PIKEなMINICAR

昔々デザインをしたパイクカーたちが主人公のブログです。
ちひさきものはみなうつくし。

DATSUN

2008年01月31日 | その他
「DATSUN」は明治44年に設立された「快進自働車工場」(働く車ってところがいいですね)の創業者・橋本増治郎が、3人の協力者「田健治郎」「青山禄郎」「竹内明太郎」とともに、大正3年、2気筒10馬力の自動車を製造、感謝をこめて3人のイニシャルを組み合わせた「DAT自動車」というネーミングを冠したことに始まります。その後「DAT自動車製造」の時代を経て昭和6年に4気筒10馬力の「DATSON」が誕生しました。

DATの息子という意味の「DATSON」でしたが、損を連想させるので太陽の「SUN」に改められて後年に継承されていきました。現在は「ダットサントラック」というブランドにのみに残され「ダットラ」の愛称は今でも健在。「ニットラ」にならなくて良かった・・。手前はレベル製1/28のダットラ、後方はフジミ製1/24 S12シルビア。アメリカ製のプラモは日本製のように作りやすくないですが、モールドがしっかりしているので塗装の腕だめしにはピッタリ。リアゲートの「DATSUN」のレリーフが誇らしげです。
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専用書体

2008年01月29日 | その他
S12シルビアのトミカ ダンディ(シルバー)とリミテッドSシリーズ(ブラック)のシャシーを見ると、実車カタログと同じ「NISSAN SILVIA」のロゴが入っています。これは日産CIデザインシステムで決められた「日産アルファベット」という特別な書体です。S12の開発がほぼ終わる頃からこのCIプロジェクトチームに参画することになり、デザインマニュアル制作やアプリケーションデザインを担当しました。

それまで世界各国でばらばらに用いられていた「NISSAN」や「DATSUN」の表示を統一して新しいブランドイメージを構築するのが目的で、基本デザインはイギリスのペンタグラム社の案が採用されました。このアルファベットはとても高性能な書体で、文字にはスペーシングガイドといわれるドットが付属しています。このドットは隣にどんな文字がきても適切で美しい文字の間隔がとれるように工夫されています。そしてマーク、ロゴ、専用書体、指定書体、日産ストライプなどの各要素とともにシステムが構築されていきました。

これらのデザインシステムは順次商品のエンブレムなどとしても展開されていったのですが、その最初の商品群がS12シルビアでもありました。新しくなったマークやロゴが手がけた車をはじめ、どんどん広がっていくのはまた格別の充実感がありました。
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黒い稲妻

2008年01月28日 | S12 SILVIA/GAZELLE
白い稲妻のキャッチコピーを持つ黒い稲妻。なんという矛盾。奥のモデルは初期のトミカ ダンディ 1/43のS12シルビア(実車には赤色のインテリアはありません)。手前は2002年10月発売のトミカ リミテッド Sシリーズ。前者は日本製、後者は中国製。基本的に同じ金型から作られているようですが、リミテッドの方が細かいところまでよくできています。塗装も最近の中国製らしい光沢。純正のアルミホイールもなかなかいい雰囲気で、車体とトレッドの関係も良好。ただ全体的にボディーの角アールが硬い仕上がり、もう少しとろりとしたマイルドなアールでまとめたつもりなのですが・・。下にあるのは当時(昭和58年12月)のカタログ。
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白い稲妻

2008年01月27日 | S12 SILVIA/GAZELLE
「白い稲妻」というキャッチコピーはS12シルビアでも使われました。しかしカタログのトップを飾ったのはハッチバックのグレー+シルバーのツートーンカラーでした。白という車体色は立体感がわかりにくい色で、白の車体色できちんと立体が表現できている車は、他の色でもしっかりしているといえます。S12のスケッチでは白い車を大量に描きました。当時は白い車が描けたら一人前などといわれ、結構難易度の高いテクニックが必要でした。なにしろ紙も白いですから・・。

白い車はカタログ写真も難しく、S12ハードトップはホワイト+ダークブルーのツートーンがイメージカラーになりました。画像手前のトミカ 1/62シルビアはパールホワイトのオリジナルモデルを箱の写真と同じツートーンに加工したもの。ベースは一般輸出モデル「NISSAN 200SX」のカタログ。外観は国内向けガゼールをさらに洗練させた好感の持てる仕立てになっています。

US110の世代まで輸出モデルは「DATSUN 200SX」と呼ばれていましたが、S12からは「NISSAN 200SX」になりました。これは日産創立50周年(昭和58年・1983年)を契機に海外での「NISSAN」と「DATSUN」ブランドを統一する大々的なCIデザインシステムを導入したためです。製品やカタログなどにも順次適用され、それらの初期の展開例がS12でもありました。
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ラッキーカラー

2008年01月26日 | Be-1
いつからかイエローはラッキーカラーです。S12のスケッチは星野IMPULのイエロー+ホワイトのイメージも意識しています。「白い稲妻」がキャッチコピーでした。Be-1のイメージカラーもパンプキンイエロー。真ん中のチョロQは後年手がけた地域周遊バス「CANBUS」の黄朽葉色(日本の伝統色、実車はBe-1の色に近似)、下にあるのはタッパーウェア社の密封容器スーパーキャニスターのイエロー仕様。どこかにイエロー系が自然に登場してしまいます。

チョロQは日野リエッセをベースにした武蔵野市ムーバス仕様をカスタマイズしたもの。実車はこのほかに常盤緑と茄子紺があります。
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S12の群れ

2008年01月25日 | S12 SILVIA/GAZELLE
S12型シルビアの主要モデルと当時のアイデアスケッチ。トミカ1/62はハードトップ、トミカダンディ1/43と後年登場した精密なトミカリミテッド1/43はハッチバック、チョロQはハッチバック、プラモは混在、といろいろなモデルになっています。少し残念なのはトミカ1/62。S110型が1/61なのでせめてスケールをそろえて欲しかった・・。それにしてもトミカはなぜこんなにスケールがばらばらなのでしょう。大中小と3種類くらいにするといいと思いますが・・。

クレイモデルに移行する際、イメージの中心になったスケッチは当時大流行のヴェラムペーパー(厚手のトレーシングペーパーみたいなもの)にマーカーやパステルを使って描いたもの。マーカーを裏側から塗ってハーフトーンにするとか、パステルや色鉛筆のノリがいいという特徴がありましたが、インクのにじみが広がり長期保存には全く向いていない紙だということが25年を経てわかりました。
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プロダクトアイデンティティー

2008年01月24日 | S12 SILVIA/GAZELLE
これはS12型ガゼール・ハードトップのテールランプ。モデルはフジミ 1/24 S12型シルビア。横に三分割されたテールランプの基本デザインはS12型ガゼールへ、縦に三分割されたパターンはシルビアへと受け継がれました。このように世代を変えながら徐々にイメージをつくりあげていくことを難しく言うと、プロダクトアイデンティティーをつくるといいます。残念ながらS12の世代で終わってしまったガゼールはS110~US110~S12の間の短い命でした。

S12型シルビア・ガゼールは初めてスケッチが採用され、1/5モデル~1/1モデルを経て、サバイバルレースを勝ち抜いて生産車になった思い出深い1台です。この時代は空気力学や車体のフラッシュサーフェイス化がもてはやされ、フロントデザインも当時最先端技術だったリトラクタブルヘッドランプが何のためらいもなく採用されました。激しい凹凸のデザインの時代から、一気につるんとしたデザインの時代に突入。技術がデザインを支配していた時代といえます。
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二重レンズ

2008年01月22日 | S110 SILVIA/GAZELLE(前期型)
ここまではS110のハードトップの話が多かったのですが、ハッチバックについても少し。ハッチバックはハードトップから少し遅れて市場投入。ここでもシルビアとガゼールの差異についていろいろ工夫しました。画像はガゼールハッチバックのテールランプと日東1/28のガゼール仕様。サイドのエアアウトレットやラジエータグリルもシルビアと違います。

ランプ類の技術はエクステリアデザインにたいへん大きな影響を与えます。現在はLEDのテールランプや車体と一体感のある大型の樹脂ヘッドランプが大流行です。このS110ハッチバックのテールランプは二重レンズといわれていた構造で、反射板がなく透明な樹脂レンズのカットによって直接光を拡散させるタイプです。反射板のふくらみが必要ないので奥行きを薄くでき、トランクスペースが少しだけ広く使えるというもの。当時の最先端技術です。

シルビアでは3つの大きなゼリーのようなレンズのアウターカバーが取り付けられ、ガゼールではこのカバーだけを横基調の凹凸ブロックにして差異をだしました。ローコストで大きな効果が得られる手法です。当時はヘッドランプも丸型2灯・4灯、角型2灯・4灯といった汎用型ヘッドランプが主流で、異型ランプはごく少数派。いまからみればとても合理的でエコロジーな仕組みだったと思います。いろいろな家電やパソコン、携帯電話などには各社共通にして欲しいパーツやシステムがたくさんあります。これからは各社共通の仕組みももっと必要なのではないでしょうか。
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石原プロワールド

2008年01月21日 | 西部警察ガゼール・シルビア
ところで西部警察ガゼールの実車はいまどこにあるのでしょう? かつては小樽の石原プロワールドに展示してありました。画像はそれらの記事(ホリデーオート2000年5月号)と石原プロワールドで限定販売されていたコールドキャストのアオシマ 1/43。オリジナルとはパッケージデザイン(石原プロのロゴがいっぱい)とコルトローマンのミニチュア付という2点の違い。銃のスケールは1/43ではないので違和感があり、あまりうれしい「おまけ」とはいえません。木暮課長(石原裕次郎)の1/43フィギュアの方がうれしいですね。それにしてもパッケージの渡哲也と舘ひろしが若い!

モデルは台座に左右逆に取り付け。台座の西部警察のロゴはいいのですがGAZELLEのロゴがいまいち美しくない書体と大きさ。反対に向けてロゴが見えないように展示しています・・。
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缶コーヒー

2008年01月20日 | 西部警察ガゼール・シルビア
これは2007年11月にローソン、ファミリーマートなどのコンビニ限定で発売されたジョージアの西部警察オリジナルマシンコレクションのおまけのGAZELLE。120円の缶コーヒーのおまけなので贅沢はいえませんが、かなり粗っぽいつくり。「herpa」と比べるのは酷ですが、もう少し頑張って欲しかったですね。塗料のはみ出しをタッチアップしたり、ランプやピラーまわりの細かな艤装をほどこしてようやく見られる状態に・・。小さくてわかりにくいですがフィギュアはPreiserのHO 1/87。

対象商品は「ジョージア エンブレムブラック」と「ジョージア コクのあるカフェオレ」の2つだったのですが、とても気になることがあります。なぜかカフェオレの缶のほうが少し背が高いのです。上のほうの形も微妙に違います。2本並べて飾ろうとすると高さが違う・・ま、飾る人はあまりいないと思いますが・・とても気になります。作り手側の事情か?単なるミスか?コクというよりも謎の深い缶コーヒーです。
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バリエーション

2008年01月19日 | S110 SILVIA/GAZELLE(前期型)
3種類のトミカ 1/61。奥から西部警察ガゼール仕様、イベント会場限定仕様のガゼール、ミュージアムギフト館仕様のガゼール。トミカはこのようなバリエーションがたくさん出てくるので面白いですね。下にあるのはミニカーマガジン(2005年12月号)に掲載された「日産シルビア2000ZSE-X」のバリエーションに関する記事。ガゼールも一緒に扱われています。

ところで西部警察で使われたガゼールのグラフィックは特注のものなので、ボンネットグラフィック+ボディ下部を黒色にしてGAZELLEのロゴを入れた仕様は実車には存在しません。それにしてもこの白い車体色のトミカガゼール、「1HGo」といわれる金色のホイールを組み込んで特別な雰囲気を出そうとしているのは分かりますが、ボンネットグラフィックの手抜きが残念。それに幌を閉じた雰囲気に見えるかどうか・・。
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西部警察

2008年01月18日 | 西部警察ガゼール・シルビア
さてガゼールといえば「西部警察」に登場したガゼールオープン。約25~30年も前の作品ですがいまだにファンの多い刑事ドラマです。オープニングで木暮課長(石原裕次郎)が自動車電話をかけながら颯爽とガゼールを走らせるシーンや、パート1 第75話「平尾一平、危機一髪」の中でガゼールが犯人に奪われて逃走に使われる場面で、大門軍団に追われるガゼールだけが工事で天井の低くなったトンネルをすり抜けるというシーンが有名。ガゼールオープンの特徴をいかした演出といえます。

このガゼールでは市販車と違う色のボンネットグラフィックを左右いっぱいに広げて使っています。今月末にはアオシマから1/24のプラモデルも発売予定とのこと。いまのところ昨年末にジョージアの缶コーヒーのおまけ「西部警察オリジナルマシンコレクション」としてでたものが最新。小スケールで作りは粗いですが人気がうかがえます。

画像は昭和55年1月のCARトップの石原裕次郎のガセールオープンに対するインタビュー記事。撮影後、自分のコレクションに加えたいのでカーアクションはやらせたくないと宣言。モデルはアオシマ 1/43、チョロQ、トミカ、ジョージア缶コーヒーの西部警察コレクションからの各1台。
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3匹のガゼール

2008年01月17日 | S110 SILVIA/GAZELLE(前期型)
左からバンダイ 1/20、ノレブ 1/43、トミカ 1/61。バンダイ製は1/20スケール・カーコレクションシリーズの中の1台。エンジンやシャシーも精密に再現されており、タイヤも中空ラバー製。デカールも金色と緑色の2色で再現されています。バンダイがガンプラ、色プラなどに進出する以前の硬派のスケールモデル。このあとバンダイの久々のモデルキットとなったのが前出の1/24のBe-1。自動車モデルのバンダイといわれた過去の実績を髣髴とさせる佳作キットだったといえます。

モデルの下にあるのは当時のガゼールのカタログ。
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国産初

2008年01月15日 | S110 SILVIA/GAZELLE(前期型)
その頃はどのメーカーも国産初といううたい文句が大好きな時代でした。S110シルビア・ガゼールの国産初アイテムは「ドライブコンピュータ」と「ボンネットグラフィック(ガセールのみ)」。ドライブコンピュータは積算・減算トリップメーター&ストップウオッチ、設定車速と実車速を2秒ごとに時間差計算するというラリー用のナビメーターなどがついた計算機みたいなもの。必要かどうか疑いたくなるものでしたが、このあたりから自動車の電子化が加速していきました。

画像はガゼールのオプションカタログとボンネットグラフィックの取付要領書。モデルはノレブ 1/43 と トミカ 1/61。トミカは小さいので再現の限界を感じますが、金色のグラフィックと車体色のコントラストはそれなりにリアル。ノレブ製は金色の発色がやや鈍い仕上がり。隠し味のグリーンはさすがに両車とも省略。
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国産名車?

2008年01月14日 | S110 SILVIA/GAZELLE(前期型)
シルビアシルエットフォーミュラのところでニュースや記念日が飛び込んできて話が中断してしまいました。このシルエットフォーミュラ、S110シルビアのハッチバックがベースなのですが、2007年11月、ハードトップの方がアシェット婦人画報社の「国産名車コレクション VOL.47」に「ガゼール」のカタチで加わりました。なぜシルビアじゃなくて姉妹車のガゼールを選んだのでしょうか?

ガゼールといえば印象深いのがボンネットグラフィック。トランクリッドハンドルの次の仕事が「もっとシルビアとの差がわかる外観が提案できないか?」でした。そこでイメージカラーのダークブラウンメタリックと相性のいい金や銀のテープを使ってピンストライプなどを検討しました。なにしろ薄暗くて狭い倉庫みたいな場所しかなくてボンネットの上での作業がしやすかったからというのもありますが、車体上面を使ったところ大好評で、対抗案もなくプロモーションにまで大々的に使われることになりました。繊細な日本の伝統色を隠し味としていれたのも良かったようです。

ストライプも通常はちゃんと図面を描いて手配しますが、こればかりは複雑すぎて図面になりません。そこで正確に実車にテープドローイングをし、これを粘着フィルムにトレースして製造メーカーに渡す手法をとりました。この複雑なグラフィックがミニカーでどこまで再現できるか。国産名車コレクションのモデルは老舗のノレブ製。期待していたのですが、あっさりボンネットだけになってしまいました。実車はトランク上面やボディサイドにもあるのですが・・。

画像のノレブ 1/43モデルにはボディサイドに金の細いテープを追加。大量生産のためかやや作りが雑なのが惜しい・・。奥はVOL.1のスバル360。それにしてもこのパッケージや解説書、色や装丁もう少しなんとかならないものか・・。
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