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樹木伐採で日高川洪水対策 〈2019年7月7日〉

2019年07月08日 08時30分00秒 | 記事

野口橋下流右岸


 県は、国の防災減災・国土強靱化のための3カ年緊急対策を活用し、御坊市の野口橋から天田橋にかけての日高川で堆積している土砂の上などに樹林化している樹木密集地で樹木伐採事業を実施する。平成23年9月の紀伊半島大水害以降、日高川ふれあい水辺公園や藤井多目的グラウンドの浸水被害が相次いでいることを受け、市と市議会が堆積土砂のしゅんせつなど洪水対策を要望。今回はしゅんせつ事業ではないが、流れを阻害する樹木を根こそぎ除去するため、一定のしゅんせつ効果も期待できるという。
 紀伊半島大水害以降、野口橋から御坊大橋にかけては、堆積土砂が目に見えて増え、中州や河原になっている所も多く、土砂の上に樹木が育つなど川の流れを阻害しており、市と市議会がしゅんせつなど洪水対策を強く要望。しゅんせつは県の単独工事となり、多額の費用が必要なため、これまでは応急対策として野口新橋~御坊大橋間などで川替えを実施してきた。今年1月に中村裕一・前県議らが二階俊博自民党幹事長や国交省に要望し、国の緊急対策予算が付き、伐採の事業化が決まった。
 これを受け、県が今年度当初予算、6月補正予算であわせて事業費2億1000万円を計上。現在は伐採後の処理費用の積算などを行っており、今後、市や土地改良区などと協議し、台風シーズンが終わる秋以降から実施予定。工事個所は堆積土砂の上や護岸、河川敷で樹林化し、川の流れを阻害している樹木密集地。対象は野口橋~野口新橋の右岸、野口新橋下流の右岸、野口新橋~御坊大橋間にある中州、御坊大橋下流左岸、天田橋上流左岸の5カ所を予定している。
 樹木は伐採するのではなく、根こそぎ除去する。根の張っている木は土砂ごと取り除くため、全ての個所で行われれば、しゅんせつ効果も期待できるという。今年度事業費2億1000万円の中には日高川町和佐の堤防工事分も含まれており、樹木伐採分の予算は今後の検討となるが、日高振興局建設部は「半分以上は確保したい」と。国の緊急対策は3カ年あり、この期間中にすべての伐採を終える方針だが、同建設部は「今後の予算の付き方にもよるが、緊急対策なので3年と言わず、できるだけ早期に終えたい」としている。


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