熊本熊的日常

日常生活についての雑記

殿様商売

2014年06月26日 | Weblog

金策に窮して塩漬けの外貨定期を解約することにした。ネットで満期の扱いを自動継続から自動解約に変更しようとしたところ、エラーになった。満期金を移す先となる外貨普通預金の口座が無いというのである。ネット上でも既存の口座に追加して新たに外貨普通預金を設定できるが書類の遣り取りが必要になるので、口座のある銀行の支店に出向くことにした。そもそも定期口座だけが開設されて、その満期金を受け容れるはずの普通預金口座が開設されていないというのが、気が利かないというか、間抜けなのだが、今更そんなことを言ってもはじまらない。

その銀行は所謂「メガバンク」のひとつだ。その総合口座を開設した頃は関西に本店のある銀行の東京営業部だったが、合併を繰り返した結果、今では東京に本店のある銀行の新丸の内支店になった。昼休み時に訪れたのがまずかったのだろうが、案内係に用件を伝えて番号札を渡された。待つこと30分。新規の口座ではない。既存の口座に外貨普通を追加するだけのことだ。その応対に30分。ようやく開設が終わり、私は自分の職場に戻った。午後2時過ぎ、その応対をした行員から電話が来た。渡すはずの書類を渡し忘れ、もらうはずの署名をもらい忘れたので、その支店まで来いという。銀行側の落ち度で書類の受け渡しが追加で発生したのに客を呼びつけるのである。私のほうも自分の仕事があるので、銀行の営業時間中には行けないと伝えると、午後3時過ぎでもATMコーナーから電話で呼び出せという。結局、午後3時半過ぎに銀行に出頭し、ATMコーナーで担当者に電話をかけた。その担当が席を外しているので、後で電話をするから待てという。さすがにカチンと来たが、腹を立てても事はなるようにしかならないので、今その支店のATMコーナーにいると伝えて、とりあえず店内に入れてもらった。応接に通されたのはよいが、勧められた席は末席だ。ほどなく現れた行員はサンダル履きだ。ただ書類を受け渡すだけではあるが、応接室で客の対応をするのにサンダル履きはないだろう。驚いた。手土産にタオル地のハンカチとキッチンペーパーを渡され、書類を持ってその支店を後にした。ガキの使いとはこういうことを言うのだろう。

民間企業とはいいながら公共性の高い商売というのは、利用者にとってみれば選択の余地が限られる。いわば独占状態だ。独占なのだから楽な商売のようだが、経営がおかしくなって合併を繰り返してきたのは事実だ。商売ができないからそういうことになるのだろう。商売というのは相手のある行為だ。過去の遺産と合併で図体だけは大きいが、客を客とも思わぬ文化が醸成された組織がこのままというわけにはいくまい。店舗があって一見したところ営業活動が行われているようだが、実体としては客に対して門戸が閉ざされている。こんなことでは早晩、さらなる合併という事態になるのだろう。


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