先日(11月七、八、九日)と愛知県の知多半島の先から船で渡り、日間賀島(ひまかじま)と云う島へ、学生時代の友人八人で、行って来た。河豚と蛸の美味しい島でした。行った日はお天気は良く、夕日が美しかった。次の日は海は少し風が出て、荒れていた。
夕日いまなだれ落ちゆく冬の海
河豚鍋や旅の仲間の燗熱く
鰭酒や荒らぶる海の風音に
浜風にずらりと干され冬の蛸
灯台へ荒ぶ白波冬かもめ
暮早し漁船水脈引き帰港する
11月芒の会投句
荒波に軋む桟橋冬の旅
朴落葉裏の白きの目立ちをり
巫女二人優雅に舞うて神の留守
帰り花競ふことなく散りにけり
夫おろす大根の辛き夕餉かな
美しきプリマ輝く冬の星
夕日いまなだれ落ちゆく冬の海
河豚鍋や旅の仲間の燗熱く
鰭酒や荒らぶる海の風音に
浜風にずらりと干され冬の蛸
灯台へ荒ぶ白波冬かもめ
暮早し漁船水脈引き帰港する
11月芒の会投句
荒波に軋む桟橋冬の旅
朴落葉裏の白きの目立ちをり
巫女二人優雅に舞うて神の留守
帰り花競ふことなく散りにけり
夫おろす大根の辛き夕餉かな
美しきプリマ輝く冬の星
お写真も素晴らしい旅情があり、素敵ですね!。夕日は一年中いつ見ても良いものですが、特に晩秋から初冬の夕日は、見る人を詩人にさせてくれます。愛しい人に先立たれた人、別れた後、楽しかった一日を振り返るが如く、そして旅先では非日常の旅情を・・といくらでもストーリーと詩が出来そうです!そして真っ赤な夕日は明日の晴れの約束でもあり、希望でもありますね!。御句の冬の海にあっても、短い夕日を「夕日いまなだれ落ちゆく」との措辞が、つるべ落としと短日を巧みに勢いをもって表現され秀吟ですね!。
☆鰭酒や荒らぶる海の風音に
学生時代のご友人達と、夜の宴会の光景でしょうか?外は冷たくて寒い海風が吹くものの、皆さんでわいわい鰭酒を飲みながらの歓談は、夜の更ける事も忘れてしまいそうですね!。旅先の開放感溢れる素敵な句です。
☆荒波に軋む桟橋冬の旅
句会でも頂きましたが、荒波に軋む桟橋とはそんなに大きな船の接岸する岸壁ではなく、渡船フェリーの桟橋ではと想いました。季語が「冬の海」などではなく、「冬の旅」とあり、少人数の鄙びた冬の旅の旅情が窺えて、味わいがあって素敵な一句ですね!。
☆巫女二人優雅に舞うて神の留守
神様が出雲へ一同に集まって、全国の未婚男女の縁結びの相談をする時が「神の留守」と言われているものの、七・五・三などもこの時季にあり、祈願事のお払いもあって神様も内閣のように役割分担でしょうか?さしずめ出雲に参集されるのは「少子化担当大臣」の神様?のようですね。この「神の留守」なる季語は色々展開がありそうでありながら、意外に難しい季語ですね!。巫女が舞うのはそこに神様がおらると言う事でもあり、御句のように難しく考えず素直に詠うことが大切かと思いました。
☆帰り花競ふことなく散りにけり
兼題でもあり小生も「帰り花」を探しました。散歩の途中で桜の一枝にちらほら咲いている花を見て、これが帰り花かと思いましたが、桜の場合は十月桜、冬桜の種類もあり現物が少なく困りました。小生は身近に咲いていました、「こうめの花」「庭梅」の帰り花で作句しましたが、何れににしましても季節外れの徒花には変わりなく、「競ふことなく」との語句には全く共感致します。
拙句から「冬の海」「鰭酒」「冬の旅」「神の留守」「帰り花」と五句をお選びいただき、それぞれに嬉しいコメントをお書き下さってありがとうございました。
「冬の海」は写真の通りで本当に沈みゆく太陽は美しいですね。
「鰭酒」の句は、私はお酒はビールをコップ一杯ぐらいで終わりですが、男性陣は、鰭酒を注文し、マッチの火をポットつけたりして香ばしい匂いをさせて、ワイワイ、ガヤガヤとやっているのを見てつくりました。
「冬の旅」はこの時の旅で、小さな港だったので、桟橋がきしきし音を出しているのを句にしました。
「神の留守」の句ですが、たろう様が書かれているように子供にとって大切な七五三という大切な行事があるのに神様が留守をするというのも少し矛盾があるように思います。その後のことですが、たろう様は神様(代理かも)がいるから、巫女が舞うと言われていますが、私は神様が留守なので、巫女が優雅に、伸び伸び舞っているのだと思って句にしましたが、一人よがりで、撰者並びに皆さまに理解して頂けない句はやはり、いけませんね。いろんな取り方があるかもしれませんが、ぱっと句を読んだ時、景なり、理屈なりがすっと入ってこないとだめなのですね。
「帰り花」の句も、子春日が続いていたので、一輪、二輪咲いた花を見て、又他に競う程の花も咲いていないので、「競うことなく散りにけり」としました。御共感のコメントは、とても嬉しいですが、やはりこの句も考え直すべきかなと反省しています。俳句は難しい、、。
冬の海に沈みゆく夕日の様が鮮やかに見えてきます。写真の通りなんでしょうか。少し鈍い太陽の光が印象的な佳句です。
鰭酒や荒らぶる海の風音に
鰭酒と荒ぶる海の風音の組み合わせがうまく響きあい、絶妙の雰囲気が感じられます。鰭酒からは外の寒さ、荒ぶる海はましく冬の海そして強風が吹いている様は日本の冬です。
帰り花競ふことなくに散りにけり
帰り花はやはり淋しいという印象が強い。まばらに咲いた花はいつの間にか散っている。それを競うことなくと詠まれた表現は上手いの一言です。最後のけり止めもよく効いていると思います。
「いまなだれ落ちゆく」、素晴らしい表現ですね。
冬の海に沈みゆく夕陽の情景が見えるようです。お写真、冬の海も良いものですね
学生時代の友人たちとの旅は楽しかったことでしょう
私も旅に出たいと思いつつ、友人たちとの日程の折り合いがつかず、延び延びになっています。
大洋に浮かぶ島から眺める大きな夕日が見えるようです。初冬の夕日には、少し寂しげな光を感じます。「なだれ落ちゆく」夕日の美しさはかなさを思いました。
鰭酒や荒らぶる海の風音に
熱々の鰭酒に温まってゆくひと時を、荒れる波音、風の音が、より深くしてくれるように思いました。冬の旅ならではの醍醐味ですね。
学生時代の友達と屈託のない旅、その楽しさがつたわってきました。古くからの友は有難いですね。
「冬の海」「鰭酒」「帰り花」の句をお選びくださって、嬉しいコメントを頂き有難うございました。
「冬の海」は写真の通り、沈まんとする夕陽を句にいたしました。今にも沈みゆく夕日はきれいですね。
「鰭酒」の句は、河豚鍋を皆で囲んで食べているとき、男性方は鰭酒を楽しそうに飲み、ワイワイ、ガヤガヤの宴会でした。私はお酒はビールをコップに八分目ぐらいです。
「帰り花」の句は詠むのは、大変難しいと思いました。小春日に二つ程花を付けているのを見まして、春の季節に花が咲き競うような感じはなく寂しそうな印象だったのを句にしてみましたが、主宰は、いまいちの評価で、私ももう一度考え直してみるべきかな、とおもっています。ご共感は大変うれしくおもいます。有難うございました。
「冬の海」の句を選んでいただき、嬉しいコメントもお書き入れ下さって、有難うございました。小さな島に行ったものですから、眺めるものは海だけで、夕日が沈むほんの少しの間の美しさを句にいたしました。
「冬の海」「鰭酒」の句をお選びいただき、又、嬉しいコメントもお書き下さって、とても嬉しく、ありがとうございました。
「冬の海」は小さな島に行きまして、窓からは、砂浜と海しか見えず、夕日が沈んでゆくのが、とても美しいので句にいたしました。
「鰭酒」は、河豚の鰭をこんがり焼いたものを暑いお酒にいれ、マッチでぽっとそれに火をつけたりして、男性たちは、たのしそうに飲んでおりました。外からは、時々波音が聞こえてくる、、。そんな雰囲気を句にしました。
「なだれ落ちゆく」という表現がすばらしいと思います。夕日が沈むときの速さは相当なもので、この表現が誇張でなく感じられると思います。落ち行く先が冬の海というのも凄みを感じさせます。
帰り花競ふことなく散りにけり
花の数が少ないので競おうにも競えず、やがて散ってしまうという淋しげな句でが、情緒があってよい句と思います。。
「冬の海」と「帰り花」の句をお選びくださって、温かいコメントを頂きお礼申し上げます。島の旅館から、今沈もうとしている夕日を句にいたしました。
「帰り花」はお書き下さった通りで、共感のコメント嬉しく思います。主宰からは、「競う」ということにあまり良い評価を頂いておりません。もう少し、考え直す余地ありです。「帰り花」の季題を詠むのは、難しいと思いました。