「安全の日」を制定した紀州鉄道
昨年1月22日に脱線事故があった紀州鉄道(株)=本店・東京=は毎年1月22日を「安全の日」に制定した。けが人などなかったものの以後31日間の運休となった事故を風化させることなくより一層の安全運行と事故の再発防止に努めるために定めた。毎年、安全の日には中川源行代表ほか、御坊事業所の職員らが御坊市の小竹八幡神社で安全祈願を行い、救急救命・応急処置講習や線路沿線の美化活動などにも取り組むことにしている。
昨年1月22日の脱線事故は、午前11時頃御坊市湯川町小松原地内の御坊-学門駅間で発生した。現場はビジネスホテル紀の国付近の湯川第2踏切から学門駅方面に約30メートル。1両編成の車両が御坊駅を出発し学門駅に向かって時速約15キロで走っていたところカーブを過ぎたあたりで後方の車輪が左右両側とも線路から脱輪した。乗客5人と運転士にけがはなかった。調査の結果、枕木の老朽化で事故現場付近の線路の幅が若干広がっていたことが判明。約200本の枕木を交換し線路の幅を基準値内に修復、カーブの線路内側に設置している脱線防止ガードも新調した。復旧作業などで運行再開は31日後の2月23日だった。
紀州鉄道では、3年おきの外部委託による定期点検や3カ月ごとの自社点検、3日ごとの簡易点検をはじめ、レールなどの施設点検は毎年実施するなど安全に努めていた。前身の御坊臨港鉄道から紀州鉄道となった昭和48年から40年以上にわたり事故はなかったが、昨年脱線事故が発生。同社では、鉄道を利用している多くの地域住民に迷惑と不安を与えたこの事故を今後の教訓として事故があった1月22日を「安全の日」とすることを決めた。今年は御坊駅で午前7時10分、8時3分、同33分の発車に合わせて中川代表と齋藤智次長、御坊事業所職員ら約10人が日頃の感謝を込めて利用客にカイロを配布、11時30分から小竹八幡神社で安全祈願し、より一層の安全運行と無事故を誓う。午後から紀伊御坊駅で利用客の急病やけがなどに迅速に対応できるよう市消防の指導で救急救命講習、応急処置講習を実施。週末まで線路沿線の美化活動にも努め、以降も継続的に行う。来年以降も安全の日には安全祈願をはじめとするさまざまな取り組みで職員の意識向上に努める。
同社では一層の安全運行の確保に向けて、耐久性に優れたコンクリート製の「PC枕木」の設置を進めている。今年度に御坊中学校北の湯川第8踏切から学門駅付近まで約380メートルの区間で導入。木製の枕木に代わり246本を敷設しており、来年度は紀伊御坊駅から市役所前駅までの約570メートルの区間で設置する。将来的には全区間でPC枕木に取り換える計画になっている。
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