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10月20日、もう一カ月以上も前になりますが、越前海岸の方へ旅行をし、敦賀湾に面した「気比の松原」という名所に寄った。美しい砂浜で、松原は日本三大松原の一つという見事な松林だった。そこに気比神宮があり入った所に芭蕉の句碑があり、月の句が五句書かれていた。家に帰り調べてみたら、「奥の細道」に出ていて、どの場所で詠んだのかが解った。
月凉し遊行のもてる砂の上 福井 敦賀
国々の八景更に気比の月 気比の海
月いづく鐘は沈める海の底 金が崎 雨
ふるき名の角鹿や恋し秋の月 みなと
名月や北国日和定めなき うみ
以上五句が書かれていた。私は一句目の解釈が難しいと思う。
秋深し雀はづめる気比の宮
晩秋の気比の松原潮曇り
蕉翁の句碑なぞり読む草紅葉
波音や松越しくれば秋の風
気比の浜石拾いつつ秋惜しむ
松籟に晩秋の音ありにけり
越前の旨き新蕎麦尋ねけり
もう冬に入ったというのに秋の句で申し分けありません。
晩秋の気比の松原潮曇り
風がなく波も静かな若狭湾が浮かんできます。立派な松原の海岸は詩情をそそるものがあります。御句の潮曇りが落ち着きをよくあらわしいるように思います。
蕉翁の句碑なぞり読む草紅葉
句碑も風雪に曝され永い年月で判読が難しくなります。作者のその句碑をなぞりながら詠まれる気持ちがよく伝わってきます。
気比の浜石拾いつつ秋惜しむ
砂浜のきれいな静かな渚で小石を拾いつつ、過ぎゆく秋の風情を楽しむ作者の気持ちがよく伝わってきます。
先ず、「潮曇り」との措辞に脱帽!!です。晩秋から冬にかけての日本海側の気候は雨が多く、何時も雨雲が居座っております。晩秋の侘しい旅情が溢れ、素敵な好きな一句です。
☆蕉翁の句碑なぞり読む草紅葉
俳句の聖人と言われる松尾芭蕉は1660年ごろの人ですから、今から三百数十年まえの人。その後、何年に句碑が建てられたものかは存知ませんが、かなりの年月を辿って居る事は確かですね?去年、吉野山にて句碑をなぞり読みした事を想い出しました。「なぞり読む」との措辞と、季語の「草紅葉」がお互いに呼応していて、古びた句碑をなぞり読む心情にとても共感致します。
☆気比の浜石拾いつつ秋惜しむ
一瞬にして、「東海の小島の磯の白波に吾泣きぬれて蟹とたはむる」の歌を想い出しました。「石拾いつつ秋惜しむ」との措辞が、晩秋となって人の一人も居ない、寂寥感が滲みでていて、如何にも「秋惜しむ」の季語が活きていますね!。
☆松籟に晩秋の音ありにけり
松の枝に風が当たって音が出ることが松籟。更にその上、その音が晩秋の音とは・・。何と感嘆するばかりの表現でしょう!!。作者の主観
を押さえ込み、単調なようながらも深くて叙情と格調の高さを感じる、素晴らしい好きな一句です。
さゆり様
晩秋から冬にかけての日本海側の気候は、言葉を失うほど物寂しく暗いものです。小生も生まれてから18歳まで、日本海側で育ったものとして、明るい太平洋側の気候に憧れました。その感覚は、水上勉作による映画化された「越後つついし親知らず」の作品に凝縮されていると思います。逆説的な表現ながら、不幸のどん底を知っている者が真の幸福を知る・・。酷寒の寒さを知るものほど、春の訪れの歓びを知る・・事に通じるところがあるものと思います。
今回の、越前海岸の旅行では俳聖松尾芭蕉の
「侘び寂び」が強く投影されたのではと思うほど、どの御句からも格調の高さが感じられて素晴らしいですね!。
「晩秋」「草紅葉」「秋惜しむ」の三句をお選び下さって、嬉しいコメントを頂き有難うございます。龍峰様は既に行かれたとのこと、吟行句の苦手な私にとって、大変むつかしかったです。あの辺りは良く潮曇りするということを聞いていましたので、それを使いました。
昔建てた句碑はなかなか字が読めません。なぞって読むしかありませんでした。
砂浜はさすが美しい浜でした。小石を拾い過ぎ行く秋を惜しんだというところです。日本海側にも素晴らしいところがありますね。どうもありがとうございました。
「晩秋」「草紅葉」「秋惜しむ」「晩秋の音」と四句もお選び下さって、身に余るコメントを頂き、何だか気恥かしい気持ちでおります。
「潮曇り」は、あの辺りはよく潮曇りのするところと、先人の俳人が書いていたのをそのままつかいました。
芭蕉の句碑はその昔建てた物は字が読めませんね。なぞるしかありませんでした。
松籟を晩秋の音と感じたまでですが、観賞する人が詩情あふれるばかりに答えてくださるので句が何だか息を吹き返してきたように思いました。好評の至りです。どうもありがとうございました。日本海側にも素晴らしいところがいっぱい!!次回は能登の旅を九分九里か、さゆりかが、入れます。又いろいろ教えてください。どうもお忙しい中、有難うございました。
気比の浜石拾いつつ秋惜しむ
爽やかな秋のひとひを芭蕉の歩いたであろうちう地を辿った喜び、美しい砂浜、その風情のある光景を楽しむお姿が見えるようです。
豊かな気持ちになりました。。
どの御句も素晴らしいのですがこの2句を
好きな句にえらばてていただきました。
風化した石に草書体で彫り込まれた俳句を判読
するのは一苦労ですが、かえって詠み手の心情が伝わってくるように感じられるものです。「なぞり読む」がよく効いているように思います。
気比の浜石拾いつつ秋惜しむ
気比の浜にはきっときれいな石があるのでしょう。気に入った石を拾い集めるのは楽しいものです。地名を詠み込んでおられるので、いい旅行記になりますね。
「晩秋」の句と「秋惜しむ」の句をお選び下さって、嬉しいコメントを頂き有難うございました。越前海岸は素晴らしい景色のよいところでした。気比の海岸辺りは、いつも潮曇りといわれているそうで、なんとなく、からりと晴れている様子ではなかったですね。
気比の砂浜も素敵で、つい小さな石を拾い集めてみました。
お忙しい中コメントを頂きありがとうございました。
「草紅葉」の句と「秋惜しむ」の句をお選び下さって、又、嬉しいコメントも頂き有難うございました。
何百年も前の句碑の文字は、判読は難しくなぞり読むしかありませんでした。
気比の浜は大変美しく、ついつい小さな石を拾い集めて、持ち帰りました。日本海側にも素晴らしいところがありますね。
お忙しい中、コメントを頂き有難うございました。