30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

南アルプスと富士の展望ー棚横手山から甲州高尾山を歩く

2014-12-11 | 登山

 ↑南アルプスを一望。甲斐駒からずらり聖岳まで、いや笊ケ岳までもが

↓棚横手山から重畳する峰々の向こうに富士。なんて美人なんだろう

 


山行日 2014年12月10日(水)日帰り
天気 晴れ
山域 中央線沿線の山
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅4:53=5:06新松戸5:14(武蔵野線)6:11西国分寺6:14=6:40高尾6:42=7:44勝沼ぶどう郷駅8:00-9:30大滝不動尊-9:55展望台-10:50棚横手山11:20-11:40富士見台-12:15甲州高尾山12:25-13:20柏尾山13:30-14:00大善寺(駅に向かうが引き返し)-14:35大日影トンネル遊歩道14:55-15:00勝沼ブドウ郷駅15:13=西国分寺駅乗り換え武蔵野線経由で我孫子駅


10日(水)は冬日和だというから重い腰をあげて山を歩いてきた。10月下旬以来の山になる。目指したのは山梨県の棚横手山(山梨百名山)と甲州高尾山。コースは勝沼ブドウ郷駅から大滝不動尊を経て、棚横手山から甲州高尾山をミニ縦走。下山後は話のタネにと近くの「大日影トンネル遊歩道」を歩いてきた。棚横手山は2009年4月に山火事があった。あの山かと思い出す人は多いはずだ。

はじめて歩く山だがうれしいことが2つあった。ひとつは誰にも会わず山の中はずっと一人だったこと。平日だったからだろうがおだやかな冬の日差しを浴びながら団体さんの喧騒に邪魔をされることなく気持ちよく歩くことができた。もうひとつは展望に恵まれたこと。今回の目的が南アルプスと富士の展望だ。期待した以上の景色が待っていてくれた。

勝沼ぶどう郷駅から棚横手山までは南アルプスを眺めながら、棚横手山から甲州高尾山までは富士を正面に見ながら歩くことができた。甲州高尾山だけでは不満が残っただろう。棚横手山を加えることで満足の行く展望を満喫できた。正直のところこれほどの展望を楽しめるとは思ってもみなかった。

月給取りのころもそうだったが、隠居の身になったいまも、山から帰ってくるとだれにでも親切になれる。癇癪持ちの私にとってはこれが山歩きの効用だ。しかしこの気分は長持ちしない。だからまた山に行く。老体に鞭打ち、もうひと頑張り
山を遊びたい。


中央線沿線の山に向かうときの楽しみは、勝沼ぶどう郷駅からの南アルプスの眺めだ。勝沼ぶどう郷駅に近ずくと、わたしは左側の車窓に顔をよせて眺める。停車時間を含めてわずかな時間だがこれが楽しみだ。なんてったって南アルプスが横一線に並んでいるのだから見ない手はない。いまからの冬の時期は空気が澄んで雪をまとった高山の美しい姿を拝める。こんな景色を眺めることができた日はもうそれだけで楽しい山歩きの気分になれる。

そんな駅なのだがいつもは通過するばかりで下車するのはめったにない。きょうはこの駅におりる。電車が駅に近ずくとなんかいい予感。ホームに降り立つと南アルプスの白い峰々が迎えてくれた。期待したことが期待通りになるといううれしさ。すぐにホームから眺める。カメラを向けると寒さで指が震えてしまい、なかなかシャッターをきることができない。私がホームに降り立った瞬間に目にした南アルプスが下の写真。朝の7時45分。冷気に震えながら眺めた。

 ↓南北に走る南アルプス。北(右)から南(左)に順に見ていく。まず甲斐駒が目に飛び込んできた。つぎに(左へ)鳳凰三山。



↓鳳凰三山の後ろに雪をまとった白い北岳。続いて間ノ岳、農鳥岳。



↓さらに南に稜線を追う。荒川三山、赤石岳、頭をほんの少しだけ出した聖岳。笊ケ岳まで見える。



出発を前にだいぶ眺めていた。ぐずぐずしてはいられないと思いながらも。これで気をよくした。だれだってそうなる。私は気分屋だから体も心もすぐに簡単に反応する。

■勝沼ぶどう郷駅から大滝不動尊をへて棚横手山

駅の標高が470メートル、大滝不動尊が950メートル、棚横手山が1306メートル。ずっと登りの道が続く。
大滝不動尊への道がわかりにくいという。出発前に丹念に道順を何度も確認したおかげで迷うことなく行けた。右に不動尊前宮(下写真)を見ると道は細くなる。あとは道なりにいけばいい。



「不動尊前宮」から20分足らずで林道と出合う。右に「三滝橋」を確認し左に曲がる。



駅から大滝不動尊まで1時間30分かかった。林道歩きは退屈だ。覚悟して歩く。しかし今回はちがった。振り向けばいつも白い南アルプスがこちらを見ている。高みに行けば行けほど眺めがよくなる。気になって振り返ってばかりいた。しかし木々が邪魔だ。なんとか不動尊の近くにきて木々に邪魔されなく一望できる場所があった。標高が高くなってきたから冒頭の駅前の写真と少しずつ眺めが変わる。特に甲斐駒が目立って見えてきた。

 この展望のおかげで林道歩きに退屈せず無事に大滝不動尊。仁王門から本堂へ急な階段が続く。

階段の途中の左に落石。ことし2月の大雪の影響だという。このため登山者はこのルートを避けてさきほどの下の林道を利用してほしいという看板。

私はためらったがこのまま進む。本堂。道は右手にある。すぐに短い鉄の橋が二つ続く。これを渡って進むと登山道らしくなる。 

また林道に出合った。ここに道標。まずは右の「展望台」へ行くが木々に邪魔されていまいちだ。すぐに戻り棚横手山を目指す。その道標ががない。左の「富士見台」への道を取るのが「棚横手山」への道になる。

荒れた林道だ。左手に「棚横手山こちら」という立て看板があった。道は林道を離れ右手に登る。



この分岐点で北西方面を見ると雪山が見えた。八ツだろうか。

尾根に出た。急に視界がひろがった。



こんどは目の前に富士の山だ。いいね、いいねと心がはずむ。

 

ここからは富士見台と甲州高尾山が右に、棚横手山へは左へ行くのだが、棚横手山への道標がない。後ろを振り返るとあとから取りつけたかのような道標があった。山火事の影響なのか、どうも棚横手山に人を近づけたくないような印象を受けてしまう。

 棚横手山はあれだなとすぐにわかる。この一帯は山火事ではげ山だ。

また林道と出合う。横切って正面の階段を登っていく。

山頂直下からは南アルプスの眺めがいい。10時40分。もうガスが上がってきている。鳳凰三山も雪をまとっているのがわかる。

1306㍍の棚横手山の頂きだ。山梨百名山の山頂標柱。すぐ横に「大富士見台」の標柱もあった。その名の通りここからの富士がいい。冒頭に載せた富士だ。姿がいい。今回のコースで富士はここからの姿が一番よかった。

この日はほかに登山者がいない。だれひとりいない。いつもの一人歩きの一人撮り。目の前にある「大富士見台」の標柱にカメラを載せて撮った。すっかりセルフ撮りに慣れた。でもニコニコ顔ができない。老人がニコニコ顔して一人撮りしていたら気持ち悪いだろう。



■棚横手山から甲州高尾山へ経て下山

さきほどの分岐へ戻る。あちこちに山火事の跡を見る。



あたり一帯植林だ。

分岐から甲州高尾山へ向かう道がすばらしい。正面に富士山を見ながら歩く。山火事で辺り一面景色を遮る木々がない。視野いっぱいに重畳する山々だ。清々しい気分になる。きょうはいいぞとつぶやく。

アップダウンを繰り返して1106㍍の甲州高尾山。カメラを地面においてまたも一人撮り。



標高を落としたのでここからの富士の姿は、棚横手山からと比べるとだいぶ見劣りする。

来た道を振り返ると棚横手山。近くから見るとはげ山で見た目がよくないが、離れるとピークだなというのがよくわかるし、姿もいい。

甲州高尾山から落ち葉を踏んで約一時間で鉄塔の建つ柏尾山。ここから大善寺へ下る。

中央高速道が見えてきた。

登山口に無事に下山。目の前は甲州街道だ。ここを左に行くと「大日影トンネル遊歩道」だ。どうしようかと迷いながら右に曲がって勝沼ぶどう郷駅を目指した。



すぐに大善寺。

大善寺から5分ほど歩いて引き返した。まだ帰るには早い時間だ。「大日影トンネル遊歩道」を歩くことにした。途中、左側の山の天辺に鉄塔が見えた。あれは歩いてきた柏尾山かな。

登山口から20分ほどでトンネル遊歩道入り口。



トンネル内にはワイン貯蔵庫もある。

レンガ造りのトンネルだ。20分ほどで通り抜けられる。

トンネルを抜けると電車の音が聞こえた。新しいトンネルから電車が出てきた。グッドタイミング。

駅まで200メートル。南アルプスは逆光ですでにけさの輝きはなくなっていた。ぶどうの丘を眺めてサヨナラした。 

展望に満足した。すべて天気に恵まれたおかげだ。ここまで展望にすぐれた山だとは思ってもみなかった。次々と素晴らしい景色があらわれては驚き、喜んだ。うーん、いい山じゃないか。そう思いながら歩いていた。


      
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