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続・持続可能的計画経済論(連載第21回)

2020-10-04 | 〆続・持続可能的計画経済論

第2部 持続可能的経済計画の過程

第4章 計画化の時間的・空間的枠組み

(2)計画の全般スケジューリング
 およそ計画経済においては、策定スケジュールの設定とその厳格な履行が健全な経済運営の鍵となる。その点、そうした計画のスケジューリングにおける時間的な枠組みとなるのが、計画のサイクル期間である。持続可能的計画経済であれば、比較的短い3か年であった。
 そして、原初の経済計画となる3か年計画に始まり、後続3か年計画の各サイクルが三年ごとに積み重ねられていくわけであるが、これらの各サイクルは第一次経済計画に始まり、第二次、第三次・・・・というように、序数をもって累積される。
 各次3か年の内部は、第1計画年度・第2計画年度・第3計画年度と区分けされるが、これらは形式的な区分けにすぎず、各計画年度ごとに計画の実施内容が異なるというわけではなく、全体として3年を1サイクルとする計画が組まれるのみである。
 この3か年という1サイクルは、各次計画の実施期間であるので、各次計画の策定は当然、3か年の起点である計画第1年度の開始月より前に着手されていなければならない。その点、世界共同体‐領域圏‐領域圏内広域圏という三層の空間にまたがる持続可能的経済計画においては、これら三層それぞれのスケジューリングが有機的な連関をもって組まれなければ機能しない。
 その際、すべての計画の出発点となる世界経済3か年計画の策定は、その多岐にわたる計量的な作業の負担を考えると、現行計画が終了する1年前(第1次計画の場合は、それが開始する1年前。以下、同じ)には開始する必要がある。
 そして、それをベースとする領域圏経済計画の策定過程のスケジュール的余裕を考慮すれば、このプロセスは遅くとも6か月以内に世界共同体総会の議決をもって完了させる必要がある。
 ここで、世界経済3か年計画の開始月をわかりやすく1月に設定すると、現行計画の第2計画年度が開始する1月に次期計画の策定を開始し、同年度の7月には、次期世界経済計画が完成していることになる。
 ここで完成した世界経済計画をベースとして、各領域圏における経済計画の策定プロセスが開始されていく。このプロセスは、領域圏経済計画(基幹生産計画)と領域内広域圏経済計画(消費計画)の二層から成るが、これを現行計画最終年度の後半6か月の間に完了することになる。


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