体育館の屋根を静かに雨が叩く。
雨脚が強いと、話も聞き取れないくらいに
『Za~~~~』という。
天井の高い、倉庫のような入れ物で早朝(4:00時5:00時)
から、練習する。響きはとても自然で、残響もある。
響きがあまり良すぎても、練習にならないので
時々、響きがデッドな客室でも練習する。
どうしたら、上手く弾けるのか、自分であれこれ考えて
練習に取り入れて行く、けど、最終的には基本練習しか無い。
朝は長袖が必要なくらい、涼しい、昼頃、天井の無い体育館は
一気に室温が上がるので、半袖、窓をあける。
爽やかな風が通り抜け、譜面を飛ばして行く。
夕方ガスが出たりして、また室温が下がって行く、
窓を閉めて、弾く。
アコは室温の高い状況と低い状況では、音の響きが異なるような気がする。
室温が高いと、締まりのない響きになる。ちょっと涼しいくらいの
時のアコの響きが好きだ。震えているのは金属のリードだから
温度変化には敏感なのかなと考えるけど、自分で勝手に
そう思っているのかもしれない。
全調律から帰って来たアコ(ジュリエッティ127クラシカル)は、
響きというか音色が変わった。
それまでのMMHの響きがあまり好きではなかったけど
今は、M(チャンバー)Hと同じくらい使えるようになった。
音色を変えて弾くのが好きな方で、あれこれ考える。
ジュリの左は、普通の人なら、鳴り過ぎでちょっとうるさいと
感じるくらい響くけど、使い方でいかようにも変幻自在だ。
左を如何に絡めて(からめて)行くかは、楽しみの一つだ。
左の変音レジスターのそれぞれの音色を、特色を考慮に
組み立てて行く。微妙なニュアンスが生まれて来る。
ただ、演奏途中で、どのタイミングで左右スイッチの切り替え
をするかは、とても厳しい時もある。八分休符でもあれば良いが
まったくない時でも、音色を変えたいから、
その練習をしなければならない。
左の7個のレジスターは全て使っている。
音色と響きとボリューム、右とのバランス、
組み合わせた時の表情、それらを加味して
曲を作り上げて行くのはとても楽しい作業だけど
普通の人には、どうでも良いことだと聞こえるだろう。