限度自体を高めに持って行く

2015年09月18日 | 中庸としての節制(節制論5)

5-1-5-3. 限度自体を高めに持って行く
 過食をふせぐには、なんといってもまずは摂取栄養量を少なくすることだが、他方でエネルギー消費量を多くするのも手である。運動である。節制は健康を求めるが、健康に適度の運動は効果的である。運動して脂肪を少なくし筋肉をつけ体力をつけることは、一層健康になることである。体力をつけ基礎代謝量を多くし、運動でエネルギー消費量を多くすることで、より多くの栄養摂取が必要となる。必要な栄養摂取量がふえることになり、摂取してよい限度量は大きくなる。
 摂取しての喉越しの快楽をすぎて、運動・消費までの間に、栄養を吸収する営みがある。この吸収率を小さくすることも、食べる量の限度を大きくすることになる。腸内細菌は、植物繊維を発酵させるなどして消化・吸収に諸種の影響を与えているようである。これの作用は、食などの生活習慣の変更をもって調整できる(野菜類は、善玉細菌を増やす)とかいう。心配事があれば、消化は悪くなる。内臓自身、少々の過食・少食であっても、その生体にとって過不足になりにくいようにと、消化・吸収の度合いを調整しているのではないか(短絡的に、食欲減退・吸収阻害の薬物を頼るひともある)。
 さらに、一日の総量としての限度は変えないままで、一回の食の限度を高くする方法がある。回数を減らすことである。日に三食を二食・一食にすれば、その分、一回で食べてよい限度は大きくなる。総量は変わらない、いわゆる「朝三暮四」であるが、これで結構うまくいくようである。