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米 国の中間選挙に見る、民主党の新しい波。

2018年11月05日 14時22分06秒 | 日記

 米国の中間選挙が近づき、トランプ大統領の発言も過激になるばかりだが、共和党が右寄りになれば、一方の民主党も、前回の大統領選挙で、皆保険制度の推進など社会主義に近い発言をしていたバーニー  サンダース候補が人気だった。

 このサンダースの流れを継いで、ブルーウエーブ(民主党の波)と呼ぶ活動が盛んになっているという。

 特にこの運動は女性の力で進められているようで、民主党の復権を後押ししているように見える。

 共和党がトランプの過激発言で右寄りになるため、リベラル色の強かった民主党が左寄りになるという、アメリカ社会の分断が深まっていくのだろう。

 果たして、今回の中間選挙結果がどうなるのか、予断を許さない状況だ。

 

(日本経済新聞より貼り付け)

反トランプ ブルーウエーブは本物か?                                2018.11。033

  11月6日の投開票日が目前に迫った米中間選挙。議会の多数派奪回を目指す民主党は、トランプ政権への反発を追い風とする「ブルー・ウエーブ(民主党勢力拡大の波)」に期待する。カギの1つを握るのは、都市郊外の女性票の動員や、白人労働者層票の奪回だ。激戦選挙区での候補陣営やボランティアらの動きを追った。

(中略)

 マドゥソンさんは、地元女性で作る女性団体「チェスターフィールド郡リベラル派女性団体(LWCC)」の一員だ。創設者で3人の子供を持つ主婦のキム・ライトさん(47)は、保守的な周囲から孤立することを恐れて政治的な発言を避けていたが、16年の大統領選で「あれほど女性蔑視で利己的なトランプが大統領に選ばれるなんて」と怒りを覚えた。2日後に「政策や政治の仕組みを学び、自分の声を上げよう」とフェイスブックに書き込んだところ、地元女性から続々と反応が集まった。現在では3500人が12グループに分かれて民主党候補の応援に取り組む。

 バージニア州は下院11議席のうち共和党が7、民主党が4。地方部では共和党が堅い地盤を誇ってきたが、都市近郊には大卒で高収入のリベラル派や穏健派が増えている。共和党議席のうち4選挙区が接戦となっており、過去46年間共和党議員を選出し続けてきたリッチモンド郊外の7区もその1つだ。

 こうした郊外選挙区で、民主党は特に女性票に照準を定める。大統領選の年に比べ投票率が下がる中間選挙でも女性は男性より投票率が高く、14年の中間選挙では女性の投票率が43%と男性を2.2ポイント上回った(米統計局)。また調査団体ピュー・リサーチ・センターが9月18―24日に実施した世論調査によると、トランプ氏の支持率は男性の46%に対し女性は30%と低い。女性による不支持率は63%に達する。民主党は同党支持層の投票率向上と同時に、無党派層や共和党穏健派の女性の取り込みを図る。

(中略)

 10月初めの土曜日の朝。米中西部ウィチタにある民主党下院議員候補ジェームス・トンプソン氏(47)の選挙事務所で、ボランティアのショーン・リトキーさん(32)はコンピューター画面の指示に従って有権者に電話をかけていた。これまでに共和党支持者3人の説得に成功したという。

 無党派だったリトキーさんは、今年初めに民主党員に登録したばかり。「一部の富裕層による富の独り占めを加速させるトランプ政権の政策に我慢がならなかった。トンプソン氏は真に労働者層を理解している」と興奮気味に話す。

(中略)

 トンプソン氏は企業献金を拒否し、国民皆保険やマリフアナ合法化などリベラルな政策を掲げる。7月には民主党左派の2大スター、サンダース上院議員とオカシオコルテス下院議員候補が応援に駆けつけ、約4千人を集めた。

 共和党側はトンプソン氏を「過激な社会主義者」と攻撃するが、トンプソン氏は「労働者のための政策は右でも左でもないはず」と反論。「民主党は企業献金に頼るあまりに『労働者の党』の原点から離れてしまった。民主党が生き残るには、労働者の味方に回帰するしかない」と強調する。

 2016年の大統領選では、主に中西部の白人労働者票がトランプ氏当選の原動力になった。労働者票の奪回は民主党にとって今回の中間選挙の大きな課題の1つだ。各地でトンプソン氏のように「ブルーカラーの代表」を名乗る民主党候補が立候補している。

 中西部ウィスコンシン州では、退役軍人で鉄鋼労働者のランディ・ブライス氏(53)が引退する共和党のライアン下院議長の議席を狙う。国民皆保険などの政策を掲げ、サンダース氏の支持を受ける。南部ウェストバージニア州でも多数の勲章を受けた退役軍人のリチャード・オジェダ氏(48)が「新しい民主党の顔」を看板に善戦している。

 ただ、労働者層の支持を取り戻すために、国民皆保険などのリベラルな政策を目指すのか、より中道の政策を目指すのか、民主党の軸足は定まらない。中間選挙での有権者の審判が1つの試金石となりそうだ。

(ワシントン=長沼亜紀、芦塚智子)


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