MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.088 「311」(2011年 92分 ビスタ)

2012-12-22 00:10:41 | 2012年劇場鑑賞
監督 森達也
   綿井健陽
   松林要樹
   安岡卓治


今日は特殊な上映会に行ってきました
大阪南御堂にある御堂会館での南御堂シアター上映会の一環としてこの映画が上映されました
終了後には森達也、綿井健陽両監督のトークディスカッションもあります
その名のタイトル通り東日本大震災のドキュメンタリー映画ですが、これまた賛否両論の問題作となっています

(あらすじ)

2011年3月11日の2週間後、映画監督の森達也、ジャーナリストの綿井健陽ら4人が福島第一原発周辺の取材へと向かう。
放射能測定器が高い数値を示し、4人はパニックになりながらも目的の地へと近づいていく。
その後、一行は宮城、岩手へ。
小学生の親と共に行った不明者の捜索では、4人に厳しい言葉が突きつけられる。



ナレーションも無ければ音楽もない・・・ガイガーカウンターのノイズと被災地の瓦礫の撤去させる重機の音や荒野と化してしまった町に吹く風の音・・・そこには震災から2週間後の被災地の生の音が記録されていると思います
TVではあまり見られないアングルから記録されてるような映像だが、これが実際震災直後にこの映画を見ていたらもっとショッキングで、生々しく感じたことでしょう
でも1年以上が過ぎ、2年近くにそろそろなろうとしてる今見ると改めて惨状の凄まじさに言葉を無くすものの、どこか冷静に見れてしまう・・・これが風化と言うものかも知れない

でもトークショーで森達也監督が言ってように風化は仕方ないし、ある意味嫌な事を忘れて前を向く意味では必要かもしれない
しかし単に忘れるだけでは意味がない。
そこで何かを学び次にこの悲劇を起こさないようそれぞれが考える事が大事
そう言う意味ではこう言う映画の映像と言うのは価値のあるものではないでしょうか?

またこの映画冒頭で放射能の測定値が被災地に近づくにつれてドンドンと上がっていくのを、大の大人4人がまるで修学旅行の車内のように大はしゃぎしながら笑ってる場面がある
恐怖を通り越すと恐怖感から笑ってしまうという事らしいが、なんかそれでも見てて楽しそうに見えたが・・・
{後ろめたさ}と言うのがこの映画のキーワードのようだが、被災してない人間が報道、または記録として被災者や崩壊した家屋などにカメラを向ける
その事に対しての後ろめたさは映像を見てる我々側にも無意識にあるかも知れない・・・
映像見ながら、もっと凄い場面が出てくるのかな?とか・・・当時ニュースで流れてた津波の映像が各局のチャンネルを頻繁に切り替えながら見た人も私同様多いはず



安全圏に居る人間とその現場にいる当事者及び被災者
その両極に居る側のそれぞれの人間の立場が映像を見てよく出ていたと思う
それが一番よくわかりやすいのがラストの被災者とクル―の一悶着でしたね
この映画はTVで報道されてる映像のNG集のようなものだと言ってたがなるほどと思った・・・




★★★ 2012.12.20(木) 御堂会館 18:00