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北朝鮮が持つ潜在的な経済価値を、日本人も、もっと知るべきだ。

2018年05月06日 12時49分57秒 | 日記
 米朝会談が具体的に進展しそうであるが、日本国内の多くのメディアが、まだまだ北朝鮮に騙されるなという、懐疑的な見方で伝える報道が多い。

 トランプ大統領がノーベル平和賞の候補になって、浮かれて性急に事を進めるなとまで書いた記事もあるくらいだ。 筆者は思うが、トランプ大統領はそんなに単純な男ではないと思う。 彼は冷徹に物事を分析するビジネスマンだ。

 見かけは鷹揚に見えるが、トランプ氏にすり寄ってくる安倍首相に対しても、ものの見事に米国の利害で撥ねつける男だ。。

 勝ち目のないゲームであれば、彼はのっけから参加する気がないだろう。 それが大成功を収めたビジネスマンだ。 安倍氏のような確固たる思想を持たない政治屋ではない。

 筆者が4月28日の、このブログで書いたように、北朝鮮には、実は巨大なビジネスチャンスがあるのだ。

 金正恩氏の独裁政治で、いつ前言を覆すか分からないというのが、日本のメディアの特徴だが、北朝鮮の未開発の鉱物資源の経済的価値を知っている韓国や米国、中国、ロシアは、明らかにその有用性を狙って、金正恩氏との交渉を考えている。

 北朝鮮は、ただただ長引く爆撃で、国土がガタガタにされたイラクやシリアとは違うのだ。

 韓国のエコノミスト誌の記者が書いたコラムが翻訳されて、東洋経済に出ていた。少々長い内容なので、前半のみ紹介しておきたい。 改めて北朝鮮の有用性を感じるだろう。 経済的な知識が薄い安倍首相が、圧力一辺倒で話す滑稽さが分かろうというものだ。 

(東洋経済デジタルより貼り付け)

「鉱山開発」こそが超有望な北朝鮮ビジネスだ
300兆円規模の埋蔵量を誇る宝の山に期待大
ハン・ジョンヨン : 韓国『中央日報エコノミスト』記者
2018年05月05日

 南北経済協力はこれまで、つねに慎重の上にも慎重を期して行われてきた。 しかし、北朝鮮が4月11日に経済繁栄を国政の最優先順位の1つとして発表、南北首脳会談に続いて米朝首脳会談も予定されている。 今後北朝鮮が言う経済に関心が高まりそうだ。

◎北朝鮮で開発可能な地下資源は約2億トン

 この条件に最も適合するのが、北朝鮮にある地下資源の共同開発だ。 共同開発が始まれば、これまでの経済協力のパラダイムを変えることになりうる。 北朝鮮は、豊富な地下資源を保有しているが、技術がない。 一方の韓国は大部分の地下資源を輸入しているものの、世界的な技術を蓄積してきたため、双方の利害が一致するためだ。 何よりも地下資源は経済的規模がこれまでの経済協力とは比較できないほど大きい。 そのため、北朝鮮の経済発展に大きな力を与えると同時に、韓国政府は経済的支援なしでも南北経済協力事業を推進できる。

 業界では、開発が可能な北朝鮮の地下資源が2億1600万トンであり、金額にして3000兆ウォン規模だと試算している。
 ここに設備投資や加工で発生する付加価値や運送経費の節減効果まで合わせると、規模はさらに拡大する。 韓国鉱物資源公社南北資源協力室の関係者は「南北の資源共同開発は2007年の南北首脳会談で合意済みであり、現地調査や合弁企業による共同開発などの経済協力も経験済みだ。 北朝鮮への経済制裁が緩和されれば、すぐにもで再開できる」と言う。 韓国エネルギー経済研究院関係者も「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が北朝鮮と合意した経済協力事業が再開されれば、地下資源の開発へと段階を踏んで進められるだろう。
 北朝鮮への経済制裁という問題は、南北間の問題というよりは米朝間の問題。 今後の米朝首脳会談で解決策が出てくる」と期待している。

 地下資源の共同開発を含めた南北経済協力は、2007年に盧武鉉大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記との間で合意した、45項目の相当部分を占めている。 当時進められた資源の共同開発事業は4件であり、鉱山の現場調査がなされたところもある。
 韓国産業通商資源省は2003年に北朝鮮と合弁会社をつくり、黄海(ファンヘ)南道鼎村(チョンチョン)黒鉛鉱山の開発を始めた。 同公社が665万ドルを投資し、北朝鮮は現物出資という形を取った。
 2007年に稼働し、2008年に黒鉛900トン、2009年には1500トンを生産して韓国へ送られた。 しかし、韓国哨戒艦沈没事件が北朝鮮によるものとした韓国政府は2010年、北朝鮮への制裁となる「5.24制裁措置」を行うと鉱山の稼働も止まった。

 このほかにも、韓国の民間企業が石材鉱山や無煙炭鉱山に投資したが、すべて中断された。 今後、経済協力が始まるといっても、鉱物産業の特性上、すぐに再開することは難しい。 鉱物資源公社南北協力室関係者は「北朝鮮との合弁会社契約は2023年までで、まだ期間は残されているが、設備・施設がどれほどの状態なのかは、現地調査をしないとわからない」と打ち明ける。

◎北朝鮮は世界の鉱物標本室

 鉱物資源公社南北資源協力室のイ・インウ室長は2017年9月、「北朝鮮の鉱物資源統計」を出版する際、2012年までに北朝鮮が発行した各種地下資源関連資料を分析した。 これによれば、北朝鮮の鉱物資源の種類は石炭鉱1種、金属鉱22種、非金属鉱19種など42種。 鉱山数は石炭鉱山241カ所、金属鉱山260カ所、非金属鉱山227カ所など728カ所だ。 ただ、実際に北朝鮮にある鉱種は約500種で、経済性のある鉱物は、このうち20種類ほどだという。

 エネルギー経済研究院などの資料によれば、タングステン、モリブデン、重晶石、黒鉛、銅、マグネサイト、雲母、蛍石が北朝鮮の8大鉱物だ。 これらは埋蔵量が世界でも上位10位圏内あるという。 特にマグネサイトは、ロシアと中国に続き、世界3位の埋蔵量。 マグネサイトは溶鉱炉の材料である内火壁の製造に主に使われ、肥料の添加剤、製糸、科学試料、製薬などにも使われる。
 このほかにも、鉄の埋蔵量は世界6位圏、タングステンと黒鉛は同4位圏であり、金の埋蔵量も8位圏だ。 希土類はもちろん、コバルトもわずかであるが、産出する。コバルトは経済性が劣り、生産にまで至らない確率が高いが、北朝鮮がどれだけ豊富な地下資源を持っているかがわかるだろう。

 南北による鉱物資源の共同開発が始まった場合、最も注目されるのは北朝鮮の代表的な工業地区である瑞川(タンチョン)地区だ。 日本海に面している同地区は、咸鏡(ハムギョン)南道と同北道の境にある。 同地区内の剣徳(コムドク)鉱山は、北朝鮮最大の亜鉛の産地。 龍陽(リョンヤン)・大興(テフン)鉱山は、埋蔵量で世界3位となるマグネサイトを採掘する。 瑞川での共同資源開発協議は2006年に始まった。
 韓国政府は瑞川を共同資源開発特区として造成することを提案し、2回目の南北首脳会談で共同開発に合意し事業に弾みがついた。 鉱物資源公社は2007年に瑞川の主な鉱山の現地調査を行った。公社関係者によれば「当時現地調査した人材が今でも公社に勤務中」と言う。

 アジア最大の鉄鉱山である茂山(ムサン)鉱山も注目に値する。 同鉱山は小さな川を挟んで、中国・吉林省と接する国境地域にある。ここは露天掘りでも有名。 鉄の含有量を意味する品位は低いが、中国では高価格で買い取られている。 同鉱山の鉄鉱石が磁力鉱であるためだ。 磁力を帯びているため、これを利用して簡単に品位を高める一次加工が可能である。

 鉱物資源公社関係者は「北朝鮮の鉄鉱石は磁鉄鉱が多く、品位が低くても簡単に分離でき、実際に北朝鮮も清津(チョンジン)地域へ鉄鉱石を運び、そこで分離する作業を行っている。
 中国からは茂山鉱山を直接眺めることができるほど近く、中国側の税関を通じて輸出を多く行っていたこともある」と説明する。 埋蔵量が多いことで北朝鮮が自慢していた希土類にも関心が集まっている。 ただ、希土類の埋蔵量を正確に算定するためには、南北共同での現地調査が必要だ。
(以下省略)

’貼り付け終わり)