”賜りし小春日和”とでもいいたくなるような好天に恵まれての吟行でした。万葉植物園の散策~春日荷茶屋での万葉粥の昼食。そのあと春日大社へ参拝、そしてささやきの小径をへて高畑へ。志賀直哉旧居での句会と、充実した春の日でした。
残念ながら主宰を欠きましたが、和気あいあいの吟行でありました。そのおりの句など、ならびに追悼句を一句ご高覧に供します。
いにしへのやまとくにばら鐘霞む
暮れかぬる飛火野ふたりの影長し
ならの春阿修羅のほほえみ忘れめや
春光はあまねく直哉の旧居にも
生きてあること嬉しくて春惜しむ
奈良なれや朧月夜の宵歩き
ささやきの小径歩めば春心
(長山泰孝先生を偲んで)
なにゆえの涙か知らず奈良の春
残念ながら主宰を欠きましたが、和気あいあいの吟行でありました。そのおりの句など、ならびに追悼句を一句ご高覧に供します。
いにしへのやまとくにばら鐘霞む
暮れかぬる飛火野ふたりの影長し
ならの春阿修羅のほほえみ忘れめや
春光はあまねく直哉の旧居にも
生きてあること嬉しくて春惜しむ
奈良なれや朧月夜の宵歩き
ささやきの小径歩めば春心
(長山泰孝先生を偲んで)
なにゆえの涙か知らず奈良の春
今晩は!!。
先日の句会ではお世話になり、大変有難うございました。
当日も申しましたが、本当に拾ったような穏やか
で暖かい一日でしたね!!。皆様の日頃の俳句に
対する気持ちが天意を得たようです。
奈良はやはり万葉の下地がある為でしょうか?
京都よりゆったりとした広さと、悠久の歴史を覚えて
又、魅力を新たにしました。
そのような中で以下の御句を頂きました。
☆暮れかぬる飛火野ふたりの影長し
当日は直接には行かなかったものの、帰宅途中の
近鉄奈良駅へ向かいながら、飛火野を見る事が出来
ました。
広い芝生の絨毯に誰も居なく、ゆったりと広がる光景
は何時でも誰が入っても良いとの事であり、一度
仰向け寝っ転がってみたいものです。
「暮れかぬる飛火野」との措辞に、大変納得致します。
☆ささやきの小径歩めば春心
ささやきの小径は別名「禰宜道」とも言われ、春日大社
の禰宜が日々通っていた道ですとか?鬱蒼と茂る社
の森の小径を禰宜は誰とささやき合っていたので
しょう?
☆春光はあまねく直哉の旧居にも
閑静な高級住宅街の中でもあり、瀟洒な旧居は明治
の白樺派代表的文豪に相応しい居宅でしたね?
昔の住まいは暗い事が多いいものの、直哉の旧居は
意外に明るく驚きました。
閑静な居宅で、光りを浴びながら時には居間から
外を眺め、創作の構想を練っていた様子が御句に
感じられて良い雰囲気ですね!!
☆生きてあること嬉しくて春惜しむ
寒くて長い冬の時季には、早く暖かい春になればと
思うものの、春が来てみれば楽しむ時期はあっと言う
間に通り過ぎてしまいます。
春を喜び楽しむ事は老若男女を問わず、自身の
この世に生きて居る事を、自覚する為のようでも
ありますね!!
さて御句のうちの一句
☆いにしへのやまとくにばら鐘霞む
の句ですが、漢字表記では国原であり、やはりここは
やまとことばの「くんばら」と表記して頂きたいものと
思いました。「国中」を「くんばら」とも言うようにです。
俳句そのものは、悠久の歴史的遺産が霞みの中に
浮かび、とても良いものと思います。
最後に、美しいお写真に小生の拙句を添えさせて
頂きます。
<春日大社万葉植物園>
☆姫といふ紅のつぼみや花りんご
本当に先日は吟行日和でした。そして奈良はいつもほっとする日本人の遠い祖先の地に舞い戻ったような安らぎを感じます。作者の作句にも奈良への思いが強く感じられます。次の2句を頂きました。
いにしへのやまとくにばら鐘霞む
奈良の地に立てば、「春霞の漂う中に古の大和の国の大寺院の鐘が時を告げ永遠の時が流れる。そして今も変わらぬ奈良。」全く同感です。
春光はあまねく直哉の旧居にも
当日は、雨の日の続くこの春の日に、暖かき春の陽気さを満喫する日を迎えた。そぞろに歩いた春日野地の後、直哉旧居に辿りついた。そしてここにも春の光が降りそそいでいる。何と長閑なよき日かなと作者の喜びが伝わってきます。
投稿がダブってしまいました。一部削除願います。
尚、小生の記述の中に一部誤りがありました。
「国中」は「くんばら」ではなく「くんなか」と呼ぶように
が正しいようです。
当日は吟行におあつらえ向きの好天に恵まれ、充実した一日でした。句会の後、志賀直哉旧居からならまちまで歩いてみて、奈良の閑静な良さを再認識しました。
いにしへのやまとくにばら鐘霞む
句会でも頂きましたが、古典的な名句と思います。声に出して読んだ時の響きがとても良いです。
暮れかぬる飛火野ふたりの影長し
ロマンチックな奈良の夕景ですね。中八ですが「の」を取って中七とするのはどうでしょうか。
天気の良い春爛漫の奈良でした。当日を改めて思い出し、春のロマンを感じる句をとらせていただきます。
暮れかぬる飛火野ふたりの影長し
ならの春阿修羅のほほえみ忘れめや
奈良なれや朧月夜の宵歩き
ささやきの小径歩めば春心
そして次の句に哀悼の同感をおぼえて、
(長山泰孝先生を偲んで)
なにゆえの涙か知らず奈良の春
拙文・拙句にお目通しいただきありがとうございました。本当に楽しい吟行・句会でした。あちらこちらで、みなさんが足をとめていにしえのみやこの情景に目をとめておられたのが印象的でした。次の機会にはフルメンバーでやりましょう。お採りいただいた二句は本人も気に入っております。素敵なコメントありがとうございまし
二句をお採りいただき、また過分なお言葉ありがとうございました。”飛火野”の句にアドバイスをいただきましたが、たしかに五七五の定形にすると、つながりがいいですね。ただ、それを舌頭で何度も転回させてみると、途中で流れが切れてしまい、かえってリズム感が崩れるようにも感じます。今少し勘考いたします。ありがとうございました。
ほとんどの句を取っていただきありがとうございました。恐縮しつつ感謝です。これらの句の数々は他日主宰のところに伺い、ご霊前に捧げたいと思っております。奈良がお好きであった泰孝先生を偲んで。
4句、加えて”やまとくにばら”の句も取り上げて「いただき、ありがとうございました。また丁寧なコメントに感謝もうしあげます。まことに楽しさ溢れる吟行そして句会でありました。奈良はいつ行ってもいいですね。またいたしましょう。アドバイスいただきました”やまとくにばら”の件ですが、会津八一など先人の歌を探られることをおすすめいたします。コメントに感謝です。