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航空専門誌の文林堂『航空ファン』&『世界の傑作機』公式ブログ

リノ・エアレースで墜落事故 死傷者多数

2011-09-17 12:55:06 | BLOG×記事
今週末、アメリカのネバダ州リノ、ステッド・エアポートで開催されている
ナショナル・チャンピオンシップ・エアレース&エアショー、通称“リノ・エアレース”で
9月16日、墜落事故が起きてしまいました。

現時点では断片的なニュースしか入ってきていませんが、日本のテレビなどで
ニュースを見ている限りではあまり正確ではないので、ここで現時点で
分かる限りの情報をまとめておきます。

事故が起きたのはアンリミテッドクラスの予選(アンリミテッド3レースのうち、
どのクラスかは現時点では分かっていません)で、墜落したのは
P-51改造の#177“Galloping Ghost”、パイロットはジミー・リーワード(74)です。
日本時間17日1200時の時点ではまだパイロットの生存確認もできていない状態ですが、
少なくとも観客など3名が死亡、50名以上が重傷をおったとのことです
(12名死亡との報道もあり)。現地の日本総領事館によると、この事故に
日本人が巻き込まれているといった情報は、この時点では入っていないそうです。
『航空ファン』の読者の方々、弊社と仕事をしてくれる記者、カメラマンも
多く現地入りしていますが、皆さん無事であることをいまは信じたいところです。

墜落地点ですが、リノのホームストレートをはずれた観客席にやや近い部分。
ただしいわゆるグランドスタンドがあるメインの観客席ではなく、グランドスタンドエリアと
ピット・パドックエリアの間にある、ボックスシートエリア前のエプロンのようです。
ニュース映像で見る限り、#177はなんらかのトラブルが発生したのか
レーストラックパターンを離脱、安全確保のために一度上昇してコースを外れた後、
一転揚力も感じられないような状態となって垂直に近いかたちでエプロンに降下、
そのまま地面にヒットしています。アメリカのニュースでは「エンジンなどの状況は
直前まで問題なさそうだったし、パイロットの身体的な問題が原因とも考えられる」
といった推測を口にする解説者もいます。
ちなみに#177ギャロッピングゴーストは空気抵抗を極力減らして冷却効率を上げるため、
ムスタングの特徴でもある胴体下のインテイクを撤去して、内蔵の水・メタノールタンクに
ラジエーター、オイルクーラーを沈めてそれらを直接冷却させる画期的なシステムを
搭載した機体。記者会見でRARAの代表も発言していましたが、当然機体の改造は
FAAの安全管理に則って行なわれたものではあるものの、アンリミテッドレーサーゆえに
野心的な改造も施してあることは事実です。
とはいえすでに現地ではNTSB(米運輸安全委員会)が状況確認を開始しており、
RARA(リノ・エアレーシング・アソシエーション)はすべての権限、調査を
NTSBに委譲したとのこと。事故原因などは今後細かく究明されていくことと思われます。
また、この事故により今年のリノ・エアレースはすべてのイベントをキャンセルしています。
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『航空ファン』11月号はロシアの新鋭機T-50が表紙

2011-09-16 17:08:12 | BLOG×記事


まだまだ暑い日が続きますが、『航空ファン』は早くも11月号が21日に発売となります
(一部発売の遅れる地域もあります)。

11月号の特集は世界の空母戦力バランス。10年ほど前、マカオの民間会社に
“海上カジノ”の母体として売却されたはずのロシア空母ワリャークが
このところ中国の大連で“空母”として艤装されているのが確認されていましたが、
8月10日、ついにその空母が試験航海を実施しました。
今月はこれに関連してアメリカも危惧する中国の海軍力の充実と、アメリカ以外の
海軍が保有する空母と艦載機の現状を紹介、世界の空母戦力のバランスを見ていきます。
また中国空母に関しては、識者4名にその実力や意義を語ってもらいます。

そして表紙はロシアの新戦闘機(PAK FA)、T-50。モスクワ航空ショーMAKSに登場して
ついに一般の前でその姿を見せつけたこの新戦闘機と、MAKSについては
徳永カメラマンがロシアからリポートしてくれます。


また特別企画としては、太平洋無着陸横断飛行から80周年を迎えたミス・ビードル号を特集。
リンドバーグの大西洋横断に勝るとも劣らない偉業のはずが、なぜか出発国となった日本でもあまりクローズアップされない太平洋無着陸横断飛行ですが、80周年の今年、
その出発地となった青森県三沢市で記録機、ミス・ビードルのレプリカが
フライトを実施しました。本号ではそのフライトリポートに加え、
当時の記録飛行にかかわった人々や2人のパイロットについて、掘り下げて紹介します。

このほか自衛隊関連も当然カバー。ブルーインパルスは松島基地の地元、東松島市の
元気フェスタでのフライバイで、震災後初めて被災地の上空を飛びました。
このリポートに加え、フルアクロの展示飛行に向けて築城で開始された
フィールドアクロの模様も紹介しています。
そしてスペシャルファイルでは、30周年を迎えた第306飛行隊のF-15記念塗装機をスクープ。
こちらもお楽しみに。

そのほか巻頭ではバージニアビーチ上空の“ブルーフランカー”、VFC-12のホーネット、
対リビア作戦に投入されたRC-135V/Wリベットジョイント、先ごろ最後のフライトを終えた
スペースシャトルの30年、ビンテージグライダー・ラリー2011などをカラーで紹介、
モノクロも連載を含め、さまざまな読み物満載です。
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晴天のCVW-5フレンドシップデー

2011-09-13 18:15:57 | 航空イベント
9月10日には神奈川県の米海軍厚木基地でCONA(米海軍航空100周年記念)
CVW-5フレンドシップデーが開催されました。
残暑の厳しい一日となりましたが、桜祭りを実施できなかった分、このイベントを
楽しみにしていたファンも多かったようです。





CVW-5(第5空母航空団)の各飛行隊と海上自衛隊、ベースフライト、HSL-51からは
各種の航空機が展示されましたが、いつものごとくロープなしの展示で、
開場直後しかクリアな写真を撮ることができなかったのは、写真撮影愛好家の皆さんには
ちょっと残念なところだったでしょうか。
それでもVFA-102のF/A-18F CONA機や、まもなく帰国が噂されるVAQ-136のEA-6B CAG機に
描かれたCONAマークなど、見どころはたくさん。

また各飛行隊、フライトギアを全装備したクルーが登場してさまざまなパフォーマンスを
繰り広げて、格好の被写体となっていました。



今回は1200時からのイベントで、フライトラインの開放は1600時までと時間があまり
長くはありませんでしたが(実際には1100時にゲートオープン、フライトラインは
1630時まで開放)、その間に写真撮影やクルーとのコミュニケーション、部隊の
グッズ購入など、思い思いに忙しい時間を過ごすファンが多かったようです。

また、ステージが作られライブなどが行なわれていたリードフィールド(グラウンド)にも
HS-14のHH-60HとHSL-51のSH-60Bが着陸、展示されたのは画期的で、
今後の厚木基地のイベントでも継続してこうした展示が行なわれることを
期待したいところです。




今後のイベントといえば、今回もゲートでは身分証明書の確認で多くのトラブルが
起こったようです。
8月20日の盆踊りでは身分証明書としてOKになったICチップ入りの運転免許証ですが、
今回のフレンドシップデーではそれ以前と同様、無効とすることが直前に決まりました。
米軍としては国際的なテロリズムが深刻化しているなか、なるべく安全なイベント開催を
目指したいということで、国籍の確認を大きな課題としています。
ICチップ入りの運転免許証は個人情報の保護の観点から本籍の記載がなくなっており、
それを確認できないというのが問題となっているわけです。
なので確実に身分証明書として使用できるのはパスポート、写真付き住民基本台帳カード
(これは本籍の表記はありませんが、日本国民でないと住基ネットに登録されないので
大丈夫なのです)、ICチップのない運転免許証のいずれかとなります。
ICチップ付きの場合、それとあわせて本籍入りの住民票もしくは警察署の発行する
運転免許証記載印字票があれば、ゲートでの身分証明書として認められるそうです。

「親善を目的とした一般開放なのに身分証明書のチェックや手荷物チェックに時間をかけ、
挙げ句追い返されるのは納得いかない」といった声も聞こえましたし、
気持ちも分かるのですが、やはり一般開放日とはいえ、立ち入るのはさまざまな
機密や危険物のある軍事基地であるということを考えれば、ある程度厳密な
チェックが必要になってしまうのも理解すべきことなのかもしれません。
今後の米軍基地のイベントでは、こうしたスタイルがスタンダードになる可能性も
低くありません。お出かけの際には、皆さんも万全を期して準備するようにしてください。

また、直前に告知した9月11日の岡山県岡南飛行場の航空フェアも、晴天のなか
多くの入場者でにぎわったとのことです。

これらのイベントについては、10月21日発売の『航空ファン』12月号で紹介する予定です。




『航空ファン』、『世界の傑作機』など、
文林堂の本の情報はコチラから!


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「App Store」でエアバスが描く2050年の空の旅を体験

2011-09-09 19:31:56 | BLOG×記事
エアバスは6月に開催されたパリ・エアショーを前に、2050年の空の旅、と題する
航空機のデザインコンセプトを発表しました。





外形は以前にボーイングが発表したソニッククルーザーにもどこか似ており、
いかにも近未来的なデザイン。さらに機内は強化された透明にもなる外壁で、
空を見ながらのフライトが可能になるうえ、温度調節や遮光も思いのまま、という
夢のあるキャビンとなっています。


このたび、この2050年の空の旅を体験できるアプリが、アップルの「App Store」で
無料ダウンロードできるようになったそうです。
iPadとiPhoneに対応するこのアプリは、2050年の航空輸送のビジョンを
エアバスが紹介する「Future by Airbus」プロジェクトの一環で製作されたもの。
エアバスが考える2050年の革新的なコンセプトキャビンを、
乗客の目線から体験することができるとのこと。ぜひitunes.apple.comから
「The Future by Airbus」を検索してダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

「Future by Airbus」についての詳細は、同社のウェブ内のページをご覧ください。
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トークショーのご案内

2011-09-03 00:36:29 | 告知&ニュース
来年はJA2012、JAPANAEROSPACE 2012(国際航空宇宙展)が開催される予定となっていますが、
すでに航空宇宙関連業界や大学などの教育機関、官公庁ではすでにこれを見据えた
さまざまな準備、調整が始まっているようです。

現在、愛知県の名古屋大学には社会貢献人材育成本部サイエンス・コミュニケーション推進室の
特任教授(コーディネーター)として『航空ファン』にも多くのリポートを提供してくれる
カメラマンの藤吉隆雄氏が籍を置いていますが、その名古屋大学の主催で
来週の9月6日に日本航空宇宙工業会からゲストを招いて
名古屋市内でサイエンスイベントが行なわれるとのことです。

さかえサイエンストーク第7回「世界の航空宇宙ショー」
ゲスト:宮 修一氏(日本航空宇宙工業会)
日時:2011年9月6日(火) 1830~2000(入場1800より)
※ドリンク等の注文をお願いします
会場:ガロンコーヒー丸栄店(名古屋市中区栄3-3-1 丸栄百貨店B1F)

航空宇宙関係のトークショーということで、少々難しそうな印象をお持ちの方も
いるかもしれませんが、テーマが「世界の航空宇宙ショー」ということで、
意外と現場に近い、興味深い話が聞こえてきそうです。

お時間のある方はぜひ、足を運んでみて下さい。
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