)。。。
もう少し、様子を見るべき気もしたが、オーストラリアではトラック競技は人気がある。さっさとチケットを買わないといい席がなくなるばかりか、売り切れということも。悩む~。
決断。トラック世界選は諦め、ベルリンへ賭けよう。もし二人がベルリンに出場しなくても、がっかりしない。6日間レースは楽しいから。
いぬたろうに、この苦しい胸の内と、ベルリンへの意気込みを打ち明けた。いぬたろうは“トラック世界選>ベルリン”という心持らしく、渋い表情だったが、意外な提案をしてきた。
「取り敢えず、世界選のチケットは買っておこう」
ええっと、、、願ってもない申し出ですが、“保険”としてはむっちゃ高いんですけど(※ 週末3日夜の券二人分で約5万)。
「何だかんだ言って、二人はベルリンには出場しないだろう」
そう踏んだようだった。
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10月20日(木)…トラック世界選チケット発売開始。
10月21日(金)…トラック世界選チケット購入。
10月21日(金)…ベルリン6日間レース公式FaceBookで二人の出場を匂わす記事。
11月16日(火)…ベルリン6日間レース公式FaceBookがマイヤー兄の出場を熱望するドイツ語メールを紹介。
これは出場確定的だよね? 出もしない人の出場熱望メールなんて普通紹介しない。ただ、ドイツ語なので、私も自信がなかった。決定打がほしい。
11月22日(火)…Twitterで、マイヤー兄に2012ベルリンに出場するのか尋ねてみた。返事なし。
うーん。もう時間がない。ぐずぐずしてると、塩梅のいいドイツ行きの航空券もなくなってしまいそうだ。
11月30日(水)…ベルリン6日間レースチケット&ベルリン往復航空券購入。
12月17日(土)…ベルリンのホテル予約。
後戻りできなくなった(※ 安い航空券だから、キャンセルすると大変なことになる)。というか、5万円のトラック世界選のチケットが紙屑になった。流石に、両方には行けない。ドイツ行きだって、かなり苦しい財政なのに。
間際になって、いぬたろうの仕事が忙しくなり、ひやひやしたが、何とかドイツ行き遂行。行って良かった。二人は優勝したし、2回目のベルリンも楽しかった。
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世界選に未練はなかった、といえば嘘になるが、考えないようにしていた。早く、ネイル・オン・ファイヤー(←爪に火をともす)生活から解放されたい。ストリーミングがちゃんと観られますように(祈)ということだけ考えた。
「モノは相談なんだけど…。やっぱり世界選、行かない? チケット勿体ないしー」(by いぬたろう)
3月9日(金)…突然トラック世界選行き浮上。
金・月だけなら休める、と言う。嗚呼、願ったり叶ったり。でも“勿体ない5万”が一変、出費が一桁増して、膨れ上がる。。。
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マイヤー兄の、ハワードのトラック競技は終わった。二人はロード1本の選手に移行する。そのファイナル・レースに立ち会えたのだ(感涙)。行って本当によかった~~~。
私は当分、ベルリンに行くこともないだろう(新しい支配下選手がすぐ出てきたりして)。西ベルリンに殆ど足を踏み入れてない心残りもあるけれど。彼らは6日間スペシャリストではないし、マディソン世界チャンピオンの看板を持っているから、招かれていた。今はロードチームのジャージを着た、若手選手にすぎない。それに、2013年のツアー・ダウンアンダーとベルリン6日間レースの日程は重なっている。
「僕のトラックレース人生の中でベルリンは最高でした。三度(みたび)出たい。ハワードもそう言ってる。僕らあの後、マイヨ・アルカンシェル失ったのあるけど、新・世界ちゃんぴおんのデケイトル - ヴァンフッカ組にベルリンで復讐したいことのあるよ。TDUと重なっているけど、うちのチーム、オーストラリア人いっぱいいるね。交渉の準備はできてるよ。オーガナイザー様もお体にお気をつけて。めーるください」
こんなドイツ語E-メールを、またマイヤー兄が送らないとも限らない?!(たぶんない)

マイヤー兄(L)&ハワード
マイヤーの自転車のアルカンシェルが、訳あって豪州カラーに変化
この写真はまだ前半だが、敗色濃厚となった終盤の重苦しい空気さえも、
私にとっては貴重な時間で、噛みしめるように味わうった

健闘を称え合うオーストラリア&イギリス

オーストラリア&ベルギーのハグ

ポディウム
1, ベルギー(デケイトル - ヴァンフッカ)
2. イギリス(トーマス - スイフト)
3. オーストラリア(マイヤー - ハワード)
(photos by kumataro)