今年の桜は天候の寒暖の激しさで揺れ動いた。開花は遅いと思えば、あっと言う間に咲き、散るかと思えば長く持ちこたえた。すべからく予測に反して流れるは桜もか。それでも桜を追うて、京都御所、夙川、そして吉野へ出かけた。御所の桜はゆったりと大らかに咲き、中でも近衞邸跡の枝垂れ桜は素晴らしかった。また、夙川の両岸の桜は花吹雪の跡の花いかだも楽しめた。吉野はここのところ毎年出かけているが、風情は異なる。去年と同じ頃に出かけたが下千本、中千本は散り急いでいた。写真は吉野、蔵王堂も花に包まれていた。
日を受けて花びら舞ふや御所の昼
風に舞ふ枝垂桜や雅楽の音
夙川の堰音に舞ふ花吹雪
夙川の乱流に乗る花いかだ
谷わたる吉野の風や山桜
分け入りて吉野の峡の桜かな
一陣の風のさそふや花吹雪
大庇隠すばかりに花吹雪
賑わひの過ぎて吉野の花惜しむ
西行の面影追ふや奥の花
日を受けて花びら舞ふや御所の昼
風に舞ふ枝垂桜や雅楽の音
夙川の堰音に舞ふ花吹雪
夙川の乱流に乗る花いかだ
谷わたる吉野の風や山桜
分け入りて吉野の峡の桜かな
一陣の風のさそふや花吹雪
大庇隠すばかりに花吹雪
賑わひの過ぎて吉野の花惜しむ
西行の面影追ふや奥の花
お早うございます!!。
身ほとりはすっかり晩春の光景となりましたね!!。
季節の動く時の、惜春の哀切が漂う日々となりました。
待ち焦がれた桜の開花も、今年の天候不順により花見頃が分からないままに、葉桜となって終わってしまいました。
☆風に舞ふ枝垂桜雅楽の音
御所、近衛邸跡の枝垂れ桜と拝察致しますが、その枝垂れ桜の花に雅楽の音色が聞こえたようですね?大変雅なる光景が想われ素敵です!!。
ところで、枝垂桜と雅楽の音の措辞の間に切れ字の「や」、又は連用形の「の」あるいは「に」の文字が入るのではと想うのですが・・・?。
☆谷わたる吉野の風や山桜
☆大庇隠すばかりに花吹雪
嘗て晩秋に訪れました吉野の山峡、吉野蔵王堂が一瞬に想われました。あれだけ高くて大きな蔵王堂の大庇も花吹雪に隠れてしまうほどとは、想像もつかないほどの光景ですね!!。
☆賑わひの過ぎて吉野の花惜しむ
下、中、上の桜も花時を過ぎ、惜春の候となってしまった・・・。吉野山の桜も終わりとなれば、春もすっかり終わってしまったと惜春の情を実感している作者が想われます。花に始まり花に終わる春、何と短い事かとの心情に大変共感致します。
相聞句を!!
☆深吉野のほてり冷ますや春の雨
☆葉桜の峡の吉野や雨あがる
☆新緑の木洩れ日辿る吉野かな(夏)
分け入りて吉野の峡の桜かな
賑わひの過ぎて吉野の花惜しむ
4句もお取り頂き有難うございます。そして丁寧なコメントにただただ感謝です。桜はいくら深く詠んでも詠みきれるものではないでしょう。それでも寓直に詠んだ次第です。兎も角吉野はよいですね。
貴兄の相聞歌は素晴らしいです。多才なる貴兄にはいつも感心しております。
早々に2句お取り頂き有難うございます。毎年見て詠んでいる桜ですが、過去のことはさっぱり忘れ、詠もうとするのは年の功(^_^)の利点ですかね。その分もっと落ち着いて、じっくり観察して詠まねばと思いますが、中々急には難しい。それでも努力はしたいですね。
桜を求めて東奔西走される龍鳳様の情熱とエネルギーにまず敬服します。
小枝も見えないほどに密集して咲く桜には圧倒されますが、一陣の風に乗って散る花吹雪には形容しがたい魅力があります。桜ほど劇的に散る花は他に見たことがありません。ということで特に花吹雪の句を頂きました。
夙川の堰音に舞ふ花吹雪
一陣の風のさそふや花吹雪
大庇隠すばかりに花吹雪
大庇の御句は花吹雪の濃密度が表現されており素晴らしいと思いました。
花吹雪の句を3句お取り頂き有難うございます。
桜は確かに色々な段階で見せ場を作ってくれますので鑑賞するのにはいいですね。しかも、暦の上では4月の年度の変わり目即ち人生の節目と重なり、日本人にはかけがえのない花ですね。また、散り際は一斉にぱっと散るので日本人の美学にもフイットして一層気持ちの中に入ってきます。来年もまた追い掛けるのでしょうか。
すっかり吉野の桜が好きになられたようですね。やはり、桜は「ヤマザクラ」ですな!いつか紅葉の季節にも訪れて見たいと願っています。句は、あえて厳選して下記4句をちょうだいいたします。桜の美しさを満喫された雰囲気が伝わってきました。
風に舞ふ枝垂れ桜や雅楽の音
谷わたる吉野の風や山桜
大庇隠すばかりに花吹雪
西行の面影追ふや奥の花
花疲れでコメントが遅れましたことお許しください。
厳選の上4句もお取り頂き有難うございます。
仰せの通り吉野はいいですね。程良い坂道を汗かきながら、向かいの山を、また目の前の山桜を愛でることはいいですね。山桜も最初は少し違和感を覚えましたが、馴れて来ると控えめな大人の雰囲気を感じます。今西行を読んでいることもあって、余計吉野の桜に思いが行きます。