熊本熊的日常

日常生活についての雑記

熊本君

2009年03月07日 | Weblog
大学の学部の同窓会があり、出かけて来た。学部の同窓会なので対象者は1,000人を軽く超えているはずなのだが、卒業して20年以上も経つと連絡が取れない人の方が多いのではないだろうか。それでも来年春に予定されている次回の同窓会へ向け、幹事の人たちは全員に連絡をつけることを目標にしているのだそうだ。

大学時代に何か熱いことがあったわけでもなく、今から思えば無為に過ぎてしまった悔いのようなものだけが残っている。今回の同窓会も出席することに逡巡がなかったわけではないのだが、どんな奴が来るのか見てみたいという好奇心が勝ったということだ。今日集まったのが何人なのか知らないが、会場となった大学構内の学食は立食パーティにしては人の数がやや過剰だ。出席率はクラスによってまちまちで、といっても、出席率の高いクラスでもせいぜい2割程度だろう。この「クラス」というのは第二外国語によって分類されているのだが、クラスの数が最も少ない中国語のクラスの出席率が比較的高い。少数派ほど団結力が強いということだろうか。ちなみに、私のクラスはドイツ語のクラスで、私が唯一の出席者だった。

同じクラスの奴がいなくても、ゼミやサークル、あるいは就職先が同じ奴は何人かいたので、話し相手に不自由は無かった。それでも、その見知っている顔も殆どは卒業以来、就職直後の研修以来の再会で、最も直近に会った奴でも12年ぶりだった。さすがに一見して時間の重みとか残酷さのようなものを感じる。当然といえば当然だが、老け具合は人によって様々だ。そこにその人の年輪のようなものが出ているのかもしれないし、単に生理的な経年変化が表れているだけなのかもしれない。ただ、不思議なことに話をすれば20数年前と変わらぬ感覚が甦る。この年齢になって女性に「熊本君」と呼ばれると、一瞬どぎまぎしないわけでもないのだが、会話が進むにつれて妙に心地よくなってみたりする。と同時に、あと何十年後かに「熊本君」と呼ばれたら、いったいどのような気分になるものなのか、今から妙に楽しみであったりもする。