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世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版](連載第31回)

2024-06-02 | 〆世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版]

四 汎アフリカ‐南大西洋域圏

(13)ナイジェリア合同

(ア)成立経緯
主権国家ナイジェリア連邦が南北に分割されたうえで、改めて南北合同して形成された領域圏である。

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の2圏である。いずれも連合領域圏である。

○南ナイジェリア
ナイジェリア連邦のうち、キリスト教が優勢な南部諸州を継承する領域圏。政治代表都市はラゴス。

○北ナイジェリア
ナイジェリア連邦のうち、イスラーム教が優勢な北部諸州を継承する領域圏。政治代表都市はカドゥナ。

(ウ)社会経済状況
資本主義時代に発達した経済を基盤にしつつ、持続可能的な南北共通経済計画が運営される。自動車製造や製薬が軸となる。持続可能的農業も発達する。石油は世界共同体の管理下に移行する。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏民衆会議から選出された同数の協議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議し、共通政策を協調して遂行する。政策協議会が置かれる旧ナイジェリア首都アブジャは、南北両ナイジェリア領域圏による合同管理下の中立都市という位置づけになる。

(オ)特記
主権国家時代はイスラーム優勢の南部とキリスト教優勢の北部という分裂構造から、宗教紛争が絶えず、暴力主義的なイスラーム武装組織が跋扈してきたが、あえて分割‐合同という方式に踏み切ることで、宗教紛争を止揚することに成功する。そのうえで、南北両領域圏それぞれに宗教評議院が設置され、宗教紛争の調停や少数宗派の権利保護を行なう。

☆別の可能性
南北が分割されず、統一性を保ちつつ、連合領域圏として成立する可能性もある。

 

(14)西岸アフリカ合同

(ア)成立経緯
アフリカ大陸北西岸に密集する10の領域圏に、南大西洋上の離島国家カーボヴェルデを加えた計11の領域圏が合同して成立する合同領域圏。11の構成領域圏はいずれも主権国家時代の領土区分をそのまま継承する。

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の11圏である。いずれも統合領域圏である。

○ベナン
主権国家ベニンを継承する領域圏。

○トーゴ
主権国家トーゴを継承する領域圏。

○ガーナ
主権国家ガーナを継承する領域圏。

○コートジボワール
主権国家コートジボワールを継承する領域圏。

○ライベリア
主権国家ライベリアを継承する領域圏。なお、旧和表記は「リベリア」であったが、誤記のため公式に訂正。

○シエラレオーネ
主権国家シエラレオーネを継承する領域圏

○ギニア
主権国家ギニアを継承する領域圏。

○ギニア‐ビサウ
主権国家ギニア‐ビサウを継承する領域圏。

○ガンビア
主権国家ガンビアを継承する領域圏

○カーボヴェルデ
主権国家カーボヴェルデを継承する領域圏。

○セネガル
主権国家セネガルを継承する領域圏。

(ウ)社会経済状況
西アフリカ経済共同体時代の経済統合を基盤に、共通経済計画が運用される。ダイヤモンドなど内戦の経済要因となった天然資源管理は世界共同体の管理下に移行することで、社会的な紛争も激減する。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏民衆会議から選出された同数の協議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議し、共通政策を協調して遂行する。政策協議会は、セネガルのダカールに置かれる。多言語のため、合同公用語はエスペラント語に統一。

(オ)特記
合同を構成する各領域圏はいずれも中小国ながら、それぞれにアフリカ特有の多部族を抱え、主権国家時代には内戦や独裁の絶えない不安定地域であった。そうした反省から、合同領域圏には世界共同体平和理事会と連携する合同紛争調停機関を常設し、紛争の未然防止と早期解決を図る。

☆別の可能性
可能性は高いと言えないが、緩やかな合同にとどまらず、11の準領域圏から成る連合領域圏として成立する可能性もある。


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