新型コロナウイルス感染拡大で安倍晋三首相の来月2日から全国の小中高校の臨時休校の要請に伴い県が臨時休校とすることを決めたのを受け、県立高校の卒業式を前倒しした。管内の日高全日制、紀央館でも急きょ、28日に卒業式を挙行。在校生や保護者、来賓は不在、卒業生と教職員の関係者だけが出席して卒業証書を授与し、はなむけの言葉を送った(11面に関連)。
日高高校 出席者は卒業生と教員のみで全員がマスク着用、在校生も保護者も来賓も入れない異例の態勢で行った。
卒業したのは、全日制本校普通科の159人と、同総合科学科の75人。池田尚弘校長は、各クラス代表に卒業証書を授与した。
池田校長は「皆さんの晴れの姿を在校生や保護者の方にお見せできず残念です」と述べ、式辞。SGHなどの学校の取り組みや「ワン・チーム」の言葉に象徴されるラグビーW杯での日本代表の活躍に触れ「日高で学んだ資質能力は創造力、調和力、責任を取る力につながる。日高で培ったコミュニケーション力で調和をはかり、一人ひとりが責任を果たすことでワンチームとなって、新しい未来を創造してくれることを願います。今こそ『翔べ 日高から世界へ』」とエールを送った。
在校生を代表して古部了大君(2年)は「先輩たちは私達在校生の理想で目標だった。先輩方が日高を卒業してよかったと思える学校を守ることを使命にします」と送辞。卒業生代表の北野涼さんは「こんな困難な状況の中、このような場を設けて頂いてありがとうございます」と感謝。生徒会長をした経験や仲間との思い出に触れ「これからは別々の道。でも離れても助け合い高め合う仲間でいよう」と呼びかけた。在校生には、来てよかったと思える日高高校を維持し、誇りを持つようメッセージ。席にはいない保護者にも「感謝してもしきれません」と感謝を述べた。
異例の式に、卒業生や保護者からは「卒業式は楽しみにしていたのに」と残念がる声が相次いだ。
中津分校は、2日午後に日高川交流センターで行う予定だった卒業式を中止。定時制は予定を変更し、28日午後6時から、翔栄館で挙行。
紀央館高校 28日は2日の卒業式に向けた予行演習だったが、急きょ卒業式に変更。
午前10時前から体育館で挙行し、卒業生154人(普通科115人・工業技術科39人)と教職員が出席。大西弘之校長が各クラス代表者に証書を授与した後、卒業式前倒しの経緯を説明し「誠に残念でなりません。何らかの形で卒業証書を授与したいという私達学校の思いから体育館に集って頂いた。学校としても誠に遺憾でなりません。残念でならないが、感染にかかる安心・安全のため御理解をお願いしたい」と述べた。
式辞では古代ギリシアの哲学者・プラトンの言葉を引用し「皆さんが一度きりの人生を、どのように創り上げ、歩んでいくかは誰にもわかりません。皆さんが未来のなりたい自分になるために、かけがえのない人生の主人公となって、さらなる第一歩を力強く踏み出してください」と述べ、新たな道を進む卒業生に「日高地方や和歌山のこと、紀央館で過ごした日々を忘れずに、地域を愛し、母校を愛する気持ちを持ち続け、社会貢献を果たしてほしいと思います」と送り出した。
卒業生を代表し、三橋一翔君(工業技術科)が学校に記念品の目録を贈呈した後、岡田心那さん(同科)が答辞で高校生活を振り返り、支えてくれた教諭や両親への感謝の気持ちと、「この先、幾度も高い壁に突き当たったり、迷ったりすることがあるかもしれませんが、紀央館高校で三年間学んだ様々な経験が私たちの背中を押してくれることでしょう。これからも私たちは期待と希望を胸に、日々成長していきたいと思います」と決意を述べた。
卒業式が急きょ前倒しになったのを受け学校は保護者にメール連絡するなど対応した。
南部高校 27日、194人(普通科102人、食と農園科92人)が卒業した。安倍首相の要請による2日からの臨時休校に伴い、同日に予定していた卒業式は中止。この日、教室で卒業生一人ひとりに担任教諭から卒業証書が手渡された。
和歌山南陵高校 予定どおり2日午前10時から体育館で挙行するが、来賓の出席はなく、在校生は、卒業生の入退場時に出入り口で卒業生を見送る。
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