生徒会室の隣にあった、ある空き教室にて。
放課後、クーラーもなく、初夏の日差しの中、ぼくは黙々と、近づく体育祭の準備を進めていた。ぼくと友人と、彼の友人(女性)と三人。そしてそこには、友人が録音してきたカセットテープがえんえん同じ曲を演奏していた。ぼくはその曲につい聞きほれて、手が止まってしまうこともあった。その曲のタイトルは「揺れる想い」。
彼女が登場したのは、ちょうどこの頃だったが、分かっていたことがあまりに少なかった。バンドなのか、グループなのかさえ、よく分からない。ただTVアニメの主題歌や、バラエティー番組の挿入曲としてよくかかっていたし、楽曲の中には、後に応援歌に使われた曲もあるので、耳にしない人はいないだろうと思う。ただ、生演奏や歌う姿を見ることは当時から、そして最後までほとんどなかった。
ぼくは当時17歳。音楽に目覚め始め、むさぼるように音楽を聴き始めた頃だ。今も当時の音楽やアーティストは鮮明に覚えている。ZARDも音楽は好きだけど、ファンというほどでもなく、だから知識としては先ほどの程度しかない。が、ぼくの音楽を聴く耳に、なにかしらの影響を与えていたことは間違いないと思っている。
ヴォーカル、坂井泉水さんの早すぎる旅立ちにさいし、心からお悔やみ申し上げます。
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