NTTが、首都直下地震などの大規模災害で東京に大きな被害が出た際に事業を継続できるよう、東京の本社機能を群馬県高崎市と京都市に分散させる方針を固めたことが7月25日、分かった。
経営企画や総務などの部門の社員が平時から業務の拠点として活用し、災害時には復旧の司令塔を担う。
10月にも試行を始め、グループ会社にも本社機能の地方分散を促す。
地震や津波、洪水のリスクが相対的に小さいと判断し、この2都市を選んだ。
国内従業員数が約18万人に上る日本最大級の企業グループの試みは、他社にも影響を与えそうだ。
分散するのは、東京都千代田区の持ち株会社NTTで災害対策や社員の安否確認を担う部署で、約200人が対象となる。
東京の本社が被害を受けても、高崎市か京都市に通信インフラを支える司令塔機能を置き、早期に被害の程度を確認したり、復旧計画を策定したりできるようにする。
NTTは、首都直下地震忙備え、大規模な地震や洪水、津波のリスクが比較的小さい都市に機能を分散することを検討してきた。
新幹線が通るなど交通の便が良く、宿泊場所も豊富にある高崎市と京都市を選んだ。
高崎市にあるNTT東日本の施設と京都市にあるNTTコムウェアのビルに、会議室や社員が作業できる拠点を常設する。
リモート会議などを円滑に実施するための通信環境なども構築するとみられる。
1年程度の試行期間を経て、本格実施に向けた課題や対策を検討する。
NTTは働き方改革の一環で、自宅やサテライトオフィスでの勤務を基本とし、国内ならどこにでも居住できる新制度を7月に導入した。
だが、災害発生時には社員同士が緊密にコミュニケーションを取る必要があるため、東京以外にも拠点を常設する。
出社する際は両市の拠点を使う機会が増えるため、将来的に首都圏から移住する従業員も出そうだ。
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