八つ子をきぬかつぎで食べる
小さな庭に咲く蝋梅、梅、椿が終わり、ユキヤナギが咲き始めた。大ぶりな枝が柳のように垂れさがり見ごたえがある。
サトイモは冬を無事に越した。種イモはいま芽出しを行っている。種イモといっても使うの数は高が知れている。残りは食べる。保存がうまくいったので、収穫したばかりのようにしっとり感があって新鮮である。
そのひとつに八つ子がある。ヤツガシラの孫イモになる。ヤツガシラは子イモが分球しないで親イモとひとつの塊になってしまう。わずかに分球した小さなイモができる。これが八つ子である。八つ子は種イモとして使う。だが、かなりの量が残るからもちろん食べる。
保存してきた八つ子、すでに出芽しているのもある。水洗いした状態
八つ子は皮つきのまま、いわゆるきぬかつぎで食べる。これがうまい。酒のつまみになる。
皮つきのまま蒸すかゆでるかする。イモが小さいからすぐにできあがる。小さなイモを指で挟んで押し出すとイモが飛び出してくる。皮離れがいいのが特徴だ。粘りがなくほくほくした食感が楽しめる。指の汚れだってあまり気にしないで食べられる。
ゆでる時間は10分とかからない。ゆであがったところ
繰り返すが好物だ。すすめたい。だが収穫量が少ないからスーパーに並ぶこともないだろう。あったとしたら知る人はすぐに手をのばして買うだろうし、知らない人はこんな粗末なものと見向きもしないだろう。
熱燗をやりながら、一つひとつ手に取って食べていく。塩、醤油、ユズ味噌をつけて食べる人が多いだろうが、わたくしはそのまま食べる。それでいける。つるりと皮がむけたりむけなかったりそれをも楽しむ。