強い風にあおられ燃え上がる火の手
強風注意報発令下の14日夕方、御坊市塩屋町南塩屋の民家で「煙が上がっている」と近くの住民から通報があった。御坊市消防、地元消防団が出動し、火は約1時間後に消し止めたが民家を全焼、焼け跡から男性の遺体が発見された。御坊署は、この家に住む90歳の男性と連絡が取れていないことから、遺体はこの男性の可能性があるとみて身元の特定を急いでいる。
調べによると、同日午後4時47分ごろ、塩屋町南塩屋、光専寺東約100メートル付近、無職の福原益藏さん(90)方で火災があった。近くの住民から通報を受け、御坊市消防から車両5台19人、市消防団塩屋分団3台16人、御坊署8台13人が出動。消防団員らの決死の消火活動で、火は午後5時31分に鎮圧、午後6時6分に鎮火したが、木造平屋の民家約90平方メートルを全焼した。火災のあと、寝室から男性の遺体が仰向けの状態で見つかり、御坊署は、この家に住む福原さんと連絡が取れていないことから福原さんの可能性が高いとみて、司法解剖しDNA鑑定で身元と死因の特定を急いでいる。
福原さんは、無職の妻・定枝さん(87)と二人暮らし。火災当時は、定枝さんは南側に隣接している娘夫婦宅にいたため、無事だった。福原さんは足が不自由だったという。
火災当時、御坊市には風速約4・9メートルで、強風注意報が発令されていた。現場は住宅が密集し、延焼も予想され、近くに住む70代の男性は「こんな風が強い日に火災になり、延焼が怖い」、80代男性も「外に出ると強い風にあおられる黒い煙が見えた。近づくと家が燃えていて驚いた。早く消えてほしい」などと不安の声も聞かれた。
消防、警察は15日朝から現地調査を実施し、火元や詳しい出火原因について調べている。
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