対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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中山典之伝説

2011-02-17 21:55:55 | 雑談
昨日の小西先生の記事でちょっと触れた中山典之先生。
1年前のご訃報の際の自分の記事を探したのだけれどみつからず。

当然、触れないはずはないので不思議だったが、
ちょうど1年前ということで、触れられない時期だったことに気がついた。
当時、猿十番碁を延期してもらったのも同様の理由。

私は中山(テンコレ)先生と縁も由香里もないけれど、
お書きになった文章は一読者として結構読んでいる。

ちょっとその中からエピソードを抜粋してみよう。

(その1)若い頃は名記録係としてならした

対局に邪魔にならないように的確に記録、
秒読みをするのが抜群に上手だったらしい。

そのため重要な対局によくご指名がかかり、
様々な名勝負を盤側で観戦することに。

有名な梶原先生の「今日の蛤は重い」も、
その対局を記録係をしていて聞いたそうで、
これが縁で梶原先生と親しくなり、
コンビを組んで本を執筆することになったとのこと。

また呉清源先生も記録係中山を信頼されていた方の一人で、
後に全然別の人が記録係をつとめていても、残り時間をたずねる際
中山さん、あと何分」
と無意識に名前を呼ばれていたとか。

(その2)名ライターだった

先にあげた梶原先生とのコンビで出した本が有名だが、それ以外にも
小林光一プロと組んだ「小林光一囲碁必勝講座」「小林流必勝置碁」、
武宮正樹プロと組んだ「宇宙流序盤構想
酒井猛プロと組んだ「玄妙道策」などが名著といわれている。
文体に癖があるが、アマ向けに変にレベルを落としていないのが特徴。

趙治勲プロも「現代花形棋士名局集」別巻で
初めて打碁集を出す際にテンコレ先生の構成を強く希望されたらしい。

また最初に名を高めたのは、実名で書かれていたエッセイで、
私が初めて囲碁史に触れたのもテンコレ先生の「囲碁の世界」。
当時、囲碁をほとんど知らなかった私でも、大変面白く読めた記憶がある。
先の梶原先生の「蛤が重い」も「実録囲碁講談」に収録されている。

(その3)海外での囲碁普及に努めた

毎年のようにヨーロッパの囲碁コングレスに参加され、親しまれた。
アチラにはテンコレ先生の弟子を名乗る棋客がウン千人といるらしい。

今だと王唯任プロや桑本晋平プロが構成を担当されたりしているが、
こういう文章でアマチュアに囲碁の魅力を
伝えられるプロが減っているのは、寂しい。

是非、テンコレ先生、小西先生に続ける
「我こそは」という人がもっと出てきて欲しいものだ。

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