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南アフリカ憲法照覧[補訂版](連載第22回)

2021-08-20 | 南アフリカ憲法照覧

全州評議会の会期

【第63条】

1 全州評議会は、会期及び休会の時期及び期間を定めることができる。

2 大統領は、特別の任務を行なうため、いつでも全州評議会を召集することができる。

3 全州評議会は、公益、治安及び便宜を理由としてのみ、かつ評議会の規則及び命令で定められている限り、国会の所在地以外の場所で開くことが許される。

議長及び副議長

【第64条】

1 全州評議会は、その代議員の中から1名の議長及び2名の副議長を選挙しなければならない。

2 議長及び副議長の1人は、その代議員としての任期がより早く満了しない限り、5年の任期で常任代議員の中から選挙される。

3 他の副議長は、1年任期で選挙され、すべての州が輪番で代表されるように、別の州選出の代議員によって継承されなければならない。

4 首席裁判官は議長の選挙を主宰し、または他の裁判官にそれを指示しなければならない。議長は副議長の選挙を主宰する。

[第4項は2001年法律第34号第5条により改正]

5 附則第3条A部に掲げられた手続きは、議長及び副議長の選挙に適用される。

6 全州評議会は、議長及び副議長を解任することができる。

7 その規則及び命令の定めるところにより、全州評議会はその代議員の中から議長及び副議長を補佐する他の役員を選挙することができる。

議決

【第65条】

1 この憲法が別に定めている場合を除き‐

a. 各州は一票を有し、それは議員団長により州を代表して投票される。

b. 全州評議会に上程されたすべての議案は、少なくとも五つの州がその議案に賛成票を投じたときに、合意される。

2 第76条第1項または第2項によって設けられた手続き[訳出者注:州に影響を及ぼす法案に関する特別手続]に従って制定される国会の法律は、州議会が自らを代表して投票する権限を代議員団に付与するための統一的な手続きを規定しなければならない。

国の高位行政官の参加

【第66条】

1 閣僚及び副大臣は、全州評議会に出席し、発言することができる。ただし、投票することはできない。

2 全州評議会は、閣僚、副大臣または国もしくは州の行政府の官僚に対し、評議会の会議または委員会に出席するよう求めることができる。

自治体代表者の参加

【第67条】

第163条に規定される自治体組織によって自治体の種々の部門を代表すべく選任された10人以内の非常任の代表者は、必要なときは、全州評議会の議事に参加することができる。ただし、投票することはできない。

 第63条から第67条までは、国民議会とともに二院制議会を構成する全州評議会の会期や議長以下の役員の選挙、議決方法や閣僚等の出席権等の細目が簡潔に定められている。国民議会に関する第51条乃至第54条に対応する部分である。
 内容的には、国民議会の場合と重なる点もあるが、全州評議会は各州の代表院であることから、その議決は州のために州代議員団ごとに行なう点が、国民議会と大きく異なる。また大統領は出席しない一方で、自治体代表者の参加が認められる点も異なる。


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