MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.072 「日本沈没」(2006年 日本 135分 シネスコ)

2006-07-18 00:54:04 | 2006年劇場鑑賞
監督 樋口真嗣
出演 草なぎ剛
    柴咲コウ
    豊川悦司



日本沈没・・・子供の頃に何度かCMスポットで見た衝撃的な場面の連続・・・大洪水、富士山の大爆発、崩壊する都市!
73年に劇場公開された和製ディザスタームービーの大傑作。
この映画は私は大好きで、ポセイドン号が転覆しても、ロスが大地震で崩壊しようが、グラスタワーが紅蓮の炎に燃え上がろうとやはり日本人の私には富士山が大爆発を起こし、我が町大阪が大阪城の天守閣だけを残し水没してしまう・・・そんな場面の方がはるかに衝撃的だった・・・
TV化され連続ドラマで放送されてましたね(主題歌は五木ひろし!)
主役の藤岡弘といしだあゆみの濃ゆ~いカップルに小林桂樹の悲壮感漂う田所博士の芝居、そして貫禄ある丹波哲郎の総理大臣!
どれもこれも役者がピッタリはまってましたね~ いつ見てもいいなぁこの映画は!

そして30年以上の年月を経てリメイクされたのが今回の「日本沈没」です。

(あらすじ)

大規模な地殻変動によって日本列島が海中に沈没するという危険性が指摘され、それを証明するかのようなマグニチュード8以上の大地震が次々と発生する。そんな中、大地震の被害にあった潜水艇のパイロット小野寺(草なぎ剛)と幼い少女美咲(福田麻由子)は、ハイパーレスキュー隊員の阿部(柴咲コウ)に救出される。


     ☆☆☆☆☆ネタバレ警報発令(鑑賞する方はここより後は見たらダメよ!)☆☆☆☆☆























役名は前作及び原作のままだが、内容は完全なオリジナルストーリーと言っていいでしょうね。
よって旧作と比べるのは野暮かも知れないが、やはりついつい突っ込んでしまう。
まず主役の2人、互いに思いあう草なぎ剛と柴崎コウの間に情感が感じられません。
特にこの映画ではヒーロー的な役割の草なぎ剛の元気の無さがこの映画全体をユルクしてるような気がしますね。
それと及川ミッチーは今回いつもの色気はありませんでしたね~ 家族を大切にする良きパパって言う意表突いたキャラだ。
また、大臣の大地真央と科学者トヨエツが昔は夫婦だったて言う設定も無理矢理だしね。
人物描写は正直弱いですね~
小泉純一郎風の石坂浩二総理は実に間抜けな死様(政府専用機で海外へ行く途中、阿蘇山上空に差し掛かった時にたまたまを阿蘇山が噴火して上空に居た飛行機も爆発・・・かなりの確率でないと有り得ないと思うが)だし、多数の死者が出ても、見事なほど主要人物だけ生き残る(これがまたどうでもいい様な連中・・・(笑))
旧作で総理を演じた丹波哲郎が特別出演・・・それもギャグのような出かたで!

また災害シーンはさすがミニチュア感全開だった旧作の特撮を思えば、今回は進化したCGで臨場感たっぷりと見せてくれるが(でも「LIMIT OF LOVE 海猿」の方がCGはよく出来てる)、予告以上の場面はあまり無く、ニュース映像や台詞などで災害の進行状況が語られいつの間にか日本が沈み出してるありさま・・・この辺を個人的にはもっと色々見せてほしいトコだったんですが、拍子抜けです。
予告で出てきたように道頓堀がいかに水没するか?って所を見たかったのにもう沈んでた・・・

そして何より驚いたのが日本沈没を食い止める!という原作無視の破天荒な荒業の登場。
沈みゆくプレートを途中で爆薬により断裂させ沈むのを止めるという・・・これを柴崎コウにふられ(?)た傷心の草なぎ剛がまるでブルース・ウィルスが乗り移ったかのように命を賭けて爆薬を海底で仕掛けるアルマゲドン級の驚天動地のクライマックスはもう唖然・・・「そんなアホな・・・?」と笑ってしまいましたよ
そして見事沈没を免れる!(ま、寸断され瀬戸内海見たいになってましたが・・・)

旧作ファンから一言言わせて貰えば、富士山が噴火しない日本沈没は日本沈没じゃない!
まさにツッコミ満載の底抜け超大作でした・・・ワースト候補ですね~
ま、‘SF潜水艦映画‘「ローレライ」の監督だからね~



★★ 2006.7.15(土) アポロシネマ8 スクリーン4 21:10 L-1