朝のニュースをTVでざっと見る貴重な時間に、朝7時半から参議院選の候補者の政見放送がNHKで始まった。
今日は筆者の住む埼玉県とは関係のない神奈川県の候補者の政見放送であったが、普段見ていない民放局に切り替えるのも鬱陶しく聞き流していたが、改めて候補者の政見放送を聞いていて、一体参議院議員と衆議院議員の差はなんであろうかと疑問を持った。
本来二院制になっているのは、衆議院の議決事項に対し、日本の政治の方向性と言った大所高所からチェックを入れるのが、参議院の役割なのではないのだろうか?
安倍首相は衆参のねじれを解消する選挙だと声高に言っているが、衆院の議決をそのまま参院がスルーするのだったら、一部にある意見のように参議院を廃止をしたって一向に構わない事になる。
参院を廃止して衆院の一院制で良いのではないか?
参議院は衆議院が提出する人気取り的なポピュリズムな法案や、国のあり方として疑問のある法案をチェックするのが重要な仕事であって、それはねじれという問題ではなく政府が提出しようとする法案のチェックに徹する必要がある機関であるべきでると思う。
しかしそれでは法案成立に時間がかかると言う事から、法案成立の便宜上から参議院も各政党色が強くなってきたのであろう。
だが政見放送を聞いていると、衆議院議員と参議院議員の差が筆者には分からなかった。
恐らく立候補者も、衆参の差を理解していないのではなかろうかと思う次第だ。
改めて参院のHPを見ると、参議院問題懇談会と言うのが、なんと昭和46年に行われ筆者が思っている問題点と全く同じ課題として検討して居ながら、40年余り大きな変化も無く、のんべんだらりと参院選が行われている実態に唖然とするばかりだ。
そのチョースローモーな政治の現実の姿に有権者がそっぽを向くのも当たり前だと、筆者は思った次第である。
(以下に貼り付け)
(昭和四十六年九月二十三日 参議院問題懇談会)
参議院運営の改革に関する意見
第一 改革の基本方針
今日、参議院の現状に対して多くの厳しい批判が加えられている。それらの批判はいずれも、参議院が国政上期待されているその本来の使命をよく果たしていないのではないかとするものであるが、その焦点は特に次のような点に向けられている。
第一に、参議院は衆議院とは異なる独自の立場と観点から国政審議にあたり、衆議院に対し抑制と補完の機能を果たすことが期待されている。しかるに現状では、いわば第二衆議院に堕し、その独自性を失なっていること。
第二に、参議院は衆議院優越の原則の下にあっても、両院制の存在意義を生かすために、慎重かつ充実した高い水準の審議の成果によって世論の要望にこたえ、これによって立法府の一院としての責任を果たすように努力することが期待されている。しかるに現状では、その審議が効率的に、また充実して行なわれているとはいえないこと。
第三に、参議院においても政党化の大勢は不可避ではあるとしても、参議院本来のあり方とその独自性の確保のためには、参議院は衆議院における各政党の対立抗争からはある程度の距離を保つことが望ましく、このことが衆議院に対する抑制と補完の機能の発揮にも必要であると考えられる。しかるに現状では、参議院も強い政党的支配の下にあり、その独自性と自主性の確保を妨げていること。また、政党におけるいわゆる派閥の弊害が参議院各会派にも及んでいること。
第四に、参議院はいわゆる「良識の府」、「理性の府」として、良識あり、理性ある国政審議の場として期待されている。しかるに現状では、往々にしていわゆる審議引き延ばし、強行採決、物理的抵抗等の戦術がとられることが少なくないこと。
今日の参議院に対する批判はおよそ右のような諸点を中心とするものであり、参議院改革を要望する声は、今日、かつてないまでに高まっている。
参議院がその本来の使命を果たし、国民の期待にこたえるためには、今や、参議院において、会派の別なく、その運営の現状を真剣に反省し、各般にわたる改革を勇敢に実行すべき時である。
その改革の基本方針は、次の諸点に置かれるべきである。
一、参議院の独自性と自主性の確保 参議院の運営が独自性と自主性をもって行なわれるためには、議長及び副議長の党籍離脱、各会派所属議員に対する党議拘束の緩和等が必要である。
二、効率的な審議 このためには、特に、各案件の審議期間の確保、参議院先議案件の増加、予備審査制度の活用等が必要である。
三、充実した審議 このためには、特に、委員会における自由討議の採用、公聴会及び参考人制度の活用、国政調査の充実等が必要である。また、審議においては各会派間において、できる限り、共通の場に立ち一致点を見出すことに努力することが、参議院の独自性を発揮するためにも必要である。
四、国会正常化の実現 国会正常化が参議院についても要求されることはいうまでもない。この点については、議長の党籍離脱は議長の裁定、調停等の権威を高め、各派幹部会議の常設は各会派間の意思の疎通をはかる上に役立つであろう。また、その他の改革、特に、十分な審議期間の確保、党議拘束の緩和、議案の修正の重視等も、審議引き延ばし、強行採決、物理的抵抗等の現象の生ずる原因を除去することに役立つものであり、国会正常化の達成への手段となるものである。
五、国民の信頼と親近感の確保 以上各項の改革の実現によって面目を一新した参議院は、広く国民から信頼される参議院となることができよう。参議院としては、常に国民との距離を近くし、国民に親しまれるように努力すべきである。この親近感の確保のためには、審議公開の原則を発揚して、たとえば傍聴人に対する取扱いの改善や諸施設の整備充実をはかることが要望される。
(以下略。貼り付け終わり)
今日は筆者の住む埼玉県とは関係のない神奈川県の候補者の政見放送であったが、普段見ていない民放局に切り替えるのも鬱陶しく聞き流していたが、改めて候補者の政見放送を聞いていて、一体参議院議員と衆議院議員の差はなんであろうかと疑問を持った。
本来二院制になっているのは、衆議院の議決事項に対し、日本の政治の方向性と言った大所高所からチェックを入れるのが、参議院の役割なのではないのだろうか?
安倍首相は衆参のねじれを解消する選挙だと声高に言っているが、衆院の議決をそのまま参院がスルーするのだったら、一部にある意見のように参議院を廃止をしたって一向に構わない事になる。
参院を廃止して衆院の一院制で良いのではないか?
参議院は衆議院が提出する人気取り的なポピュリズムな法案や、国のあり方として疑問のある法案をチェックするのが重要な仕事であって、それはねじれという問題ではなく政府が提出しようとする法案のチェックに徹する必要がある機関であるべきでると思う。
しかしそれでは法案成立に時間がかかると言う事から、法案成立の便宜上から参議院も各政党色が強くなってきたのであろう。
だが政見放送を聞いていると、衆議院議員と参議院議員の差が筆者には分からなかった。
恐らく立候補者も、衆参の差を理解していないのではなかろうかと思う次第だ。
改めて参院のHPを見ると、参議院問題懇談会と言うのが、なんと昭和46年に行われ筆者が思っている問題点と全く同じ課題として検討して居ながら、40年余り大きな変化も無く、のんべんだらりと参院選が行われている実態に唖然とするばかりだ。
そのチョースローモーな政治の現実の姿に有権者がそっぽを向くのも当たり前だと、筆者は思った次第である。
(以下に貼り付け)
(昭和四十六年九月二十三日 参議院問題懇談会)
参議院運営の改革に関する意見
第一 改革の基本方針
今日、参議院の現状に対して多くの厳しい批判が加えられている。それらの批判はいずれも、参議院が国政上期待されているその本来の使命をよく果たしていないのではないかとするものであるが、その焦点は特に次のような点に向けられている。
第一に、参議院は衆議院とは異なる独自の立場と観点から国政審議にあたり、衆議院に対し抑制と補完の機能を果たすことが期待されている。しかるに現状では、いわば第二衆議院に堕し、その独自性を失なっていること。
第二に、参議院は衆議院優越の原則の下にあっても、両院制の存在意義を生かすために、慎重かつ充実した高い水準の審議の成果によって世論の要望にこたえ、これによって立法府の一院としての責任を果たすように努力することが期待されている。しかるに現状では、その審議が効率的に、また充実して行なわれているとはいえないこと。
第三に、参議院においても政党化の大勢は不可避ではあるとしても、参議院本来のあり方とその独自性の確保のためには、参議院は衆議院における各政党の対立抗争からはある程度の距離を保つことが望ましく、このことが衆議院に対する抑制と補完の機能の発揮にも必要であると考えられる。しかるに現状では、参議院も強い政党的支配の下にあり、その独自性と自主性の確保を妨げていること。また、政党におけるいわゆる派閥の弊害が参議院各会派にも及んでいること。
第四に、参議院はいわゆる「良識の府」、「理性の府」として、良識あり、理性ある国政審議の場として期待されている。しかるに現状では、往々にしていわゆる審議引き延ばし、強行採決、物理的抵抗等の戦術がとられることが少なくないこと。
今日の参議院に対する批判はおよそ右のような諸点を中心とするものであり、参議院改革を要望する声は、今日、かつてないまでに高まっている。
参議院がその本来の使命を果たし、国民の期待にこたえるためには、今や、参議院において、会派の別なく、その運営の現状を真剣に反省し、各般にわたる改革を勇敢に実行すべき時である。
その改革の基本方針は、次の諸点に置かれるべきである。
一、参議院の独自性と自主性の確保 参議院の運営が独自性と自主性をもって行なわれるためには、議長及び副議長の党籍離脱、各会派所属議員に対する党議拘束の緩和等が必要である。
二、効率的な審議 このためには、特に、各案件の審議期間の確保、参議院先議案件の増加、予備審査制度の活用等が必要である。
三、充実した審議 このためには、特に、委員会における自由討議の採用、公聴会及び参考人制度の活用、国政調査の充実等が必要である。また、審議においては各会派間において、できる限り、共通の場に立ち一致点を見出すことに努力することが、参議院の独自性を発揮するためにも必要である。
四、国会正常化の実現 国会正常化が参議院についても要求されることはいうまでもない。この点については、議長の党籍離脱は議長の裁定、調停等の権威を高め、各派幹部会議の常設は各会派間の意思の疎通をはかる上に役立つであろう。また、その他の改革、特に、十分な審議期間の確保、党議拘束の緩和、議案の修正の重視等も、審議引き延ばし、強行採決、物理的抵抗等の現象の生ずる原因を除去することに役立つものであり、国会正常化の達成への手段となるものである。
五、国民の信頼と親近感の確保 以上各項の改革の実現によって面目を一新した参議院は、広く国民から信頼される参議院となることができよう。参議院としては、常に国民との距離を近くし、国民に親しまれるように努力すべきである。この親近感の確保のためには、審議公開の原則を発揚して、たとえば傍聴人に対する取扱いの改善や諸施設の整備充実をはかることが要望される。
(以下略。貼り付け終わり)
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