礼服に眉と髭濃き雛かな
稚児二人阿吽と云へる雛飾
老桜の力込めたる蕾かな
自然光溢るる館春分の日
ふんだんに大谷石積む春館
大谷石にめり込んでをり春暖炉
過日、蘆屋川周辺で吟行句会があり、ヨドコウ迎賓館を訪れた。
この建物は帝国ホテルの設計者として有名なフランク・ロイド・ライトが1918年に設計したもので重要文化財となっている。灘の酒造家山邑太左衛門が別邸として設計を依頼したものである。
丁度この時期にはこの建物の和室に雛人形が展示されていた。山邑太左衛門が長女の誕生を祝って京都の老舗人形店に作らせたもので、100年を経てほとんど痛みのない豪華なものである。
建物と云い雛人形と云い当時の酒造家の財力には驚かされる。
写真は迎賓館4階のバルコニーである。ここからは神戸・芦屋市街と大阪湾を一望のもとに見渡すことができる。