自遊日記

定年後の備忘録

「ハプスブルク一千年」読了

2006-03-30 17:23:41 | 読書

この程、新潮文庫の「ハプスブルク一千年」、講談社発行の
「ハプスブルク家」の2冊を読了。

ハプスブルク家は、13世紀から20世紀にかけて、ヨーロッパの政局にも
文化の発展にも深くかかわり続けてきている。
その影響範囲は、オーストリアだけでなく、ヨーロッパ全域に及んでいる。

女帝マリア・テレジアの生涯の部分は、特に印象に残った。

役立たずの老臣をやめさせ、家柄や身分にこだわらず、能力のある若者を
積極的に登用し、オーストリアを近代国家に仕上げていった経緯は
読んでいてスカッとする。
医療制度や教育制度の改革も、大胆に断行している。

彼女は16人の子供を生んでいる。
たくさんの子供の中で最も気に駆けていたのは、末娘のマリー・アントワネット。
偉大な女帝が、フランス王妃となった娘を、母親として何かと案じている部分は
胸を打つ。
洋の東西を問わず、又地位や立場に関係なく、親が子を思う気持ちは
同じという事か・・・


因みに
マリー・アントワネットが非業の死を遂げた時、女帝は既にこの世の人では
なかった。
娘の不幸な死を知らずに他界しているのは、せめてもの救い。

それは兎も角、マリア・テレジアの様な、実行力ある豪腕政治家が
日本に現れて、税金のムダ遣いなんかを一掃してくれたら
スカッとするんだけど・・・