NHKスペシャル「こどもの事故は半減できる」を見た。非常に考えさせられた。番組ではらせん式階段のあるすべり台で、階段から転落して内臓を損傷した女の子や、ドアに指を挟まれてけがをした女の子などが紹介され、親がほんのちょっと目を離した隙に、とか、子ども同士で遊んでいて危険を察知できなかった、といった話が紹介された。玩具では安全対策は昔から施されてきた(例えば、飲み込めないように大きくしたり、角を丸くしてけがしないようにしたり)けれど、一般の施設、とりわけ公園の遊具にほとんどそれがなされていなかった、というのはちょっと問題だと思う。
子どもが遊具でどういう遊び方をするか、事故を検証するプロジェクトの人達によって調査した結果、階段の登り方ひとつとっても、子どもは外側の広い段を上らず、内側の狭い、急な段を上って行くことがわかった(しかも内側には手すりもなかった)。遊具を設計した大人が意図した遊び方を、こどもの方はせず、自分たちで遊びやすいように遊んでいる。見ている方がヒヤヒヤするくらいに。その結果、けがをしてしまったり、時には亡くなる子どもも出てしまう(乳幼児の死亡原因のトップが不慮の事故、だそうだ)。そういった事実を見せられると、大人はこどもを「十分に」見ていなかったのでは、という印象さえ受ける。
今の時代、少子高齢化がすすみ、どちらかといえば老人介護などの問題に目が行きがちになるけど、本当に大事なのはぼくら世代が持つ、小さい子どもにこそ目を向けて、対策を行わなければいけないのではないか?子を持つ親だけでなく、遊具のメーカー、管理する自治体など、周囲の大人が知恵を出し合い、難しいけれど「スリルがあって、かつ安全な遊具」を開発できないものだろうか。間違っても、「危ないから撤去」という大人の事務的判断で子どもを育ててはいけない。
そんな気がした。